ぶらぶら人生

心の呟き

2月14日の月と落日

2022-02-14 | 身辺雑記
 飽くことなく、空を眺める。
 このごろは、本を読みつつ目を閉じていたり、何かを考えていたようで思考停止の状態で目を閉じていたり、老いとはかくもだらしなくなるものかと、ふと立ち上がって空を眺めることが多い。
 家では、庭に降りないと、広い空は眺められないが、施設の4階からは、もったいないほどの大空が眺められる。目を挙げるたびに、空は趣を変えて存在する。

 今日は、回転椅子をくるりと回したら、居ながらにして白いお月さまが眺められた。
 17日が満月だから、10日のお月さまだ。


 先ほど、施設の人が回ってこられたので、検温の結果を伝えた。
 「女子会が始まっていますよ」
 と、言われる。
 みると、3人がソファで話しておられた。
 現在、4階にいる女性は5人なので、そのうちの3人が、偶然に集っておられるのだった。
 コロナのため外出は禁止。ディにも出かけられない人は、時間を持て余しておられるのだろう。
 同時に、3人の視線を浴びることになった。
 私は会釈をして部屋へ戻る。

 女性は、群れることが好きなようだ。
 男性が群れておられるのを見かけることは、ほとんどないのだが。



         以下、今日のお月さまと落日。



    




  廊下に出てみると、今夕も美しい落日であった。
  山の稜線に姿を消すまで、今日も飽かず眺めた。

  今日が去る。


 




 


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散歩日和

2022-02-14 | 散歩道
 散歩に出かけ、体を動かしていると、あれこれ考えなくて済むから、気分が平穏である。

 しかし、歩ける範囲には、格別目新しいものはない。早春の穏やかな日差しがあり、風もなく爽快ではあるが、まだ季節は動かず、芽生えるものも少ない。視界には枯れ色が多く、蕭条とした風情に変わりはない。

 下掲の風景は、区分としては、川ではなく、海に入るのであろう。
 いつも歩く海岸線ではなく、そこに至るまでの河口近くで、ひたひたと小波の打ち寄せる様を佇んで眺めた。



 



 目を転じて、川下も眺める。
 鴨島大橋が見え、遠くには中国山地の山並みが見える。
 ひととき、個室生活を離れて、自然の中の一点となる。



 




 畑の畔に、今日も、オオイヌノフグリを見つけた。小さな花だが、早春を告げて咲くかわいい野の花だ。(枯れ草混じりの地面に。)



  



 大塚では、畑地がどんどん住宅地となって、令和風の家屋やマンションが増えている。農家の後継者がいなくなっているのだろう。
 時おり、畑で働いていらっしゃる人と立ち話をすることがある。
 スマホだけ手に持って、ぶらぶら散歩しているような人はあまりない。私が施設の住人であることを、土地の方は察しておられるだろう。

 昨年、<ここはツクシ畑だ>と、初めて気づいた荒地に、黄色い花がたくさん咲いていた。
 ずいぶん丈高だ。何の花かしらと覗き込むと、地面を覆っているのは、カタバミの葉である。
 Google lens で調べてみると、「オオキバナカタバミ」と出た。
 その名に相応しく、ずいぶん丈高く茎を伸ばし、花も大きい。



  



 黄色い花を覗き込んでいると、畑で働いておられた男の方が、
 「いいお天気ですね」
 と、声をかけられた。
 ハウスの組立中であった。
 多分メロンが植えられるのだろうと思いつつ、
 「何を育てられるのですか」
 と、尋ねてみた。
 「トマトです」
 と、教えてくださった。

 トマトにしては大きなお家だなと思いつつ眺めた。
 ハウスの中で育つ大量のトマトを想像しつつ。


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