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Mars&Jupiter

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ベルクの歌劇「ヴォツェック」を聴きながら

2008-01-20 08:19:24 | 古典~現代音楽オーストリア編
昨日はウォーキングはお休みしました。
昨日聴いたのはアルバン・ベルクの歌劇「ヴォツェック」。
20世紀オペラの傑作の一つといっていい。
初めてこの音楽を聴いたのはレコードで、
ブーレーズ盤は当時高かったのだが、悩んだ末に買った。
とはいえ、一度聴いただけでこの歌劇を気に入った。
作品としての完成度がとても高い作品だと思う。

あらすじは、連隊付の大尉の部下ヴォツェックが、
自分の妻の浮気に嫉妬し、殺害してしまう話である。
作品の原作はビュヒナーの戯曲「ヴォイツェック」。
その主人公は実際の犯罪人をモデルにしているようである。
床屋のヴォイツェックが犯した犯罪は、
ある医師の妻を残忍な手口で殺害したもので、
当時の人々を震撼させた事件だったようだ。
原作は主人公の名前がヴォイツェック(Woyzeck)なのだが、
ベルクの作品ではヴォツェック(Wozzeck)に変わっている。

第一幕は主題の提示となっており、
第二幕に出てくる主題は、それを展開したもの。
そしてこれら主題は第三幕の音楽を
形作る要素であったことが第三幕のところで明らかにされる。
第三幕のところは、この歌劇の中で一番優れた箇所で、
演奏会用組曲として演奏されることもある。
ヴォツェックが自分の妻を殺害するまでのところが、
心理的な部分の描写も含め、見事に描かれている。

今回聴いたのはアバドが指揮するCDなのだが、
残念なことにこの第三幕の演奏は物足りない。
あっさりすぎてしまい、もっとどろどろとしたものを
描き出すことはできないという感じがする。
それを考えるとやはり演奏はブーレーズの方がいい。