「ゆわさる別室 」の別室

日々BGMな音楽付き見聞録(現在たれぱんだとキイロイトリ暴走中)~sulphurous monkeys~

本日の効果音(75)風(Wind) / Jeong Seung-hwan (2016)

2018-03-19 | 閑話休題・本日の効果音

〇カツオ人間&キイロイトリ「イケメン皇子、ッテ カイテアル」
 エリザベス&たれぱんだ「ラブコメディ、っていう日本盤の帯の宣伝文句は、正直、違うんじゃないでしょうか」
 そう思う。確かにコミカルな部分はある。だが例えば「真田丸」や「風と共に去りぬ」にコミカルなシーンがあっても、作品そのものをコメディとはあまり言わないような気がする、というのと同じようなものである。むしろこのドラマは悲恋物だし、歴史ファンタジー、などと言う方が合ってるのではないか。この際「イケメン」とかいう軽薄な用語も後半本編のハードな格調的にはあまり適していない感じがする(美しいことは美しいが)。
 史実的には詳しくないのだが、母親との愛憎と兄弟抗争でトラウマ抱えてます的な光宗が、独眼竜政宗の伊達政宗とかKing of Zipanguの織田信長みたいなノリなのかもしれない。そういう性格設定のキャラクターの立ち方の奥行もあるし、演者の微妙な表情の変化とか、時々妙に可愛らしいぐらいの物腰の時と加虐的な時の憎々しさの憑依ぶりの間の、怖いくらいのギャップとか、見ていてはっとする時がある。気がつくと、最終回までぐいぐい引っぱられるように気になって見続けてしまったのだ。
 この2月、平昌オリンピックというものはほとんど見てなかった。むしろオリンピックじゃない番組を放送しているチャンネルを探しているうちに、偶然TVQのドラマに出くわしてしまい、そこをきっかけとして全く別の方向からぐるっと回って、結果的に、今までに全く考えたこともなかった高麗王朝の歴史と文化を急速に知ることになってしまった。不思議なもんだ。(聞くところによると儒教倫理的には、親からもらった身体に傷を負うことは不孝で悪らしい、なんてことも含めて。)

 CDは先日からBGMで聴いている「月之戀人 歩歩驚人―麗(달의 연인 보보경심 려、「麗~花萌ゆる8人の皇子たち」)オリジナル・サウンドトラック」(Pony Canyon PCCA-04567 2017.7.)。インスト編とvocal編が入っていて両方聴ける。
 「The Prince」と「君のために」が日本語吹替版の毎回OPとEDでテーマぽくよく流れるのだが、その他、各シーンでとても印象的な音楽が来る。時々ケルト民謡のような旋律と東洋風の女声コーラスの旋律と、時々ハンス・ジマー的な壮大な音色とが、様々に混ざって、不思議な民族音楽のような響きのオーケストレーションになるのも面白い。「Pastoral Morning」はいつも流れてくると「じーん」とし、「Wing of Goryeo」も宮廷の儀式とか、ウヒたちが舞うシーンが目に浮かぶようだ。
 歌の方で同様にインパクトがあるのが、ドラマパートでじわじわと流れてくるソプラノ歌手のイム・ソンヘさんの「必ず帰ってきます」と、チョン・スンファンさんの「風」である。前者は浮世離れした透明感ある美声で、光宗と皇太后の確執のシーンなどにも来たりする。後者の「泣かせる」王道の旋律は、(今日もやってた)#16のワン・ソ皇子の「…終わりだ」のシーン(はまりすぎて反則。)など、これまた男性出演者の切ないシーンでまたもや胸をぎゅっと掴まれるような気分になる時、あざといくらいに効果的に流れて「ぐっとくる」のである。


 以前にも書いたように、日本のテレビ時代劇では(必殺を除いて)あまり現代的な歌ものの挿入歌は使われないように思う(EDテーマになることはある)のだが、こういう風に劇中歌で使われると、所謂時代劇なのに時々大衆演劇的な直情的テンポで心がざわざわさせられる(全体的に信長のシェフ的なファンタジー設定要素もあるので、それはそれでいい)。
 また、今まで海外ドラマというとBBCかiTVの類を見ることが多かったので、韓国ドラマでは(前にイ・サンとか時々見たことはなくもなかったが)今回初めてちゃんと見て「内容が自分の中に入ってきて、頭の中でぐるぐる回っている」ような気がするドラマである。日本の番組だとあまり見たことがないギャグのテンポの独特な感じとか、言葉の違いによるような聞きなれない日本語訳の台詞回しとか、演出の仕方の違いみたいなものにも気がついた。
 そこでさらにCSの字幕版を留守録し、日本語吹替版にないノーカットのシーンを見て暗示的な台詞のつながりを理解したり、という勢いで、見直している。ワン・ヨのシーンとかだいぶカットされてるし、これ見てからまだ見てない吹替版の前半の方が見たくなる。…こんな風に、勉強というのはある日突然始まる。まだまだ知らない面白いものが世界には結構ありそうだという予感。


 ※そんな今日も「銀魂」では柱アフロが三番隊で暴れている(爆)もちろん石田彰氏のイ・ジュンギ先生吹替を耳にしてからふと始まった視聴ではあったがw
 ※元の人の声(意外と低くてよい)と違うけど合う、という意味で昔の喩えで言うならマイケル・ホイ(広川太一郎)やジャッキー・チェン(石丸博也)みたいなはまり方なのでは(それでついつい聴いちゃう)(20180319)
コメント    この記事についてブログを書く
« 20180318 | トップ | 20180320 »

コメントを投稿