風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

管内パテ凸凹の削り取り

2016-08-30 | 被爆樹木のパンフルート

パンフルート管内壁を滑らかにする加工で、塗込めてパテの表面は乾いて凸凹になっていますので凸部を削り

取るペーパーがけをしなくてはなりません。

  

 

 のり成分で溶いてある「との粉」(木工パテ)をパンフルート素材管内に塗り付けたあと乾燥させます。

乾燥後の内壁表面はギザギザになっておりますので、丸棒の先にペーパーを巻き付けた手作り工具を差し込み

凸部を削り取って行きます。

管は今の単独の状態であれば両口から差し込み作業ができますが、組み立てて底を塞いでしまうと片方の入り口

しか作業できませんので、今のうち両入り口付近・中央部と念入りにペーパー掛けをいたします。

この内壁を滑らかにする作業で音の出方、音質を決定づけて行きます。

  

 

風の音パンフルート製作工房住所 〒739-0302広島市安芸区上瀬野町205番地

主宰 香原良彦  ☎082-894-0854 mail panfrute@ybb.ne.jp


管内にパテ塗りして固める

2016-08-28 | 被爆樹木のパンフルート

ドリルで穴あけ後の管内は凸凹状態でバリなどの突起物もあり音が出る状態ではありません。

  

 

 管内への木工パテ塗り付けには細長い竹ヘラ(管の太さに合わせて手作りします)を使います。

少量の水を加えてやわらかくしたパテをヘラ先端に付け穴中央部から塗り広げます。

こうすることで中央部のドリルが交差した大きな段差や回転してむしり取った壁の小さな段差を埋めて行きます。

凸部のバリも一緒に塗り固めますが、固めることで後の工程で取り去ることができます。

全管を塗り終えた後3日以上乾燥させ充分固めます。

 

  

 

風の音パンフルート製作工房では温かくほのぼのとした音の素材で楽器作りを行なっております。

購入・修理・貸し出し・教室などのお問い合わせは080-5235-7664またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。


穴内のバリ取り

2016-08-25 | 被爆樹木のパンフルート

パンフルート用の円筒材に穴をあけると表面は「むしり取った」状態で、明るい方向に覗いて見ると小さな木片

(バリ)が無数に立ちはだかっています。

  

 

 パンフルート管の内側表面は音が発生する時の音質に重大な影響を与えます。

パンフルート管内に異物が入って音が鳴らなくなる例としては・・・

1年も2年もさわっていない在庫品を取り出して吹いてみると鳴らない管が出て来ます。

よくよく調べてみると中にクモの巣があったりします。

クモの巣は細い糸の集まりですから空気は簡単に通り抜けます。

両唇の隙間から圧力のある空気(ビーム)を吹き出した時空気の流れは底まで到達するとは思われますが、気流が

乱れいわゆる乱気流になってしまうことが音の出ない原因と思われます。

音が立ち上がる最大の要因は底で跳ね返された空気の塊が逆流して上部(歌口)まで届き、一カ所に集中して霧吹

き状態になることです。

この時空気の塊が幾つにも別れていて力が分散されていては音は立ち上がりません。

自作のサンドペーパーを巻き付けた棒でせっせと管内を磨き上げます。

  

 

風の音パンフルート製作工房では優しく温かい音材を厳選して素材本意の楽器作りを行なっております。

購入・修理・貸し出し・教室などのお問い合わせは080-5235-7664またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。

 

 


木工用ドリル&鉄工用ドリル

2016-08-23 | 被爆樹木のパンフルート

木のパンフルート製作には穴あけ用にドリルが必要ですが、みなさんはいろんな材質に穴をあけるドリルがある

ことをご存知ですか。

  

左より鉄工ドリルセット(9㎜台は0、1飛びで揃えています)右に木工用ドリルセット(0、5飛び)長い穴

があく。他にコンクリート用、ステンレス用、しいたけほだ木用など数種類がある。

  

左より12、5木工用ドリル。下穴用8㎜木工用。12ミリ鉄工用。18㎜鉄工用段付きドリル。(ボール盤の

チャックは13㎜までしか掴めないので径13以上のドリルは段をつけて対処している)

 

 パンフルート製作当初は木工用ドリルを多用していましたが、軸芯の部分が薄く穴あけが進むごとに曲がって

しまう欠点がありました。

多くの材で失敗を重ねてたどり着いた工程は下穴を8㎜木工用で両端からあけ貫通させ、中穴から仕上げ穴まで

両端から鉄工用ドリルでガイドを付けるというものです。

鉄工用ドリルは軸芯の部分が厚く曲がりにくいのです。(下穴があいていることが条件)

ただし鉄工用ドリルは短いのでパンフルート中音以下の太く長い管では貫通させることは無理です。

ここからは長い木工用ドリルの出番で管中央部分で貫通させます。

こうすることで管中央の出会い精度が上がって来ました。

いずれにせよ穴あけは手間を惜しまず、根気よく何回にも分けた工程で進まないといけません。

 

風の音パンフルート製作工房では温帯地方独特の柔らかく温かい音質の材を使ってパンフルートを製作中。

購入・修理・貸し出し・教室などのお問い合わせは080-5235-7664またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。


穴あけは段階的に

2016-08-21 | 被爆樹木のパンフルート

パンフルート素材の円筒に穴をあけるには数段階に別けて加工いたします。

  

 

 木材のパンフルートは中音域のテノールパンフルートを最大にアルト・ソプラノ・ピッコロと順に小さく組み

立てて行きます。

穴は高音9㎜より低音18㎜と26段階に分かれます。

これを木材円筒素材無穴の状態でいきなり正規の寸法を一度で済ませようとすると素材が割れてしまいますので

まず下穴をあけて貫通させ順次径を大きくして段階的に正規寸法に持って行きます。

下穴は丸8㎜の木工ドリルであけ進めます。

これより小さいドリルはいくらでもありますが、ドリル芯の部分が強度不足になりちょっとした斜め繊維に当た

ると斜めに進んでしまいドリル先端が外壁を突き破ってしまいます。

最大穴の18㎜の場合、管の寸法も長くなりますので8ミリで両端途中行けるところまであけ、少し長い9㎜

ドリルで中央部分で貫通させます。

次に12㎜、15㎜、17㎜と正規寸法に近づけ最後に18㎜の大型ドリルで仕上げます。

  

 

風の音パンフルート製作工房住所 〒739-0302広島市安芸区上瀬野町205番地

主宰 香原良彦 ☎082-894-0854・080-5235-7664 mail panfrute@ybb.ne.jp