昨日、どういう思いがあってか、C3号室のOSさんが、これを読まないかと、持参してくださったのが、『樹木希林 120の遺言』(下掲)であった。
OSさんのお姉さんは、国民学校6年のとき、私と同じクラスだった。ただ卒業後、進学する学校が違ったため、その後の消息は全く知らなかった。が、妹さんの話では、東京に健在だという。色白の非常におとなしい人であった。おとなしいという点では、私もそうであった(と、自分では思っているのだが…。)
妹(OS)さんのことは全く記憶になかった。が、2019年の初め、入居されて以来、廊下で会えば言葉を交わしている。OSさんは、私のことをしっかり記憶しておられた。
樹木希林さんの死後、特集本が何冊か出版され、うち一冊は私も購入して読んだ。その題名を思い出せないのも、頭の弱りのせいであろう。(家に帰ったら、確かめてみよう。忘れてしまうなら、読まなくてもよさそうだが、そうではない、と思う。読んでいる時間はそれだけで楽しいし、読書は、私に取って、3度の食事のようなものである。)
借りた本は、樹木希林さんの語られた言葉から、万人の心に響く表現を<遺言>としてまとめられたものである。
一二の例を挙げれば、
※ どうぞ物事を面白く受け取って愉快に生きて。
あんまり頑張らないで。
でもへこたれないで。
※ 私は何でもおもしろがれるの。
※ 年を取ったら、みんなもっと楽に生きたらいいんじゃないですか。
求めすぎない。
欲なんてきりなくあるんですから。
珠玉の名言に、一々、そうそうと、肯きつつ読む。
しかし、なかなかこだわりを捨てきりれない私である。私は、私の気の済むように生きればいいと思っている。
隣室のOさんが突然亡くなられ、死をいっそう身近なものに感じている。
今日は、家族の方が来られ、荷物の片付けをなさっている様子であった。
コロナのため、人に会うことは禁じられているので、施設の方を通して、私の気持ちを伝えていただくことにしている。