風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

半音下げはオーバー気味に

2013-01-29 | 半音のだしかた

                 広島地方では6年ぶりの大雪となりました。

    

 パンフルート工房前の梅の木に雪の花が咲きました。             国道2号線は朝から大渋滞です。

 パンフルートの音程決めの統一基準はありません。

ピアノのように調律師の方が調律を行なったあと「だれが弾いても同じ音程の音が出る」というわけには行かないの

です。

人が変われば音程は変わりますし、同じ人でも成長して効率よく息が集まるようになれば音程は変わります。

パンフルートの場合はその人が今のレベルで調律するしかないのです。

数日後にでもチェックして音程が狂っていれば成長した証だと喜んで受け止めてください。

そんな音程に揺れのあるパンフルートの音を下方に揺らして音程を操作することは他の楽器と比べ簡単にできる操作

なのです。

低音から高音まで1音ずつチューナーで下がり具合を確かめながら半音を下げて行きましょう。

この時針が正規の位置に止まるのを良しとするのではなく行き過ぎるまで下げて揺れの感覚をつかんでください。

実際の曲のなかではここが半音の位置であろうと判断したところで自らの操作で揺れを止めて音程を決めます。

曲の進行のなかでは半音下がりきれていなく次に進んでしまうことが多いのが現実です。

単音での半音下げ練習の時からこの揺れの感覚を研ぎすませて半音位置を決定してください。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082-894-0854または香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

までどうぞ。広島パンフルート愛好会教室へもどうぞ。nakamura@an-pan.org


高音は揺れ大きく低音は少ない

2013-01-27 | 半音のだしかた

     高音域管は径が小さく体積も少ないため対流の影響を受けやすく音程の変動幅が大きくなります。

    

 薪切り作業場・安全のため作業後は整理整頓をします。   ペダー・リッツイ著パンフルートの基礎トレーニング。

 1台のパンフルートで全ての調の曲を演奏する時どうしても半音をさけては通れません。

効率よい動作で確実に音程を下げ全音時と変わらぬクリアな音を出して行かなければなりません。

そのためにはパンフルートの音の出かたの特性を知りそれを利用しながら各人が研究・工夫をしなくてはなりません。

パンフルートの管の長さは高音から放物線を描いて低音部へと進んでいきます。

つまり隣の管へ移動するとき高音部は少ない体積の変化ですみますが、低音部では多くの体積変化を必要とします。

半音の出しかたに置き換えれば高音部では少しの管内気圧変化で音は下がりますが、低音部では的確な操作で管内気圧

を変化させていかないとなかなか目的の位置まで下がりきりません。

半音の出しかたでは低音部を制したものが1人前と言えるでしょう。

ちなみに私は半音以上下げる研究・実践を行なっておりますが、高音部では1音半から2音までさげることはできます

がテノールパンフルートの最低音部では1音下がりきれておりません。

低音部での半音下げを実現して音程操作のメカニズムを体感いたしましょう。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは0823-894-0854または香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

までどうぞ。広島パンフルート愛好会教室へもどうぞ。 nakamura@an-pan.org


楽器を傾ける方法で確実に半音下げよう

2013-01-24 | 半音のだしかた

    半音を下げる方法は5つあると言われていますが楽器を傾ける方法が一番確実に音程が下がります。

    

 旧家の軒先に山から切り出してきた薪を積み上げます。    ザンフィル教則本と松の木のアルトパンフルート。

 パンフルートを演奏する者にとって半音を正確に下げる技術を身につけることは必須の課題となります。

パンフルートは楽譜どおりに音程を一定に保って進んで行くことが難しい楽器です。

音程は常に上下に揺れながら(上げるほうは難しく下げるほうが易しい)出てくるので演奏者は下がり過ぎに注意しな

がら感覚である位置で止めて演奏を進めて行きます。

このようにパンフルート演奏は音程が下がり気味で進んで行く傾向があります。

管の音を半音を下げるにはこの傾向を利用して増幅させながら行きましょう。

具体的には楽器の構え角度(人によって5°~20°ぐらいのバラツキがあります。一度鏡見るか他人に見てもらいあな

たの角度を確認しておきましょう。)を5°~10°ぐらい広げ下唇で管の開放部を覆う形にします。

この時吹きながら楽器を大きく傾ける実験をしてください。30°・45°・60°がどんな音が出るかの実験です。

どうですか?鳴りが悪くなる限界角度があるでしょう。

この限界角度を知り半音を出すために楽器を傾けた時これを超えないよう元々の構え角度を見直してください。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082-894-0854または 香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

までどうぞ。広島パンフルート愛好会へもどうぞ。nakamura@an-pan.org


パンフルートは元来音程のとりづらい楽器

2013-01-21 | 半音のだしかた

       半音の出し方は「楽器を傾ける」方法が基本ですがあと2つ身につけると便利です。

    

  熱いうちに釜から取り出し楕円を真円に直します。         チューナーでチェックしながら半音練習。

 パンフルートは元来音程が安定していない楽器です。

計算上完璧な調律がされていたとしても吹く人が変われば出てくる音程は変わってきますし、同じ人でも構え角度が

変わったり唇と歌口の上下位置が変わったり息の強さが変わったりするたびに音程は変動いたします。

演奏者はできるだけ同じ相互関係を保ちながら揺れ動く音のでかたを確かめて1音1音どこかで止める決断をしながら

次へと進んでいくわけです。

パンフルート演奏者が半音を出す時、この音程の揺れが大きな味方となります。

音程の揺れを下方向に増幅させればよいのです。

具体的には楽器を傾けるて(唇と歌口の位置関係はそのままで楽器底部分を体から離す方向に押し出し垂直方向の角度

を広げる)管内空気の対流を変えて出てくる音を沈み込ませることにより音程をさげます。

この時下唇は管の解放部を少し塞ぐ形になりここでも管内圧力が解放部から解き放たれようとする力を閉じ込めて音を

沈み込ませる作用が働きます。

でありますから半音下げた時、音質がこもり気味になってくるのは当然の結末であります。

ここでは音質は問わず、まずもってチューナーの針を半音もしくはそれ以上下げる方法を模索いたしましょう。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082-894-0854または 香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

までどうぞ。広島パンフルート愛好会教室へもどうぞ。nakamura@an-pan.org


高めの調律では半音下がりきりません

2013-01-18 | 半音のだしかた

     パンフルートの調律はミツロウを掻き出す方向で音程を設定し半音を下がりやすくしましょう。

    

  雨の日は工房内でパンフルート素材の下処理作業。   煮出した後の管は冬の柔らかい日で天日干しをします。

 毎日パンフルートにふれているあなたは知らず知らずのうちにレベルアップしています。

1、肺に空気をたくさん吸い込めるようになり吹き出す空気(ビーム)の圧力が増しています。

2、何万回とビームを作り送り出している(この動作により音が発生する)うちに効率よく管内圧力を高めることがで

  きるようになり、以前と比べ余分な空気(もれ)を使わなくなっている。

3、練習のなかで最も大きな音が出てくる構え角度や唇との位置関係が自然と身に付いている。

などあなたのパンフルート演奏スタイルが構築されつつあります。

伸び盛りのあなたの愛器のパンフルートはいつ調律されたものですか?

おそらく半年前とか1年前、なかには先生に調律してもらったきりそのままという方もおられるかと思います。

パンフルートの音程は季節ごとの温度や湿度の変化で変わってきますが、それよりも人の成長による技術アップの要因

のほうがより大きい変化となってあらわれます。

成長するにつれ同じ体積の管を吹いた時音程が高くなるのです。

成長期には常に音程をチェックし自分の成長具合を確認する努力をしてください。

成長しているあなたが気付かずそのままの状態で半音を下げようとしてもなかなか下がりきるものではありませんよ。

パンフルート購入・修理・ミツロウなどの問い合わせは082-894-0854または香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

までどうぞ。広島パンフルート愛好会教室へもどうぞ。nakamura@an-pan.org