風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

中盤以降の伸びの良いパンフルート

2017-12-11 | 音の出しかた研究

この「広葉樹パンフルート」は音が終息するまで豊かな広がりを見せます

 

   

 

 この焦げ茶色の(幹に水分を多く含む広葉樹)パンフルートの音の出方は、特別何の工夫

をしなくても音の立ち上がりから終息までブレなく安定しています

今までの私のパンフルートは、音の中盤以降に意識的な押し込みをしないと広がりが保てな

い状態でした(新と旧とを相対的に比較した話です)

偶然良い結果が生まれたのですが、吹き込みを続けてこの違いが何であるかを見極めたいと

思います

 

   パンフルート製作工房前の丘から撮影 

   

 

風の音パンフルート製作工房 広島市安芸区上瀬野町205(国道2号線沿い)

連絡先 080-5235-7664    082-894-0854  panfrute@yahoo.co.jp


音出し:2段階吸入で容量UP

2016-08-07 | 音の出しかた研究

パンフルート演奏の土台は呼吸です、空気をいかに多く取り込むことができるかが上達への分かれ目です。

  

 

 人は生きるために1日に何千回も息をしていますので、それをいちいち気にはしていません。

ことパンフルート演奏になると無意識状態では許されません。

まずリラックスした状態で息を吸い込んで体内の空気の流れや貯まって行く時の筋肉の動きなどを観察しましょう。

そのとき両手でお腹周りを挟み込むように横腹に当てるとわかりよいです。

空気の吸い込みに意識を集中して見るとお腹も胸も自然に膨らんで行くのが解ると思われます。

ここから先の我々の目的は「腹式呼吸」ですので、まずは肺の底に空気を押し込むイメージでお腹を膨らますトレー

ニングをしましょう。

次にお腹をできるだけ動かさないで胸だけを膨らませてみましょう。

このとき感じると思われますが、胸を膨らませる方法だと時間がかかるということです。

これで瞬時が勝負のパンフルート演奏の吸い込みでは間尺に合わないことがおわかりでしょう。

お腹を膨らませてたっぷり貯めたあとも肺の上部に上積みするイメージで胸を膨らませて少量追加することも

できますので呼吸法を研究ください。

 

  

 

風の音パンフルート製作工房では表情の出しやすい温かい音(倍音を多く含む)の楽器作りを行なっております。

購入・修理・貸し出し・教室などのお問い合わせは080-5235-7664またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。


音出し:空気をコントロールする

2016-08-05 | 音の出しかた研究

パンフルートを使って音を出して行く作業は、体内で「空気をいかに扱ってコントロールして行くか」という

点に集中して空気の形を感知しながら進んでください。

  

J・ムルク著「パンフルート演奏入門」より。「呼吸は音の運搬人です」他を記されています。

(本を入手される方はインターネットでアマゾンまで注文ください)

 

 この音を出す作業の第一歩は「空気を吸い込むこと」です。

瞬時により多くの空気を吸い込む方法を常に研究しながら進みましょう。

吸い込んだ空気は肺の気泡細胞に貯まります。

人の呼吸は肺を中心に一定量のもと行なうことには何ら変わりがないのですが、楽器吹奏用にあと少量貯め込む

スペースが生まれないだろうかと腹式呼吸というものが先人から伝わって来ています。

肺の細胞には筋肉はついていないらしいので、人は胸肩や腹筋を使って呼吸しています。

空気を肺に取り込むのに腹式呼吸はどの筋肉をどう使うか検証していきましょう。

 

   

 

風の音パンフルート製作工房では温かく倍音を多く含んだ七色の音の楽器作りを行なっております。

購入・修理・貸し出し・教室などのお問い合わせは080-5235-7664またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。


柔らかい音の楽器は音程狂いやすい

2015-10-04 | 音の出しかた研究

パンフルートが自然の質量に近い状態にあるということは当然自然の影響をモロに受け止めるということで柔らかい

音のパンフルートは最低季節ごと、できたら月1の音程チェックは欠かせません。

   

 パンフルート工房では利便性にとらわれず「人の声に近い音」「柔らかくほのぼの感のある音」を追求しています。

「1度合わせたら絶対狂わない音程の安定した楽器はないのか」「月に1度のチェックなんてそんな面倒なことは

できない」と言われる方は、どうぞほかの工房の分厚いニスを塗った固い音の出るパンフルートか金属製・ビニール

製のパンフルートを入手されてください。

ただし音程が狂わないということは年中一定の音質であり、揺れのある季節ごとの空気感を出すには向きません。

音程が狂いやすい要因は幾つか考えられますが、最大の要因は管の肉厚を構成する物質が生きていて呼吸をし自然環境

にさらされていることです。

例えばビニール管は数十年単位で変化し、竹は1日で組織内の水分含有量が変化するというものです。

竹や木でパンフルートを作る時その変化を先延ばしするよう製作者はニスを表面(外壁・内壁)に塗り付けますが、

ニスと言えども液状のものが個体になる時、液は蒸発し中は気泡だらけになって空気は簡単に通り抜けます。

環境変化を少なくしようとすれば何回も塗り重ねニスを分厚くすれば良いのですが、音はしだいに固くなり金属音の

方に近づいてしまいます。

ここで製作者はどの音バランスを保つか選択を迫られるわけですが、私は自然派志向で薄化粧を選びます。

当然外気の影響を受けやすく調律も頻繁に行わなくてはならないのですが、柔らかい音に勝るものはありません。

   


音を育てる吹き方

2015-10-02 | 音の出しかた研究

パンフルートの音の出方には各自の工房により特徴がありますが、私のパンフルート製作工房の楽器では音は

柔らかく鈍重のため「1つ1つの音を丁寧に扱う」姿勢が求められます。

   

 パンフルート工房楽器を持たれる方は、楽器共通に保有する性格を見極めて吹き方を工夫ください。

柔らかい音の出るパンフルートは管の材質が柔らかい等の要因で音の立ち上がりに少し手間取ります。

これは人が認知できうる最小限の時間単位の内の出来事ですが、固い音の楽器と柔らかい音の楽器を比べることの

出来うる私にとってははっきりとその違いを認識できます。

要因は音を出すため吹き込んだ空気が管内に充満し圧力が高まり音が出る瞬間までの時間の違いにあります。

柔らかい音の出る楽器の吹き方は、息を吹き込むアクションを起こしてすぐに反応を示さなても音をふくらませる

イメージ通りに吹き続けることです。

一瞬遅れて出る音を感じながら先行して空気を送り続け、音をリード(育てる)して行きます。

ここに固い音のパンフルートの一瞬にして立ち上がった音をキープして行く方法との根本的な違いがあります。

柔らかい音のパンフルートは一歩先の空気を読みながら想像力豊かに音を作り上げることができます。

演奏していて次はどんな音に育てて行くか夢は果てしなく、面白くて楽しいです。

   

 

風の音パンフルート製作工房では自然と共に生き、自然の音を大切に育てる楽器作りを行なっております。

購入・修理・貸し出し・教室などのお問い合わせは080-5235-7664またはpanfrute@ybb.ne.jpmかでどうぞ。