Mars&Jupiter

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シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」を聴きながら鶴ヶ峰から二俣川まで歩く

2008-01-18 07:58:55 | 古典~現代音楽オーストリア編
昨日は鶴ヶ峰駅から二俣川まで歩きました。
途中聴いたのはシェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」。
1912年に作曲されたこの作品は何といっても傑作である。
高校時代に私はレコードでこの作品を知った。
その聴いた時の驚きは忘れることはない。
今回はその時聴いたブーレーズ盤ではなく、
演奏がエリカ・シクライのソプラノ、
アンドラーシュ・ミハーイ指揮、
ブタペスト室内アンサンブルのCDを聴いた。

ベルギーの幻想詩人アルベール・ジローが、
1884年に発表したフランス語の詩集から、
オットー・エーリッヒ・ハルトレーベンが、
自由なドイツ語訳をした21編をテクストに選んでいる。
そういうことからこの作品は、あらゆる部分で詩的であり、
幻想的で、しかしとてもドラマティックでもある。
シュプレッヒシュティンメという歌い方に特徴があり、
それが狂気的、病的、怪奇で退廃的な雰囲気を創りあげ、
世紀末的な当時の世界とマッチしている。

21曲からなるこの作品の楽器編成は、
各曲によってそれぞれ違い、趣向を凝らしているので、
聴いていて飽きることはないのだが、
初めてこの曲を聴くとしたら、まず最初に
「何だ、この曲は?」と思うかもしれない。
今やクラシック音楽の中でも古典となっているが、
この前衛的な音楽を当時始めて聴いたヨーロッパの人々は、
どうしていいものか、あたふたしたに違いない。
現代音楽の古典として有名な作品であるが、
曲の細かい部分に注目すると、
後期ロマン派の音楽が断片的に顔を出したりする。
新ウィーン楽派がその流れを受けているという証拠である。
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