風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

作業手順の見直し

2015-09-29 | パンフルート作り

私は30年間パンフルートを作って来ましたが、この間製作過程で大きな流れは変更ありませんが細かいところで

少しずつ改良を重ねながら質の良い楽器として世に出せるよう努力しております。

   

 最近の底面箱型作りは両面に1㎜の薄い板を貼付けるスタイルが定着しました。

パンフルート製作工房では管の曲面強化のためにポリエステル樹脂を底面に塗り付け固めています。

今回から樹脂固めと側面版取り付けの順番を見直し、側面版取り付けを先に行なうようにいたしました。

側面盤を底からはみ出すようにガイドラインを作ることにより液が両脇にたれて固まる事を防ぎ、側面版と樹脂の

密着度も上がる一挙両得の方法であると気がついたのです。

これにより作業時間の短縮と性能アップが望めます。

   

 

風の音パンフルート製作工房では自然の音を生かしながら楽器作りを行なっております。

購入・修理・貸し出し・教室などのお問い合わせは080-5235-7664またはまたはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。


柔らかい音は実力を測るカガミ

2015-09-27 | パンフルート演奏研究

パンフルートで柔らかい音の出る楽器では「音の余韻が少ない」という要因であなたの息づかいそのままの音

が出て、ごまかしが効きません。現実に出る音があなたの実力となります。

   

 製作途中で組み立てられた上写真、左が竹・右の色が濃いほうが木のパンフルートとなります。

固く鋭い音の出るパンフルートは管の壁側面が固い物質で覆われ、反射力が強く打てば響きます。

演奏家にとっては響く楽器のほうが「楽ができる」のでしょうが、それに頼りきると音を最後まで伸ばす必要もなく

余韻をあてに適当に打ち切って次の音に移ってしまう悪い癖がついてしまいます。

広島パンフルート愛好会教室でたまに私の楽器の新作を披露して会員の方に試奏をしてもらうことがありますが、

反射を利用し「パーン」と弾く吹き方の方がほとんでどで、私の「比較的音を吸収する」タイプの楽器の音出しには

戸惑われ、中堅のみなさんですからそれなりの音は出していましたが途中で失速されていました。

ここにも「打てば響く」さほど苦労もしないで楽ができる吹き方で満足していたツケが現れています。

それ以後教室では「1つ1つの音を出来るだけ伸ばす」「1つのフレーズ内では音を切らないで音をつなげる努力を

する」などの音のつなぎに関する練習を行なっております。

ごまかしのきかない楽器に遭遇したときあなたは放置するタイプでしょうか、「なにくそ」と挑戦するタイプで

しょうか。

   

 

風の音パンフルート製作工房では自然の音を大切にした楽器作りを行なっております。

購入・修理・貸し出し・教室などのお問い合わせは082-894-0854またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。


攻撃的息使いで柔らかい音

2015-09-25 | 音の出しかた研究

パンフルートで柔らかい音は鈍重で反応が鈍くなります。この性格を利用しながら音出しの研究をしない限り

柔らかい音の楽器はだだの扱いづらい音の出る箱になり下がってしまいます。

   

 自然のままでいるということも、なかなか難しいものですね。

 ありのままの音を愛するみなさんも一緒に考えて見てください。私も苦闘しています。

柔らかい音の出るパンフルートは一方の楽器の方で勝手に鳴ってくれる固い音の楽器と比べ、こちらから何らかの

アクションを起こさない限り何も始まりません。

ただ何気なく空気を送り込むだけではだめなのです。

今でている音を確かめながら先を見据えて音を広げて行く努力をいたしましょう。

立ち上がった音をキープして行くだけの惰性的演奏ではなく、先に行くほど攻撃的に音を作り上げて行きましょう。 

そこに自分の意図が入り音をコントロールする癖がついてくるのは良い事なのですが、最初のうちは面倒な操作を

1つ1つ積み重ねて行かなければならないので扱いにくいと感じられることでしょう。

しかしこの一連の動作が身に付けば1つ1つの音に自分の意図が入り情緒ある音が出せるようになります。

   

 

風の音パンフルート製作工房では自然とともに生き・自然から学び楽器作りを行なっています。

購入・修理・貸し出し・教室などのお問い合わせは080-5235-7664またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。


柔らかい音は心に沁みる

2015-09-23 | パンフルート演奏研究

パンフルートの固く弾む音は「明るく楽しく」人の心を動かしますが、柔らかくほのぼのとした音は人の心に

染み込んで「優しく包み込み」ます。

   

 パンフルートはG調に合わせた楽器1台で全ての曲を吹きますが、性格の違う2台をそろえられて曲調に合わせて

 吹き替えられ幅広い感情を表現されるのも一つの手かもしれません。

パンフルートの音は産地による材質の違いや製作者の加工手順などにより音質が変わります。

それは各パンフルート製作工房独自の音が生まれ、購入者の手に渡ります。

広島にある当パンフルート製作工房では全ての素材を温帯地方である工房近くの林で調達しております。

温帯地方での植物は寒暖差の大きい気候のため組織をしなやかにして生き延びて行きます。

したがって当パンフルート製作工房が作るパンフルートの音は「柔らか・しなやか・暖かい音」となり、意識的に

この方向を伸ばした形で作り上げます。

まさに「日本人の心の音」と言っても過言ではないでしょう。

しかし打てば響く固い音に比べ柔らかい音は鈍重で扱いにくくなります。

当工房の楽器を持たれる方はこの点に留意され、欠点を逆に利用するなどの工夫をなされこれを克服されれば日本人

の心をわしづかみにする演奏へと向われることを保証いたします。

   

 

パンフルート製作工房では自然の音をそのまま再現する楽器作りを行なっております。

購入・修理・貸し出し・教室などのお問い合わせは082-894-0854またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。


柔らかい音は情感豊か

2015-09-21 | パンフルート演奏研究

柔らかい音の出るパンフルートは音が鈍重のため演奏者自身が意図を持って1つ1つの音をふくらませ育てて行かな

ければなりません。

   

 当パンフルート製作工房のパンフルートは音出しが難しい側面がありますが、ほのぼのとした情感を表現できます。

音出しが難しい反面1つ1つの音出しに集中せざるを得ず、それが習慣として身に付けば演奏上かけがえのない宝物を

手に入れたことになります。

当工房パンフルート管の材質が柔らかく圧力を吸収するため、瞬間的に跳ね返す分厚いニス塗り管に比べ反応が遅い

ことを逆に利用するのです。

音をふくらませて行くわずかな時間に「自分の意図」を乗せて行くのです。

意図した音を立ち上げ、ふくらませ、羽ばたかせて行くのです。

そこには瞬間的に立ち上がる固い音にはない「情感豊かな」柔軟な世界が広がって行きます。 

    

 

風の音パンフルート製作工房では自然に出る音を大切に育てて行く楽器作りを行なっております。

購入・修理・貸し出し・教室などのお問い合わせは080-5235-7664またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。