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「ゆわさる別室 」の別室

日々BGMな音楽付き見聞録(現在たれぱんだとキイロイトリ暴走中)~sulphurous monkeys~

本日の効果音(59) Avonmore(Idjut Boys Remix) / Bryan Ferry (2014)

2014-12-23 | 閑話休題・本日の効果音

○そんなKinKiのLIVEがあるのにかこつけて突然大阪に来ることができたので、ドーム前にちょっと寄りたかったところがある。
 に一度来た梅田のマルビルのタワーレコードだ。だいたい場所を覚えていたので今回は、御堂筋線出口から阪神百貨店を抜けてわりとまっすぐ速く来ることができた。
 (写真:タワレコ服を来たキイロイトリが到着したところ)

  
 店の外にすぐDavid Bowie先生がまします梅田マルビル店。
 そして入口に入るとすぐ、デヴィッド・ボウイ先生の新譜と、ブライアン・フェリー先生の新譜が並んでいて、でかいPOPつきで二大巨頭の輸入盤が平積みされてる正面。そうだよ。これが堂々たる由緒正しい輸入CD屋の店頭の洋楽の売り場というものであろう。11月12月とこうなっていてしかるべきである。むしろいまどきのCD店では、もしかしてこのマルビル店のような佇まいこそが特殊で最右翼なのだろうか。(まあ周囲を見ると、そういったアダルトでクラシックな品揃えが充実している風の店でもあった)
 しかしぶっちゃけて言ってしまうと、なぜ福岡市内のタワレコの店頭の棚には輸入盤Avonmoreが皆無なのだ(怒)あるいはもしや福岡市内の店舗には洋盤専門のまともな40代以上の店員がいないのだろうか。猛省せよ。とすら思うほど、秋からずっと静かに怒りつつ歩いていた。
 福岡では本当に品の実物が並んでない。棚を見ても品揃えがRockよりというのか70年代で趣味が止まっているのか、ニューウェーブ系の店頭在庫が弱いと思う。そこらへんが東京や大阪と比べて田舎なのか。CD不況とか言って「千円生活」などというシリーズを置いているわりには、CDを買う層(今の若い人たちよりは、たぶん我々だろう)がどういう音楽を好むのかのリサーチが弱いのではないか。確かにBowie先生と違って話題もチャートも派手ではないが、若い店員の方がクラシックなアーチストの洋盤の名称を客よりも知らず、物も置かない、というようなことでは、中高年以上もますます店があてにならず通販に走って、店頭販売は壊滅するのではなかろうか、と思うほど。
 と、amazonを見るとタイミングによって時々輸入盤在庫切れと再入荷を毎日繰り返しているから、需要はじわじわあるのだ。タワレコだってHPを見ると通販では欧州盤の在庫がある。なら市内の店頭に一枚くらい、置いてあってもよさそうなものを。Johnny MarrだってDavid Bowieだって新譜を置いてあるくせに、The Jazz Age以外のFerry先生の新譜を置いてないというところが、どうも、浅い(それか、すぐ売り切れてしまってその後再入荷してないか、であろうが)。
 注文しようか通販で買おうかと迷いながらしばらくモニターからのLINE INの低音質な音源で聴き続けてしのいでいたが、ついに業を煮やして、大阪に来るついでに、店に見に来たのである。店頭にあれば、我慢しないでそりゃ買う。

 というわけで、大阪のおみやげはKinKiのパンフとこれだ

 (Bmg Rights Management 538013692 LC 19813)(2014)

 本日のBGM:
 Avonmore (Idjut Boys Remix)/ Bryan Ferry   
 いちおうブックレットを見ている(爆)
 カツオ人間「いや~、豪華やねぇ」
 たれぱんだ「BassつってもMarcus Miller先生とFlea先生と、曲で注文し分けるなんざ、Ferry先生もてえげえ贅沢だ」
 むすび丸「ちげえねへ」 ※突然江戸っ子の黄表紙風
 アルバム収録の同名のタイトル曲。Remixの方はさらにインストの方をぶんぶん増幅させているのでリズム体、ギターの層に重なるカッティングの刻みも(何人いるんだギターが?><)強烈なインパクトでえらいことになっている上に、Flea先生の油断のならない超絶bassの動きがよく聴こえる。これは凄い。とんでもないだろこれは。ロキシーか懐メロかとか、甘く見て聴かないでいると損するぞ。Idjut Boysだからその筋の人は入手するだろう。正直このダウンロード可のを数日前に聴いてぎょっとしたのが、CD音源が欲しくなった原因だろうな(このRemix自体はCDには入ってないけど)。
 アルバム全体はわりと曲がPOPなので、Bete Noire的に楽しんで聴けるというか(L'ArcでいうとPOPさで「KISS」のような勢いだろうか)、もちろん全般的にフェリー先生のvocalの至芸は無形文化財的味わいとして、やはりこの作り込み方と参加メンバーがとんでもない。文字通りAll Starsなだけでなく、instの構成音色の一つ一つが素晴らしいし、そしてやはりCD音源で改めて聴くトラックの広がる美音は毎度だが非常に心地良い。Ferry先生とかの洋盤を聴いた後で他の盤聴くとすごく薄く聞こえてしまうほど。とりあえずクリスマス前に実物を入手できたのでBGMにできて安堵。(20141223)

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本日の効果音(58) Ghost / VAMPS (2014)

2014-11-01 | 閑話休題・本日の効果音

○というわけで、博多座のSHOCKの千秋楽の次の日から、今度はZEPP福岡でVAMPSが始まる奇遇(爆)
 だが土曜も仕事があった上に、個人的には昨日からちょっとバイクが故障したり、電話機が故障したりと、その対策で何が何やら立て込んでしまって大変で困憊し、今日は行けない。しかも、今朝から市内は断続的に凄い雨が降っては止みし、近くの車道も冠水気味だった。晴れ男先生たちにしては珍しいのか、波乱の荒天だ(つっても味スタの例もあるか・笑)。

 
 そこで本日のBGM:Ghost / VAMPS (「Bloodsuckers」Universal Music UICV-6661 (2014))
 今頃ライブの真っ最中かと思われるが、たれぱんだとキイロイトリも見ている今週発売の新譜「Bloodsuckers」をようやく入手してきたので、受験勉強的に集中予習中。吸血鬼にちなんだ得意の用語の題名だと思うが、響き的にはどことなくThe CureのBloodflowersみたいなもんだろうかw

 少し前から先行で出てたシングルの数曲及び新曲を組んで、ひとつながりの展開に持っていくダークな世界観。わりと親身なインタビュー解説が、barksで出てたので参照できる。
 こないだの英詞盤で勢いを得たかのごとく英語詞のナンバーが増えてるので666みたいな勢いも感じるし、曲調が洋楽ぽいとか言う人がいるが、むしろワシら的にはこういうのが「欲しかったテンション」であって、最も納得して聴きやすい(多分生来享受してきた音楽の層が近いと感じる)と思う。どど悪魔っぽいの以外は、聴くと意外とメロディアスで「さわやか」(!?)もとい「お耽美」というべきか(笑)GhostとかThe Jolly RogerとかInside Myselfとか。先年Replayを聴いた時からちょっと期待していたが、この手のが好きな人の「ツボ」みたいなのをついてくるフレーズが来る。(個人的には、この「ちゃらーん」というK.A.Zさんのあのギターの音色でつい「沙粧妙子」を思い出してサスペンスな気分w)
 Vampire's Loveはやはりコンビニの店頭でBGMで聴くより家でvolume上げてちゃんと聴いた方がいいなw(本編以上に、アウトロのJINさんのピアノソロんとこが好き。このフレーズのくりかえしのオルゴール、ってないかな?)
 前のがどすこいHRぽかったのと比べて、ZeroとかGet Awayとか意外と「電気ぽい」感じだったりするのもあって面白い(個人的にはそういうのの方が好きかも)。
 ちなみに自分の場合は正直この「音」の「美味なテンションのところ」を聴く快感だけで、耳から脳内で自分の想像の世界を醸成させていればいい方なので、どっちかつうとこういう若い人向けのジャケットというかデザインはお腹いっぱいで、もういいですwww (中年は正直、ジャケットをレジに持ってくの照れますw)
 でもこのジャケットがHYDEさんに「似てる」となんとなく見る人が思ってしまうかもしれない(というかHYDEさんのコスプレをしている女子か何か?)ということは、冷静に考えると驚異的なことでもあるわけで、(Robert Smithとはまた違った意味で)その本人のコスチュームや漫画チックなヴィジュアルそのものを保ってる、というところが(まあ元々美術系の人ってこともあるのだろうが)長年やっててたいしたもんだな、とも思う。そこらへんが年少の少年少女をも魅了するのか。二次元的イメージの裏切らなさの鉄壁さで言ったらドラえもんみたいなもんだろうしw。
 とりあえず我々ギャラリーはのんびり音を楽しんでますから、そのお約束は君ら若者たちに任せるよww
 
 とは言うものの、EvilのYou called out my name!を聴いた時は、なんだか「アベンジャーズ」のアスガルドのロキ様の口調を思い出して「ぷっ」と噴いてしまいましたw
 (二次元鉄壁キャラついでに、ライブでぜひトム・ヒドルストンみたいになりきってやってほしいですw) (20141101)
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本日の効果音(57) The Trap / Johnny Marr (2014)

2014-10-11 | 閑話休題・本日の効果音

○仕事の帰り、CD屋がまだ開いてて閉まる前の時間に会社を出られたのが久しぶり(爆)
 あれ?世間は連休だったっけか?と売り場の買物客を見て思い出す。11日、ということで日本人の祥月命日のような日付であるばかりでなく、強力な台風も再び接近している。ちょっと喝を入れるか、ということで購入:

 本日のBGM:
 The Trap / Johnny Marr (「Playland」WARNER MUSIC NVCD-002)
 今度こそボーナストラックが多く入ってる日本盤が出るまで待とう、と会社を出てくる時までは思っていたのに、売り場で実物を発見して、またつい我慢できず輸入盤を買ってしまった(前回と同じ・苦笑)。先日から言ってるジョニー・マー先生の2ndアルバム「プレイランド」です。
 最初に通し聴いて、また繰り返してしまうのだが、なんですかこれは!1stも「さすがやるなあ先生」だったのに、これ聴いたら、1stの方がかっちりしてた感じがするくらい、今回はさらに華やかに「攻め」じゃないですか!wwなんなんだこの若くなったような感じは。なんか歌も吹っ切った感じでさらにノってるし、PlaylandやBack in the Boxや25 hoursも疾走感があってよいな。
 The Trapとかギターリフからしてイントロから間奏からぐるぐる気持ちよくなって、たれぱんだやキイロイトリやカツオ人間もくらくらw。やっぱ曲の構成とコーラスとsoundのあわせ具合というかが、さすがである。あちこちで招かれる貴重な職人の匠のような人だというのも理解できる。
 むすび丸「しかも紙ジャケですよ」LPじゃなくてCDですが。(どんどんしぶくなっていくマー先生御近影の、剣豪のような佇まい)

 
 会社で今週缶詰め状態だったので世事にうとく、昨日帰ってきてからようやく色々読んだ。
 モリッシーさんもぜひお体をお大事にしてください。
 自分はベジタリアンじゃなくてすみません。
 でもずっとお元気で歌っていていらしてほしいと願ってます。
 (BGM:Please, Please, Please, Let Me Get What I Want)(20141011)
 
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本日の効果音(56)All You Need Is Now / Duran Duran (2012)

2014-09-22 | 閑話休題・本日の効果音

○彼岸の頃というと昨年に続き、定期健診の季節でもある。
 去年の今頃は高橋幸宏先生LIVEと重なり密かにこっそりと向かう(爆)という奇遇な事件もあったが、今年は幸いポリープ切除処置はなく、腸の内視鏡診察だけで済んだ。受診後食事制限もなくてまずほっとする。
 ただ前日からの恒例マグコロール&ムーベン攻撃はしかたがないので、当日は一日分の年休をとって検査時間まで自宅で準備だった。これまで数度の検査経験があり慣れたとはいえ、朝から「2L近い経口腸管洗浄剤を、グラスに入れ、オンザロックでちびちび飲む」のが一番面倒で厄介である。「お手洗い」のため体調上、通常の別の作業をしながら、ということができないのも難儀である。

 そこで、amassでやってるデュラン・デュランの今月のついこないだの最新LIVE(9月4日)とか、トリビュートアルバムの試聴とか、そういうのを朝から肴にして、ちびちびと飲むことにした。LIVEや編曲で「おお!」と驚くことが多く、これがなかなかよい。特に気晴らしがなく嫌々飲んでいて辛かった一昨年や去年と比べて、比較的スムーズに飲める(爆)←検査が終わると当分の間は、ポカリスエットとかアクエリアスとかあの手のものが飲みたくない気分になるけどね。
 映像のライブの方はマツダ新型ロードスターだかの発表会のイベントで、アナウンスの「MazdaとDuran Duranの共通項としての80年代の躍進」云々の話があってからの登場なのだが、歌が始まるとじわじわ来る。1987年に東京で聴いて以来のライブの A View To A Killかあ、なんて懐古気分に浸ってる場合じゃなく、うまい。昔聴いたイメージよりも安定している。Mazda発表会ギャラリーの紳士っぽいおっちゃんたちの揺れ揺れなノリがまたいいw(Pet Shop BoysとかMarr先生あたりの客層の年代だなw)。そして安心の五味龍太郎、もとい安心のサイモン・ル=ボン先生を改めて認識してしまう。モリッシー先生といいRobert Smith先生といいNeil Tennant先生といいSimon氏といい、ほんとにこの年代の人たちは「あの声」がずっと健在、ってのがみんな凄い、と毎度思う。何十年とずっとライブを続けているからだろうか。

 病院からの帰り、なんとか無事検査を通った感謝をこめて、とタワー・レコードに立ち寄る。
 前にネットで試聴して(なんじゃこれ!?)と思って以来そのままだったのだが、最近いろいろYouTubeで聴いてて面白そうなので、「怖いもの聴きたさ(笑)」で、今回日本盤を買ってきた。
 たれぱんだやキイロイトリやカツオ人間やむすび丸が運んでいる「よいしょっと」「どれどれ」
 本日のBGM: 


 All You Need Is Now / Duran Duran(「All You Need Is Love」2012、Ward Records VQCD 10311/2 ) 
 いやあフルアルバムで聴いたらわろたwww。これは朗らかに笑おうよ。このおかしさはThe Darkness以来だなw
 もうツッコミどころが多すぎてどこからどうツッコんだらいいのかよくわからん(笑)2曲目以降はみなイントロからして「ぷぷっ」と噴きまくりww(スタジオで収録しながらも絶対笑ってるんじゃないかと思うんだこれは)
 本当は、(例えばカンバーバッチさんの「Sherlock」のどの部分が原典のホームズのどこのパロか、を野暮に説明する、的に対照しながら)どの曲が何みたい、とかブログで逐一解説するとこなんでしょうが(どっかのサイトで既に盛んにやってるんでしょう)今日は養生中で、できないのでやめます。
 若手のThe KillersHurtsやそのへんの人たちが、いかに80年代ぽくやろうが、これじゃ太刀打ちできんと思います。だって本物が本物やってるんだもんwww他の人が勝てるわけがありませんw。一種のセルフ・パロディってやつなんでしょうか。よく、幕末古写真ジェネレーターっていうサイトで、どんな写真も幕末風19世紀後半調白黒古写真にできる(佐藤健氏の現代の写真を通しても剣心みたいになるのかもしれない)、ていうのがありますが、「デュランデュラン・ジェネレーター」みたいなのがあって、ちょっとコードをそれ風にひねった曲をそこに通すと、全部Duranぽく変換されます、みたいな機械(爆)が存在したらこうなるのかな、と思い出しましたよw。Being Followedなんて(ちょっと照れるww)よーやるわ兄さんたち。「むむ、わかっとるな!w」
 ああでもほんというとGirl Panic!とかでこのドラムとベース聴くと「いかにも。」RogerとJohnぽいのもなんか安心するwwそら1982年頃と比べりゃ圧倒的に技術的にもうまいし(失礼しましたすみませんww)
 で、ちゃんとThe ChauffeurみたいにBefore the Rainで終わるところも欠かさない(笑)
 これだけやらかしときながら、題名に今こそ大事さAll You Need Is Nowってつけちゃうこの性格(爆)そんなところがあいかわらずイギリス人というかDuran Duranらしくていいですね。
 30年間新しいものに挑戦し続けて、安易に懐古リバイバルと勘違いされそうなこの手の路線を、絶対してこなかった、というところに誇り高き矜持のようなものを感じるのだが、いざやるぞ、と一度肚を据えたらとことん、ここまでするか!というフリーダムw。ぐるっと回って360度一回りしてみました(><)というか、そして一見昔と似ているようで違ってよく聴くともっと今風にいろんなところが凝ってるという、これをきっちりできるってところが逆に確信犯的自信なのか。
 All You Need Is Nowがわりと90年代~00年代の音の感じなのだけれど、つまり新し風も古い風もどっちも縦横無尽にできるってことだと思う(つか、これやっちゃったらもーこわいもんないよなw)。来年あたり出る予定の新譜ってのも何を自在に繰り出してくるのかわからないので面白そうです。(20140922)
  
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本日の効果音(55) New Town Velocity / Johnny Marr (2013) 

2013-03-17 | 閑話休題・本日の効果音

○彼岸の入り、2年前の震災一週間後に急逝した前社長の命日を偲ぶ。どんよりした曇天。故人を悼みながら、そんな人間の気持ちを、別の一方で支えてくれるような音楽についてあえて書こう。

本日のBGM:
 New Town Velocity / Johnny Marr (「The Messenger」WM UK NVCD001)
 「今週のザ・衝動=美麗ジャケ買い」(爆)というわけではなく、音の方はもう既にYouTubeで数曲試聴して、うー欲しいぞこれは、だが日本盤発売まで待って国内盤売上に貢献すべきか??と思いつつ悩みつつ、しかしタワレコ店頭でやはり本盤の存在を発見(「!!」)した瞬間、4月発売までとても我慢できず、誘惑に負けてCD音源入手してしまった。申し訳ないw。
 というわけで、今週はデヴィッド・ボウイ先生ですら強烈だというのに、それだけではない。「世界はこの男を待っていた!」てなフレーズを使っても許される至宝が、まだいた(笑)。なんとジョニー・マー先生の「初の」(な、なんだって!?)ソロアルバム(!!)「ザ・メッセンジャー」も出たのだ。なにがどうした。いったいどうなってるんだ地球は。キイロイトリやむすび丸が運んでいるCDがこれです。たれぱんだもめろめろです。
 聴けば紛れもなく確かにJohnny Marr先生です♪フルでほとばしる感覚といい、美麗ギターリフといい、全編かっこよすぎて、もう笑うしかない。つい「○○屋!」とか声をかけたくなる(何屋だよ)。正直これは好きだ。あちこち脳内BGMに使いまくらせていただきたい。ぜひ大音響で。「みんな誰もが人生で一度はJohnny Marrになってみたいと思う」という喩え(?)の意味がよくわかる一枚と言えようw。これをwalkmanで聴きながら街を歩くと、きっと仁侠映画の高倉健風に、The MessengerのPVのジョニー・マーな姿勢とその気分で歩いてしまうに違いない(笑)。
 で、今頃英国内ではライブ中らしく動画も上がってきている。それにしてもこんな感じの目白押しで発売中のイギリス勢が実に濃ゆい。何が起こっているのか。ああ、幸いにもまだ命があったら、また後から後からこういう音楽が出てきて、生きている間に聴けるかもしれない、そう考えると命根性汚く、まだまだ死ねないな。と思ってしまうような音楽を聴いている煩悩の彼岸の午後。(20130317)


 (西鉄貝塚線・筑前新宮付近)
 上記M11曲New Town Velocityの気分で。バーナード・サムナーとかがこういうの好きそう。
 そういえばPet Shop Boysの「Yes. etc.」のギターで春愁にひたったのもちょうど3月の今頃の季節だったっけ。もう4年前になるのか。光陰矢のごとし。

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本日の効果音(54) Seven Seas of Rhye (Queen Ⅱ) / Queen (1974)

2012-11-24 | 閑話休題・本日の効果音

○高橋選手も羽生選手もこれからの伸び代を残しながらジャンプの跳ぶ位置が実に高い。アイスダンスのリード姉弟では、テレビからGolden Slumbers~Carry That Weight~The Endのアビー・ロード・メドレーが流れてくると、つい歌ってしまう(笑)のであった。
 そんなスケートNHK杯フリーが放送されていた11月24日は、L'Arcのユッキー=yukihiroさんなどの誕生日であると同時に、Queenのフレディ・マーキュリー氏やKISSのエリック・カー氏などの命日だったりする。世界中の人々が今日も生きたり死んだり地球上を交差点のように行き来しながら、総体としては昨日に続く今日そして明日が連日毎日続いていくというのは、思えば気の遠くなるような壮大な話でその一つ一つが尊いことなのであろう。そんなFreddieを偲ぶというだけでなく、先日の話のリマスター企画盤の中で真っ先に買って聴きたかったのが、これである:


キイロイトリたち「ドウデスカ コンナ カンジデ♪」
たれぱんだ「やっぱり、一度はやってみたくなりますねえ」
  ※出演:キイロイトリ
      タワレコ2010version(Brian)、タワレコ2011version(John)、
      くったりぬいぐるみS(Roger)、ローソン一番くじ2011(Freddie)

 という、「Queen Ⅱ」。小学生の頃の日曜日というと、家族が音楽鑑賞用のステレオでかけるLPで、だいたいいつも定番としてQueenかKISSかBeatlesとか、ポール・モーリアなんかが流れてた(ってのはどーいう典型的世俗音楽な趣味の家族やねん!とツッコミが入りそうだが・笑)。そのQueenのLPの中でもしかするとかかった回数が最も多いのであろうか?一番記憶に残っているのがⅡなのである。
 A面の「白」の方の曲の方がメロディがクラシカルでわかりやすく、バイエルやブルグミュラーやバッハを練習中の小学生にも理解しやすかったこともあり、鼻歌でもメロディーがなぞれた(英語の歌詞は当然正確にはわからんのだが、中学生の兄の話によると女王様やらお城やら妖精やら鬼やらが出てくる神話伝説みたいだというので、分からないためにますます怪しい想像を逞しくしたような気が)。だからこのアルバムはLPの「この曲順」で記憶しているため、シャッフルでは聴けない(爆)。今回の一連のリマスター盤の中では、その「最初にステレオヘッドフォンで聴いた時の衝撃」を再び生々しく思い出した、最も懐かしく親しみのあるアルバムである。小学生の自分自身はQueenの熱狂的なファンというものではなかったが、家族にたまたまかなりの愛好者がいたことにより、身近に接する機会の多い音楽になっていたのだろうと思う、あたかもヘンデルのラルゴやビゼーのメヌエットのようなポピュラーなクラシックみたいに。

 B面の「黒」は正直言うと、むしろ「大人の脳」になってからの自分が聴いてその凄まじさに「改めてはまった」方である(小学生の頃の自分の脳には、プログレな連続楽曲構成の転調や変拍子などが複雑すぎて難しすぎたのかもしれない)。そしてそれ以降は、このアルバムは交響曲みたいに「A面B面通して全曲で一続きで聴き込む」作品となった。そう考えてみると、自分が最初に出逢って驚愕しながらも覚えた「親しみ」を感じるフレディの「声の万華鏡」のイメージは、このQueen Ⅱの頃の妖しい婀娜な声なのである。その後「ザ・ゲーム」とアンダー・プレッシャー位まではリアルタイムで、その後も外貌や歌い方が変化しても時々折々楽しんではいるものの、「クイーンぽい歌い方」とか「クイーンくさい泣きのギター」「クイーンらしいコーラスワークとピアノ」等々といわれる時、やはり自分はこの「Ⅱっぽい」美々しい奇天烈なやつ、というイメージを思い出す。そういう意味では何かエッセンスがこってり詰まってる盤なのかもしれないと思う。

本日のBGM:
 Seven Seas Of Rhye / Queen (「Queen Ⅱ」)
 小学生の頃は隣の部屋から流れてくる「黒」を聴きながら途中で昼寝しかかって眠ってしまったり(やはり子供だから仕方ない・爆)、それでも最後のこれで目を覚ましたりした。まあ、でも、その頃といえばだいたい「一休さん」「まんが日本昔ばなし」「勇者ライディーン」あたりを見てる頃だ(><)。そんな子供心の地の無意識の部分にまで入り込んでいる、個人的な音楽体験に関連しているところを思い出すのも、ある種の追悼と感謝の仕方の一つということでいかがだろうか。邦題「輝ける七つの海」は今聴いても、本当にピアノのイントロできらきら輝く海原が目に浮かんでくるような、かっこいいラストの船出である。(20121124)
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本日の効果音(53) Le Clan des Siciliens / Ennio Morricone (1969)

2012-09-30 | 閑話休題・本日の効果音

○出勤しては自宅休養、という状態の間に、(1)Andy Williamsさんの訃報に合掌。少し前のチャンネル銀河で「主任警部モース」と「ルイス警部」と「アンディ・ウィリアムス・ショー」はずっと見ていたから、中で歌う数々の名曲カバーとか60~70年代の若々しく闊達なイメージが鮮やかに印象に残っている。こんな風に歌えたら気持ちいいだろうなあ、と聞いてる方が思ってしまうような良い声だった。
(2)去年ふと思い立って赴き、撮影した門司港駅が、今後5年位かけて改修工事となるのだそうだ。28日夜がひとまず営業終了だったとか。しばらくはごぶさたになるのか。行って撮影しておいてよかった。復活を楽しみに待ち、また訪ねたいと思う。

(佐賀の建築物お散歩のつづきのまだ途中ですが、おまけ)

 さて、散歩中に全然昼食をとっていなかったので、ここに来たならせっかくなので、ご当地メニューといわれる「シシリアンライス」をいただいて帰ろうと思う。だいたい福岡の近辺では見たことも食べたこともなく、佐賀にも何度か来ているがまだ遭遇していなかった。あいにくランチタイムが終わってディナータイムにはまだ早いという中途半端な時間帯だったため、ごはんものの出ないところもあり。とりあえず開いているところで頼めそうな玉屋の上のレストランに飛び込み、一品注文してみる。たれぱんだ、キイロイトリとむすび丸もまったり休憩している間、さっそくいただきます。

    
 予備知識ではシシリアンライスとは「ライスの上にサラダのようにレタスその他の野菜が盛られ、その上に甘辛く炒め焼かれた牛肉(おそらく名物・佐賀牛)が載り、ドレッシングなどで味付けがなされている」もの、と聞いていた。各店によってそれぞれ味に創意があるとか。こちらはセットでコーンスープと少しフルーツが付いていた。お肉もあるのに少し酸味のきいたドレッシングでさっぱりとしたお味。夏場などでも、これならかなり野菜が食べられますね。しかし、これは何か、どこかで食したことのあるような?このサラダ感覚、と言えば……そうだ、羽田空港でいただいたドネル丼を思い出した。あれもビーフだったし、酸味のあるソースだったもんね。いちおう佐賀の方が、甘辛な焼肉の味もドレッシングもやや日本風で、日本人には親しみやすい味なのかな?そうすると、やっぱりトルコかシリアあたりの料理のイメージから付いた名っていう説は、そのへんが根拠なのかな?と思ったり、しているうちに完食。ごちそうさまでした。

(玉屋から一望する佐賀市内)
 さてこのシシリアンライスをいただく時のBGMといえば、当然

本日のBGM:
 映画「シシリアン」のテーマ / エンニオ・モリコーネ (「le Clan des Siciliens」 / Ennio Morricone)(「The Very Best of Ennio Morricone Vol.1」)
 (※というよりも実をいうと順序が逆で、元々その映画「シシリアン」(1969)を検索しているうちに、やたら検索結果に頻出する「シシリアンライス」というのがあり、それって何だ?と興味を持って、それでふと佐賀に散歩に来ちゃったわけなのだが><)

 この半音移動がバッハの「前奏曲とフーガ イ短調 」BWV543のプレリュード(前奏曲)からアイデアを得たものとの話も伝わる、有名な美しいフレーズ。しかしモリコーネが作ると、その上に哀愁漂うゆったりした旋律が相乗的に絡みながら進行するので、ほんとにイタリア風なやるせない雰囲気の名曲になる。さすがモリコーネおそるべし、同時期にトランティニャンの映画の方では「殺しは静かにやってくる」を作っておきながら、返す刀で「シシリアン」も作っていたとは!
 さらに、あの「びよーん」(!)の音を使うので、どこか非情なマカロニ・ウエスタン調(爆)な感じも加わり、得も言われぬ味わいなのである。それにしてもこの「びよーん」(口琴)は当時の流行りだったのだろうか。ただ、西部劇に限らず、1970年代前半になってきてしまうとテレビで頻繁に、例えば渡辺岳夫の「お祭り銀次捕物帳」とか「天才バカボン」や、広瀬健次郎の「ど根性ガエル」なんかで使われまくってるイメージで、どことなくユーモラスな色のついたものになってしまってはいるが。(※うむ、ビブラスラップと口琴を密かに用意練習しておくと、年度末の隠し芸大会で効果音に使用できるかもしれないぞ←!?)

 …てなことはともかく、“「ゴッドファーザー」よりも早い時期にシチリアのシンジケートのイメージを印象づけた”といわれる有名な映画と映画音楽の存在が、やはり昭和50年頃までに(他の数多のマフィア映画のイメージとも重なって)どこか当時の人々の潜在意識に浸透し、シシリアンライスの「シシリアン」という言葉の響きの採用に何か影響していた可能性があるのでは、と勝手に推測するのだが、どうであろうか。確かに料理の呼称の由来とするには目出度くないやくざなフィルムノワールで、一般市民から見れば犯罪者側の自業自得「悪因悪果」な話で幸先の良い展開ではないのだが、その点は日本の歌舞伎の白波物みたいなものと思えばよろしかろう。むしろ、この「晩年のジャン・ギャバンの誇り高き矜持」「青年からおっさんの過渡期的なアラン・ドロンの絶妙な不良味」「苦み走ったリノ・バンチュラのデカ」の三拍子揃った娯楽映画、もしくは「マツコ&有吉の怒り新党」の「新・3大○○調査会」風に喩えるのであれば「日本人なら知っておくべきアラン・ドロンの三大グレイトな御最期(笑)の一つ」といっても過言ではない(爆)映画である。シシリアンライスのご当地なら、この映画と音楽がもっと知られていてよいはず。佐賀市内の名画座的THEATRE CIEMAあたりで「シシリアンライスの本場でシシリアンを偲ぶ夕べ」(?)みたいなリバイバル上映会をすればいいのでは(笑)。いかがでございましょうか?(20120930)
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本日の効果音(52)Me Jedyne Niebo / Pat Metheny & Anna Maria Jopek (2008)

2012-07-07 | 閑話休題・本日の効果音

○(東京出張中の・その4)高幡不動尊の楼門の前。今年の七夕飾りは、奇しくもここからお届けですね。

 それにつけてもさすがに新撰組な観光地ですわね(笑)キイロイトリが佇む不動尊の山をバックに「土方歳三うどん」(ど、どういううどんなのかな…)の幟がありますw。門前町の商店街、ここもまだ早朝なので土産物屋さんもちらほら、以前の大河ドラマのジョン健ヌッツォなテーマ音楽をBGMに(なぜかどこからかさりげなく流れてくる・爆)そろそろ少しずつ開店し始めている状態なのですが、開く前のシャッターにも近藤さんや土方さんが…

 キイロイトリ「コノカホニ ピントキタラ 110バン?」←ちがうってww


○本日のBGM:
 Me Jedyne Niebo / Pat Metheny & Anna Maria Jopek (「Upojenie」WPCR-75651 2012.1. )
 ラルクのトリビュート企画盤→クレモンティーヌ→ときて、さらに仙台行が功を奏して今再度作業中BGMで絶賛再評価聴き直し中なのが、同じカバー物ならカバー物でもPat Methenyさん物(前にもしばしば書いているとおり、パット・メセニーじゃなくてメッスィー二さんらしい発音なのだが、うちはおなじみの「メセニーさん」でいいよ、もうw)である。
 今年2012年1月東京の実はちょいと来日公演の時の記念盤企画?で、邦盤(2012)が発売されたアナ・マリア・ヨペックさん。Pat Metheny Groupの「あの有名な曲」がいくつか、ポーランド語のvocalのカバーで入っていて、しかも「Methenyさん本人まで来ちゃってノリノリですよ!」(Youtubeでワルシャワライブ映像見た勢いで、つい買ってしまった・笑)な一枚。もともとPMGの持っている「実はある面、とってもPOPな」一面が、こういう「歌もの」になると増幅される(本領発揮?)のだな、と改めて思った。
 このM-12はAnother Life(「Speaking of Now」)のカバー。(原曲はリチャード・ボナさんやCuong Vuさんたちの「あの」Vocalが目立つイメージの曲だったから)最初聴いた瞬間「あれ、何だったっけ?」と思ったが、なに何のことはない「あそこ」に歌詞をつけて歌っていたのかとすぐ判り、そういう方法があったかと、改めて「メセニーさん」の「美メロ」の力に横手を打って納得。メロディが際立ってきたらなんかモリコーネの映画音楽的にすこぶるお洒落なボサノバみたいになってしまった歌(笑)のその耽美なvocalの上に、21世紀のさらなるMethenyさんのぴろぴろguitarが紫雲たなびくがごとく重なっていくのも、また新たな一興。
 このJopekさんによるカバー曲は総じて、「ついておいで(Are You Going with Me?なんだろうけど、渋い邦題だw)」なんかも全体的にしっとりとしたエスニックなアンビエントさが漂うリズム体のアレンジになっているので、今風なPMGのエッセンスを捉えた(=一曲が「長すぎない」w)再解釈として面白いなと思う。(20120707)
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本日の効果音(51) PINK / Shadow Paradise (1987)

2012-03-05 | 閑話休題・本日の効果音

○本日のBGM
 Shadow Paradise (シャドウ・パラダイス) / PINK (「Psycho Delicious」)
 
 たれぱんだやキイロイトリたちを連れて久山で「平安結祈」の“ファンク合戦”を見て帰ってきて、思い出して家で手にしたCDはこのPINKの「Psycho Delicious(サイコ・デリシャス)」(1987)である。今回雨の太宰府の梅林つづく付近をむすび丸たちと通っていくのにあたって、このアルバムからもBGMのmp3をシャッフル君に入れてきた。

 2006年のHYDE TOURのLIVE後、ふと秋にL'Arcを一気聴きした時に思い出してどっと迫ってきた過去の記憶(以前の日記に書いたとおりだ)、というのは何かというと、、その約20年前、1987年頃の仙台で見ているはずの「PSYCHO-DELICIOUS ACT Ⅱ」のことである。(ちなみに爆風スランプのライブはその数年前に市内の学園祭で見ている。)当時の「仙台」だからお客さんは「大人しい方」だったかもしれない^^が、乗りは心地よかった。PINKについては詳しい知識はなかったが、たぶんFMラジオのスタジオライブを偶々聴いて、かっこいいなと思ってカセットに録って聴いていて(貧乏な学生なのでまだCDは買えない)、TVでもビデオカセットのCM曲(Keep Your View。もしかしてBryan FerryのDon't Stop the Danceの流れるCMと対抗してたのだろうか・笑)が流れていたというイメージの、若手のグループだった。非常にファンキーな、つい聴いていると身体が動いてしまう、しかしその次の年に見たPrinceやMarcus Millerの本場の暴れ方よりも「おちついた」、自分の中では前年の高橋幸宏&Steve Jansen(宮城県民会館)に続く「かっこかわいさ」であった。それはファンキーのうちでもRoxy Musicとか80年代英国のアダルトさに近い優雅な黒さだったからだろう。そしておそらく、歌詞も当時の歌謡曲と違って日本語にしては幻想的・耽美的で高踏的な感じのする(日本語歌詞ロックでもかっこ悪くなく、かつ安易に英語歌詞に逃げない)ものだった。
 TVでは一般的に舘ひろしや安全地帯や吉川晃司などがザ・ベストテンに出まくってた頃で(爆)その一方で、それらを支える当時のスタジオミュージシャン軍団のプロのポテンシャルとレベルの高さを、ひいては文化の豊饒を、この「古びない」アルバムは象徴しているように思う。確かにBody & Soulなどを聴いても福岡ユタカ氏の声が当時のBryan Ferry風のボーカルだったり所々Sting風のコーラスだったりするようにも思う。だが、分厚さを感じさせるトラックやシンセの音色にせよ、耽美的なギターの刻みにせよ、謎のパーカスと恐るべきベースとドラムのリズム体にせよ、この「頃」の音楽のゴージャス感、というのは、その20年後にどんなにThe Killersみたいなバンドがパロってリバイバルに「それ風」にしようが、逆立ちしてもこのリアルタイムにはかなわないと思うよ(笑)。
 久しぶりに盤を入れ(昔のLPで言うなら「針を落とし」、という)、聴くと…まさに驚きである。25年前にして、この全く遜色がない厚みの音質のHQぶりは何なんだ。非常に丁寧に作ってある。'93年以降あたりだったかの「グランジと称するもの」以降、すっかりざらついて粗雑になるか、逆に空虚に薄っぺらくつまらなくデジタル化するか(なんで、最近のって、音が薄い感じがするのだろう?)、になってしまった単純な音楽とは違って、安っぽくない。当時はカセットテープながらもステレオ録音で聴いたものだが、David SylianもBryan Ferryもこの「厚み」がじわじわ来て快感だった。その感覚は、聴くと今も押し寄せてくる。若いL'Arcファンや堂本剛ファンらしき、既に息子か娘くらいの年端も行かぬ連中にもそのエッセンスを語り伝えたい、80年代リバイバルだのR-35やR-40とか言ってるなら、YMOやパール兄弟や後藤次利だけでなくPINKもデフォですぞ、覚えときなさい試験に出ますぞ、と(←時々ムック風・爆)。
 …そんなことを思いながら、今はただ、そのふとした興味で訪ねたライブで偶々生でスティーヴ・エトウ氏や岡野ハジメ氏を体験し、それが20年後、回り回って自分がKinKiからENDLICHERI☆ENDLICHERIとかを、HYDEさんからL'Arc~en~Cielとかを聴いていて、実はつながっているという「巡る巡る、巡る因果」(坂本九の新八犬伝の歌?)」ぶりの不思議に、深く感慨を抱かずにはおれない。それにしてもずっと通じているものといえば基本「Bassの油断のならない動きのリズム体」てなところだろうか。しかしその20年後L'Arcの「Smile」のDVDで見た、スタジオ内で既に「ゆかいなおじさま」のようなにこやかなハジメさんが、PINKの頃の長髪のあの超絶ファンクベースのお兄さん(!Σ (゜Д゜)!)だったんだと気づくのに正直言うとしばらく時間がかかった(すみません・笑)。(※ま、自分もそれだけ充分歳を経ているはずですから!)
 このM6「Shadow Paradise (シャドウ・バラダイス)」は、アルバムの中でもかなりPOPな方の曲で、よく覚えている。これもRoxy風というか、始めの方はちょっとJapanのGhostsとかWhen Love Walks In風の妙味なアレンジで、Bass(これが岡野さんだ!)までもがちょっとMick Karn風にぶにぶにぶにと歌い蠢くのが心地良い一品だ。その歌い具合はL'Arcで言えば「風の行方」的というべきか。だが、最もサビの「呼ぶ声は もう届きはしない たとえ愛でも」のフレーズに、たまらず胸を掴まれる。これが聴こえてきた時、ふわーっと自分の脳内に固まっていた澱のような何かが溶けていくような心地を覚えて、ふっと目が潤んできた。(…あれ?)
 …記憶の深い底に沈んでいた、「1987年の仙台の春頃」の時空が、一気に蘇ってくるような感覚。…会場は電力ビルか市民会館か県民会館か、どちらであったか。広瀬川岸から下流の、長町から南には太平洋に注ぐあの河口の、名取平野の景色が広がっているはずだ……自分はその地形の見える街で、毎日を生活していて、音楽を聴き続け「育まれた」その素養が、25年後の今においても自分の血肉の一部でもあり、今音楽を聴いて様々なことを感受する、その大切な基となっていることを、こうして気づく。改めて、昨年の震災以来語られる町々も人々も、そこで生活している時空の質感や距離感、空気感として、そういうきっかけから一番実感的に思い出されてくる。もうそこに居る人や場所とはかなり遠く離れてしまっているが、自分にとっての「仙台」とは、そういう感受性や思考に影響する意味をもった都市でもあるのだ。今週はこのPsycho-Deliciousで、踊るLove Is Strangeな超絶技巧リズム体を遥かな筑紫国で堪能しながら、このShadow ParadiseとKeep Your Viewの流れていた遠い陸前国の「感じるままの」風景を悼もうと思う。震災以来の何かにつけて空虚で大仰な物言いは嫌いで用いたくないがあえて言うと、自分にとっての音楽とは、このようにふと湧き上がってくる感覚に影響する力のあるものである。(20120305)



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本日の効果音(50) Pet Shop Boys/ Pandemonium (2009)  

2011-08-06 | 閑話休題・本日の効果音

○土曜日は8月6日で広島の式典を朝ニュースで見てから家の片付けと掃除。あまりにも暑いため気が遠くなってくる夕方、一風呂浴びに車で30分くらいのところの温泉に行くのだが、途中の県道沿いの集落が、町内会ごとにあちこちで、神社前で夏まつりをやっている(※とある途中の神社の、天保三年の鳥居)。
 帰り、暗くなってくると、テントを組んで夜店や奉納太鼓をやってたり、灯篭をならべたり。大きな催しではないが、各町や村ごとの寄り合いっぽい感じ。こうしてみると、世の中ってのは夏休みだったんだな、と気づく。(※またもや温泉の休憩室で、ごろごろするキイロイトリたち)

 
    
 
本日のBGM
 More than a dream/Heart~Did you see me coming? (「Pandemonium CD (Live,the 02 Arene,London 21 Dec.2009)」)
 そうですよ、Pet Shop Boysと言えば買っておいてあるのにゆっくり聴く時間がなかったDVD+CDがありましたよ!というわけで納涼がてら聴き始めたら、…この最初のイントロから美しく、そしてどきどきしながらさっそくキタ━━━ヽ(∀゜ )人(゜∀゜)人( ゜∀)人(∀゜ )人(゜∀゜)人( ゜∀)ノ━━━ !!!のHeartで乗せられてしまった(単純なメロかと思いきや、こうやって聴くとよく出来てる凄い曲である。なんか演歌な日本人にも馴染みそうな不思議な和洋折衷メロというか盆踊り状態→そこからDid you~の無敵絶頂ノリへ)。この頭2曲からやられてしまってあれよあれよと。以前にも書いたが、だいたい新堂本兄弟でDBBが出てくるのに浅倉大介さんが欠席の時は「PSBって今どこでツアーLiveやってたっけ?またどうせ、大ちゃんは欧州とかに聴きに飛んでるんだろなあ、くっそお」とか勝手に思ってました(←※ちがってたら申し訳ありません)。日本でも相当数の老若男女マニアがアリーナ埋めたいと思って待ってるのだがね。
 基本的に鎖国下の江戸時代人のように日本国内で生きている小生は、エゲレスの風聞は長崎出島経由で知るのみ、というのは大嘘で、結構一昨年のリアルタイムに近い時分から、youtubeにどっかのだれかが部分的に断片を上げてたりしてたのは見てた(王様のかっこで歌うニール先生のViva la Vida+Domino Dancingもそれでちら見した程度)。このDVDが公式盤なんだろうな。しかもLive盤はまたオリジナルと違ってChris先生がこってこての総力特集で、結構懐かしい曲も渋かっちょよく改訂されてて(2009 Brit Awardの時みたいに)、その「意外な重ね合わせの意外なつなぎ」(KinKiのLiveのメドレーなどでもよくありますね←そこを聴きたくて行く)が、毎回ぞくぞくするというか、油断がならない。
 Neil先生も聴いてると年齢のわからん人だ(爆)なんでこんなに声が伸びてばりばりと出るんだ?やっぱ小田和正ですかあんたは!的な御大と言っても過言ではなかろう。ともかく、Live CDがないとLiveのDVDから良い所をmp3変換してリッピングして落としてでも作業中BGMにしちゃいかねない我々BGMヲタクには助かるのがこの「おまけCD」です。DVDの全曲は入ってなくて抜粋だけれど、BGMにはすぐ使いやすい。これ、聴くとちゃんと、観衆がわっしょい状態で「歌ってる」(笑)ね。オリジナルだとバラードぽい曲も、Liveでは揺れるノリを重視したアレンジになっている。WMPのガイドによると、これは「dance music」と出てくるから、原則踊れる仕様なのだろう。気分だけ、少し盆らしくなった。(20110806)


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