ぶらぶら人生

心の呟き

2月の庭 (雫)

2010-02-01 | 草花舎の四季
   天空は 涙の糸を垂れ
   木々は 梢に 無数の 涙を
   私も心に 涙を流し

   涙は再生の泉(となるだろう?)


 午後、降り止まぬ雨の中を郵便局と草花舎に出かけた。
 草花舎に入ると、Aさんが、カウンター席で、食事をしておられた。
 昨年の暮れ、偶然、草花舎で会い、「いいお年を!」と言ってさよならして以来だ。師走の半ばであったろうか。
 「その後、お変わりございませんか」
 「いやー、いろいろありまして…」
 健康上のことかと案じたが、そうではなくて、仕事上のことらしかった。
 他人と係わりのある仕事も、ひとりの仕事にも、悩みは避けられないのだろう。
 しかし、Aさんの表情には暗さがなく、安堵する。

 私は、窓から外を眺めながら、食事をした。
 上記の詩とも言えぬことばを、心の中に呟きながら。

 聞き覚えのない曲が流れていた。
 Yさんに尋ねたところ、CDのジャケットを持ってきてくださった。
 TちゃんのCDとのこと。
 彼女は今、イタリアに出かけてお留守なので、どんな歌手か尋ねる由もない。

 歌っているのは、GONCALO SALGUEIRO と名のる若い男性のようだ。
 ポルトガルの歌手らしい。

 パソコンで調べたが、あまり詳しいことは出ていない。若手の有望歌手ということであろうか。
 甘い歌声である。
 意味は分からないけれど、妙に心に沁みる。
 雨の日の故?
 私の心境の故?
 とにかく心に沁みる。

 食事とデザートの後、傘を差さずに雨の降る庭に出た。
 食事の席から眺めた花水木の、梢の涙(雫)をカメラに収めるために。
 肉眼で見たのと同じ、ありのままの美しさをカメラに収めるのは、難しい。
 
 Aさんの他に、女性のお客があった。
 「ブログを読ませてもらっています」
 と、言われた。
 草花舎の常連客の様子だが、私は初めてお会いしたように思う。

 「雫をとられたのですか」
 と、Yさん。
 「水滴が、うまく撮れなくて…」
 と、答え、デジカメの持つ機能を上手に活かせば、もっといい写真が撮れるのでしょうけれど、と言葉を足した。
 女性客は立ち上がって、私のカメラを覗き、窓辺から雫に焦点を当て、写真を撮ってくださった。ガラス戸越しなのに、私の写真よりはずっと鮮明に撮れている。

 (上左2枚 私の写真   下右2枚 女性客の撮ってくださった写真)  


      

      

                   
                  
                   
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