Mars&Jupiter

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ウィリアム・アルウィンの交響曲第2番を聴きながら希望が丘から鶴ヶ峰まで歩く

2008-11-30 06:52:59 | 古典~現代音楽イギリス編
昨日は希望が丘から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
途中聴いたのは1905年生まれのアルウィンの作品。
彼の略歴については、器楽曲・室内楽曲編で触れたので省略する。
交響曲第2番は、1953年に作曲された単一楽章制の作品である。
とはいえ、大きく2つの部分に分かれるようだ。
第一部はアレグロ・マ・ノン・トロッポから、モルト・モデラート
そしてアダージョ・モルト・カルマートへと進行する。
ファゴットのソロと弦楽器によって、
不安で深刻な感じの旋律が冒頭から奏される。
そして神秘的で、混沌とした音楽が展開され、
金管楽器を中心に音楽は盛り上がりをみせる。
その後静まってからは、哀愁のあるチェロのソロが流れ、
弦楽器中心の静かな音楽となり、
最後は管楽器が入るが神秘的な感じのまま終わる。

第2部はスケルツォ風のアレグロ・モルトから
モデラート・ラルガメント、モルト・トランクィロへと進行する。
そのスケルツォ風の音楽は金管楽器も加わり荒々しさもあり、
幻想的な部分と狂乱的な部分が交錯する感じでもある。
そのあとは劇的に音楽が展開していく。
金管楽器や打楽器が活躍し、盛り上がりをみせ、
抒情的な旋律が流れ、映画音楽のようでもある。
優しい、郷愁のある旋律が弦楽器中心に奏され、
フルートも加わり、金管楽器も加わりコーラル風になる。
金管楽器によるクライマックスを迎えたあとは、
最後弦楽器だけが残り、静かに終わる。
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マルコム・アーノルドの交響曲第3番と交響曲第4番を聴きながら二俣川から三ツ境まで歩く

2008-11-29 09:21:09 | 古典~現代音楽イギリス編
昨日は二俣川から三ツ境駅まで歩きました。
途中聴いたのは1921年生まれのアーノルドの作品。
彼の略歴については、管弦楽曲編で触れたので省略する。
交響曲第3番作品63は、1954年から1957年にかけて作曲された。
王立リヴァプール・フィルハーモニー協会の委嘱を受け作曲され、
王立リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団により、
ジョン・プリッチャードの指揮で、1957年12月2日に初演された。
第一楽章アレグロは、重々しい弦楽器の演奏で始まる。
これには彼の母の死やロシア旅行の影響がみられるようだ。
フルートやオーボエ、クラリネットの木管楽器のソロなどが、
奏でる旋律はロシア風の哀愁を漂わせているが、
一方金管楽器によるダイナミックで荒々しい旋律も印象的だ。
最後はフルートのソロが奏されて終わるが、
なんとなくショスタコーヴィチ風である。
第ニ楽章レントは、ゆったりとした弦楽器の伴奏に乗って、
オーボエ・ソロが哀愁を帯びた旋律を吹き、
他の木管楽器がこれに続き、この主題を中心に音楽は進行していく。
弦楽器のピッチカートはショスタコーヴィチを感じさせるところもある。
深い悲しみを感じる曲であり、木管のソロはシベリウス風でもある。
3音による音型はやがてシリアスな感じの中、
クライマックスを迎え、最後は悲劇的な感じの中で終わる。
第三楽章アレグロ・コン・ブリオは、クラリネットなども
木管楽器がおどけたような軽快な旋律が奏されて、
曲は室内楽風なところはシベリウスやニールセンを思わせる。
それまでの楽章にあったような重々しさを感じさせない、
スケルツォ風の軽快な音楽であるが、最後は盛り上がりをみせ、
最後は再び緊張感あふれる音楽となり、荒々しく奏す打楽器に、
金管楽器が華やかな感じを加え、堂々と終わる。

交響曲第4番作品71は、BBC交響楽団からの委嘱を受け、
1960年に作曲され、作曲者自身の指揮のもと、
BBC交響楽団により、1960年11月2日に初演された。
交響曲第3番とは違い、全体的に明るく親しみやすさをもっている。
第一楽章アレグロは、弦楽器が奏するロマンティックな旋律、
そして荒々しく原始的なものを感じさせる打楽器群のリズム、
そしてそのあと弦楽器に現れるポピュラー音楽的で、
魅力的な旋律が印象的であり、ブラスバンド好きの人であれば、
その後の展開も含めてきっと気に入るところなのだろう。
金管楽器をよく知り尽くしているアーノルドらしい音楽である。
バーンスタインのウェストサイド・ストーリーを思わせる
打楽器群の強烈なリズムは西インド諸島、アフリカの太鼓などの
打楽器とそのリズムに影響を受けているようだ。
最後はロマンティックな雰囲気の中、弦楽器中心に静かに終わる。
第ニ楽章ヴィヴァーチェ・マ・ノン・トロッポは、
スケルツォ楽章であり、特徴的な打楽器のリズムに乗って、
管楽器が活躍する幻想的な短い音楽である。
第三楽章アンダンティーノは、フルート・ソロで始まる。
ゆったりとした中で、二つの主題により曲は展開されていく。
前楽章の旋律がゆったりとしたテンポで展開されるのはおもしろい。
第四楽章コン・フォコは、対位法的なスタイルで始まる。
木管楽器が軽快に、金管楽器と打楽器が豪快に主題を演奏する。
各楽章の旋律やリズムの部分が回想的に変形され登場する。
最後はポピュラーな行進曲が変形されつつ登場する。
今までの様々な旋律が渾然一体となり、
最後は金管楽器と打楽器中心に華やかな演奏で終わる。
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グランヴィル・バントックのヘブリディーズ交響曲、そして横浜から星川まで歩く

2008-11-28 11:15:12 | 古典~現代音楽イギリス編
昨日は横浜から星川駅まで歩きました。
昨日聴いたのは1868年ロンドン生まれのバントックの作品。
彼は、トリニティ音楽院でゴードン・サウンダーズに学び、
その後は王立音楽院で、フレデリック・コーダーに師事した。
バーミンガム・ミッドランド音楽院の校長をつとめ、
バーミンガム大学の教授もつとめたようである。
ハヴァーガル・ブライアンとは親友の仲である。
ヘブリディーズ交響曲は、1913年に作曲された。
ヘブリディーズ諸島の民謡に影響を受け、
1916年グラスゴーにて初演されたようである。
8月にロンドンに旅行に行った時に、
6枚組のバントックの管弦楽曲集CDが、
ボンド・ストリートのHMVでは25ポンドで売っていた。
迷わず買ったのだが、帰国後国内で見たら1万円以上だった。

長大な交響詩といってもいいようなこの曲の冒頭は、
重々しくゆったり始まり、ハープが加わり深遠で、
神秘的な世界を表現するかのようである。
ヘブリディーズ諸島の海の風景を表現しているようで、
ワグナー風の神話的な雰囲気を作り出している。
ヴァイオリンやホルンのソロによる賛美歌風の旋律が続き、
その音楽は耽美的で雄大であり、ロマンティックである。
やがて嵐の到来を予感させる不安な音楽となり、
やがてその嵐を描写する荒々しい音楽となり、
ティンパニと金管楽器による盛り上がりのあと、
ホルンが英雄的で堂々とした旋律を吹く。
これは昔いた海賊のキシュムル(Kishmul)の
「ガレー船の歌」をいう旋律から採っているようである。
トランペットが繰り返す咆哮は、戦いに関係するようで、
音楽は海で展開される壮大な戦闘の様子を描写する。
このあたりの音楽はいかにもワグナー風であり、劇的である。
このあと平穏な雰囲気になり、悲劇的で英雄的な最後の部分に入る。
堂々とした勝利を歌うような旋律が金管楽器により奏され、
おだやかな少し哀愁を漂わせた旋律が続き、最後は静かに終わる。
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マイケル・ティペットの交響曲第1番を聴きながら二俣川から西谷まで歩く

2008-11-27 07:17:58 | 古典~現代音楽イギリス編
昨日は二俣川から西谷駅まで歩きました。
途中聴いたのは1905年生まれのティペットの作品。
彼の略歴については管弦楽編で触れたので省略する。
交響曲第1番は1944年から1945年にかけて作曲された。
初演は1945年11月にマルコム・サージェントの指揮、
リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で行われた。

第一楽章アレグロ・ヴィゴローソ、クワジ・アラ・ブレーヴェは、
イギリス音楽の流れを受けた伝統的なスタイルで書かれており、
疾走感のある軽快な弦楽器と木管楽器のかけあいがいい。
金管楽器や打楽器も加わり、ダイナミックに展開するところもあるが、
弦楽器を中心に音楽が展開されている感じがする。
最後は弦楽器中心に演奏され、静かにそしておだやかに終わる。
第二楽章アダージョは、コントラバスにより重々しく始まる。
オーボエ・ソロはやや寂しげな旋律を奏で、
他の管楽器もそれを受け継いでいくが、
金管楽器と弦楽器によりいったん情熱的な盛り上がりをみせる。
弦楽器と木管楽器によるやりとりがその後続き、
トランペットなど金管楽器と弦楽器によるやりとり、
そしてフルートの二重奏によるさまようような旋律が奏される。
そして弦楽器と金管楽器による盛り上がりを経て、
オーボエのソロが奏されたあと、大きなクライマックスを迎え、
最後は消えるように静かに終わる。

第三楽章プレストは三部形式で書かれているようで、
冒頭は金管楽器が、祝典的な華やかな旋律を奏で、
それに続き弦楽器と木管楽器がリズミックな旋律を奏でる。
中間部はゆるやかな弦楽合奏による音楽で、イギリス的である。
最後は冒頭の祝祭的な旋律が金管楽器によって奏される。
第四楽章アレグロ・モデラート・マ・コン・ブリオ・
エ・ピュ・タルデ・コン・デリカテッツァは、
まず弦楽器中心にフーガ風で対位法による音楽を奏でる。
木管楽器も加わって展開される音楽は軽快で、
2分あたりから流れる音楽は北欧風であり、
フルート、クラリネット、オーボエなど、
木管楽器により奏される音楽は幻想的であり、
室内楽的な世界はニールセン風でもある。
最後のティンパニ等によって規則的に繰り返すトゥッティは、
印象的で、それが繰り返される中で全曲を閉じる。
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ハヴァーガル・ブライアンの交響曲第3番嬰ハ短調作品25を聴きながら二俣川から鶴ヶ峰まで歩く

2008-11-26 08:13:41 | 古典~現代音楽イギリス編
昨日は二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
途中聴いたのは1876年生まれのブライアンの作品。
彼の略歴については管弦楽編で触れたので省略する。
CDの解説によると、交響曲第3番嬰ハ短調作品25は、
1931年5月頃から作曲にとりかかったようで、
当初はピアノ協奏曲として構想されたと推測されるようだ。
グランヴィル・バントックとの手紙のやりとりの中で、
「協奏曲を交響曲に変えた」という文があることからのようだ。
2つのピアノが入る交響曲のスタイルは、
確かにそのような経緯の痕跡を留めている感じがする。
交響曲は1932年5月28日にオーケストレーションが完成したようだ。

第一楽章アンダンテ・モデラート・エ・センプレ・
ソスティナート・エ・マルカートは、ピアノとともに
金管楽器・打楽器が勇ましい歯切れのいい旋律を奏でる。
もうひとつ登場する旋律は甘くロマンティックである。
しばらくピアノ協奏曲風な感じも見せながら曲は進行する。
魅力的なロマンティックな旋律が流れたあと、
情熱的な感じで音楽は盛り上がりをみせたあと、
ピアノ伴奏に乗ってフルートにより幻想的な旋律が現れる。
そしてその後弦楽器に移ってから音楽は再び盛り上がりをみせ、
勇ましく荒々しい旋律、リズミカルな旋律が登場する。
何しろ混沌とした感じで曲想はめまぐるしく変わっていく。
やがて弦楽器によるおだやかな音楽となり、煌めくような音を
ピアノがちりばめながら幻想的な世界を作り出していく。
音楽はやがて一時的に盛り上がりをみせたあと、
ピアノとティンパニ奏者による協奏的な音楽に入る。
ティンパニの荒々しい部分と、ピアノの颯爽としたところがいい。
最後はゆったりとした行進曲風の旋律が流れながら、
金管楽器が加わり、壮大で華麗な感じで終わる。

第二楽章レント・センプレ・マルカート・エ・ルバートは、
ヴァイオリンやフルートのソロが魅力的な旋律を奏でていく。
金管楽器により一時的な盛り上がりがあったあと、
ゆったりとした中ヴァイオリン・ソロが流れるような旋律を弾き、
ヴァイオリン・ソロによる協奏曲風の音楽に一時的になる。
ティンパニが加わり、荒々しさを加え、壮大な音楽となり、
徐々に盛り上がりをみせ、ピアノもそれに加わっていく。
その後オーボエによる旋律が奏され、フルートにも引き継がれるが、
この旋律はイギリスらしい田園風・牧歌風の音楽で、
そのおだやかな旋律が奏される中で曲は終わる。
第三楽章アレグロ・ヴィヴァーチェは、
冒頭イギリスらしい颯爽とした祝祭的な旋律が、
金管楽器により奏され、華やかで印象的である。
トリオ的な部分は夢見るようなワルツ風の音楽である。
その後颯爽した最初の旋律とワルツ風の旋律が交互に現れ、
最後は再び冒頭の颯爽とした祝祭的な旋律が、
金管楽器を中心によって奏され、ワルツ風の音楽の一部も、
華やかな感じでアレンジされて、祝祭的な雰囲気の中で終わる。

第四楽章レント・ソレンネは、冒頭バス・クラリネットにより、
主題が奏されるが、それはレクイエム風で哀愁を帯びている。
弦楽器などが加わり、ゆったりとした中に情熱的に、
そしてロマンティックな音楽が展開され、ピアノ独奏が加わる。
そのあとトランペットがファンファーレ風の音楽を奏でる。
ティンパニが加わり、展開部に入っていく。
やがて再びピアノが加わり、荒々しい音楽となっていく。
そのあとは、ニールセン風な雰囲気を加え現代風となるが、
ピアノが再び加わってからはロマンティックな感じになり、
最後はフィナーレに向かって金管楽器が加わり、
ハッピーエンドのように明るく華やかな中で全曲を閉じる。
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