風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

パンフルートの音あわせは自己完結で

2011-08-31 | ミツロウ・調律方法

             

                   工房付近風景。         メダケのパンフルート(アルトとテノール)

パンフルート製作販売・吹きかた・音あわせ教室のパンフルート工房香原です。

例えばピアノの調律のようにプロの調律師の方が調律した楽器はその後だれが弾こうときちんとした音程で弾けますが、パンフルート

の場合はだれが調律した後であろうと別の人が吹けば音程は狂ってしまいます。なぜでしょうか?。

それは管の形にあります。笛一般をみると歌口からの空気は解放された管から抜けてしまいますが、パンフルートだけは歌口から入った

空気は密封された管の底にはね返され逆流して再び歌口の位置にもどってきてしまうのです。

密封管のパンフルートの場合はその管の体積によって音程が決まりますが、その管の体積を最大限使い切る空気の流れを持つ人と使い

切れていない人。ビームをエッジにぶつけたとき外に出る空気が多い人と少ない人。体型の違いでビームの圧力が高い人と低い人。

最も音程の違いが出るのは構え角度の大きい人小さい人、同じ体積の管をもってしても使う人それぞれの音程がうまれるのです。

つまり最終的にパンフルートの音程を決めるのはその楽器を吹くあなた自身でしかないということになります。

その後あなた自身が演奏技術の進歩によって吹く力が当然変わって来ますが、その時はその力に応じた調律を行っているはずです。

そうなんですあなた自身もあなたの古い調律では合わなくなり、あたらしく調律し変えなくてはなりません。

なんだか無限地獄にはまったみたいで気が重いという方もおられるでしょうが、

ここでも前向きにパンフルート仲間といっしょにパンフルートの道を切り開いて行きましょう!。

パンフルート修理・吹きかた・音合わせの問い合わせは082-894-0854またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまでどうぞ。

広島パンフルート愛好会へもどうぞ。nakamura@an-pan.org.vcf


パンフルートの音あわせは角度を一定に

2011-08-30 | ミツロウ・調律方法

      

                  トウチクの竹林                   トウチクのパンフルート

パンフルート製作販売・吹きかた・音合わせ教室のパンフルート工房香原です。

パンフルートの音合わせをうまく行うにはいろんな要素がありますが一番大切なのは「構え角度を一定にしビームを各管のエッジの

一定の箇所に当てる」ことです。一見簡単なテーマのように思えますが歌口が一つの尺八やケーナとはちがい、パンフルートは歌口

が22個もあるのです。動きがあるなかでこれを息の強さと角度を一定に吹き揃えるには相当の修練つまなくてはなりません。

あなたの演奏の時の角度をいつもチェックしておいてください。その角度を音合わせのとき再現できるよう訓練してください。

その角度が合致できたときよい音程の音合わせのできる入り口に到達できたといえます。

パンフルート初心者からプロまでその時々の音合わせを行うことからのがれることはできませんが、初心者の方は失敗を恐れず堂々と

自分の楽器の音合わせをおこなってください。あなたの楽器はあなた自身でしか合わせられないのですから。

最近の記事で私は「パンフルートの管にアゴを付けて演奏している」と言いましたが、音合わせの時も同じように管にアゴを付けて

行っています。こうすることで結果的に角度がブレることなく音合わせができるのです。

くれぐれもこのスタイルは私独自のものであり、あなたが日頃15度で構えているのなら音合わせの時も15度で行ってください。

パンフルート修理・吹きかた・音合わせの問い合わせは082-894-0854またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまでどうぞ。

広島パンフルート愛好会へもどうぞ。nakamura@an-pan.org.vcf


ミツロウが柔らかくなくてはならない理由

2011-08-29 | ミツロウ・調律方法

      

            オリーブの木のパンフルート                       工房付近風景

パンフルート製作販売・吹きかた・音合わせ教室のパンフルート工房香原です。

パンフルートを吹かれるみなさんは「なんでパンフルートはこう頻繁に調律を繰り返さなくてはならないのだろう、一度完璧に

調律し最低1年ぐらい狂わない方法はないものかしら」と思われたことがあるでしょう。

しかし残念ながらそういう都合の良い方法はまだ見つかっていません。

「いやだなー」と毎回いやいや調律を行っていたのでは最後には本当にいやになりパンフルートを放り出すことになりかねません。

常温で柔らかく(冬は硬すぎず夏は手にべたつかない柔らかさ)適度にねばりのある品質の良いミツロウを使って楽に楽しく

パンフルートの音合わせをやっていきましょう。

なん百回とパンフルートの調律を根気よくおこなってこられた方はそのあいだにしらず知らず実力がついているもので、苦もなく

調律をすませることができるようになった頃には演奏のレベルも相当なものになっているはずです。

「自分は調律なんかとてもできない」と思われているあなたは「柔らかいミツロウ」を使えば簡単に手軽にできますよ。

パンフルート修理・ミツロウ音合わせの問い合わせは082-894-0854またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまでどうぞ。

広島パンフルート愛好会へもどうぞ。nakamura@an-pan.org.vcf


パンフルートの管は生きている!

2011-08-28 | ミツロウ・調律方法

      

                 檜のパンフルート                       工房付近風景

パンフルート製作販売・吹きかた・音合わせ教室のパンフルート工房香原です。

パンフルートの楽器は自然の素材でできています。ほとんどは竹で作られていますが当パンフルート工房では木からも作っています。

どちらの内部組織も縦方向に毛細管がはしり水をすいあげる構造になっており、切り倒したあとも空気中の水分を毛細管の中に溜め

込んで生きています。ニスをぬった後は外気との遮へい性が高まりますがそれでも水分0%の乾燥というのはありえません。

家の柱とかをみてもわかるように外気の湿気を通じて水分の出し入れをして水分を適度に保ちながらその細胞を長く生かしています。

パンフルートの管は生きて外気の状況にあわせて生活しているので梅雨時と冬の乾燥季では一度あわせた調律も狂ってしまいます。

ギターの弦はひっぱって伸びるのが前提でつくられており毎日使う前に調弦をしますが、パンフルートの調律の場合はそこまでの変化

はないので最低1ヶ月単位で音程をチェックするように心がけてください。それと教室の練習日とか発表会があるときは、その前日まで

には必ず音程をチェックしておきましょう。

頻繁に調律しなくてはならないパンフルートで調律の時必要なのが「ミツロウ」であります。みなさんが使われているミツロウの硬さと

ねばり具合はどうですか?。ミツロウを管の底にいれて丸棒で押し付けても楽器の歌口を下においたとき出てしまうというようなことは

ありませんか?。お困りのときは当工房まで連絡ください使いやすいミツロウを原価でお分けいたします。

パンフルート修理・音合わせ・ミツロウの問い合わせは082-894-0854またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまでどうぞ。

広島パンフルート愛好会へもどうぞ。nakamura@an-pan.org.vcf


パンフルートあごを付けてミツロウを掻きだそう!

2011-08-27 | ミツロウ・調律方法

      

              山桜の木のパンフルート                       工房付近風景

パンフルート製作販売・吹きかた・音合わせ教室のパンフルート工房香原です。

「広島パンフルート愛好会」中村先生をつうじてザンフィル先生が「パンフルート管にアゴを付けて吹きなさい」と言われていた

と教わりました。なんでもかんでも言われた通りすべてを受け入れて行く必要はないとは思いますが、良いと言われることは何か

特徴的なことがらを含んでいるもので自分に合うかどうか試してみてください。

日本人のわれわれが管をアゴに付けて構えるとパンフルートの楽器はほとんど垂直になります。便宜上0度として話を進めます。

普段15度でパンフルートを吹いている方が0度で吹くようになるとどういうことが起きるかというと、全ての管で半音高くなり

ます。(低音は変化が少ない)当然半音分のミツロウは掻きださなくてはなりません。掻きだした後は管の鳴りがよくなります。

それともう1点よいところは楽器を傾けて半音を出す方は、もと吹いていた15度にもどすだけで半音さがります。

考えてみれば現在15度で吹いている方が半音下げるにはさらに30度ぐらいに傾けて音を出していることになります。

現在半音のおとの出方がよくないかたはこの「アゴ付け奏法」をためす方向で検討してみてください。

ただしミツロウを掻きだす作業と調律のしなおしをしなくてはならないので相当の覚悟と努力が必要です。

パンフルート修理・吹きかた・音合わせの問い合わせは082-894-0854またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまでどうぞ。

広島パンフルート愛好会へもどうぞ。nakamura@an-pan.org.vcf