Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

フローレンス・プライスの交響曲第4番ニ短調を聴く

2022-06-26 20:03:05 | 古典~現代音楽北アメリカ編
今回は1887年生まれのフローレンス・プライスが、
1945年に作曲した交響曲第4番ニ短調を取り上げる。
聴いたCDはジョン・ジーター指揮、
フォート・スミス交響楽団の演奏による。
プライスは交響曲第2番ト短調を、
1935年頃に作曲しているようだが、
そのスコアは消失もしくは紛失しているようだ。
したがって、プライスの交響曲すべての紹介は、
今回で終わりということになる。
第一楽章「モデラートのテンポで」は、
哀愁のある叙情的な主題が力強く奏でられて始まる。
もう一つの主題は牧歌的な旋律でアメリカらしい。
提示部は繰り返されたあとで展開部に入り、
二つの主題は変形されていき再現部を経て、
盛り上がったところで、最後力強く終わる。
第二楽章アンダンテ・カンタービレは、
オーボエが奏でる旋律で始まる。
ドヴォルザークの交響曲第9番の
第2楽章のように親しみやすい旋律で、
チェロが奏でるところも味わい深い。
また、トランペットが旋律を奏で、
フルートが絡むところもいい。
何か古い時代の田舎の風景を思わせる感じで、
懐かしい感じを残しながら、静かに終わる。
第三楽章ジューバ・ダンスは、
弦楽器が奏でる陽気で軽快な旋律で始まる。
打楽器のリズムがダンスに関係するのだろうか。
第三楽章にジューバ・ダンスを入れるのが、
プライスの交響曲の特徴なのであろう。
中間部はオーボエが対照的で穏やかな旋律を奏でる。
冒頭の旋律が再び現れて、力強く終わる。
第四楽章スケルツォは、軽快で力強い旋律で始まる。
民謡風の流れるような旋律で始まる終楽章は、
これまたプライスの交響曲の特徴なのだろう。
最後の盛り上がって終わるところはなかなかいい。
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フローレンス・プライスの交響曲第3番ハ短調を聴く

2022-06-25 17:49:00 | 古典~現代音楽北アメリカ編
今回は1887年生まれのフローレンス・プライスが、
1940年に作曲した交響曲第3番ハ短調を取り上げる。
聴いたCDはアポ・シュー(許瀞心)指揮、
ウィメンズ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による。
第一楽章アンダンテは、金管楽器の奏でる旋律で始まる。
それに木管楽器も加わってその部分が繰り返された後、
アレグロの主部に入り弦楽器が感傷的な第一主題を奏でていく。
もう一つの主題は金管楽器が奏でる明るい旋律である。
主題は展開されていくが、アメリカらしい部分が出ている。
主題が再び現れ、盛り上がって、最後は力強く終わる。
第二楽章アンダンテ・マ・ノン・トロッポは、
木管楽器が奏でる旋律が哀愁あふれ、弦楽器が引く継いだあと、
フルートも奏で、弦楽器と木管楽器の間で旋律を受け継いでいく。
どこか懐かしさを感じさせるほのぼのとした音楽である。
途中で金管楽器が旋律を奏で、木管楽器や弦楽器がそれを引き継ぎ、
トランペットが再び旋律を奏でたあとは、木管楽器と弦で穏やかに終わる。
第三楽章ジューバ(アレグロ)は、
交響曲第1番第3楽章のジューバ・ダンスと同じように、
明るく舞踏的な旋律が奏でられていく。
中間部は金管楽器中心に対照的なゆったりとした旋律が現れる。
再び冒頭の明るく陽気なジューバ・ダンスが奏でられて終わる。
第四楽章スケルツォ(フィナーレ)は、民謡風の旋律が奏でられて始まる。
軽快で力強い感じの旋律であり、これが繰り返されていき、
展開されていき、最後は盛り上がったところで終わる。
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フローレンス・プライスの交響曲第1番ホ短調を聴く

2022-06-19 20:11:03 | 古典~現代音楽北アメリカ編
今回は1887年生まれのフローレンス・プライスが、
1932年に作曲した交響曲第1番ホ短調を取り上げる。
フローレンス・ベトリアス・プライスは、
アメリカで初の黒人女性の作曲家である。
早くから母親から音楽教育を受けており、
14歳でニューイングランド音楽院に入学し、
チャドウィックなどに作曲を師事したようだ。
卒業後はアーカンソー州などの学校で教職に就いた。
1912年には結婚したが、その後リトルロック事件をきっかけに
南部からシカゴに移住し、作曲をさらに学んだようだ。
聴いたCDは ジョン・ジーター指揮、
フォート・スミス交響楽団の演奏による。
第一楽章アレグロ・マ・ノン・トロッポは、
ファゴットが奏でる素朴で暖かな旋律で始まる。
この主題は木管楽器などで引き継がれ、
弦楽器と金管楽器が入ってくるとドヴォルザーク風になる。
だんだん激しくなったあとは、いったん穏やかになり、
ホルンが奏でる旋律が現れ、木管楽器に引き継がれる。
この主題もほのぼのとした感じでいい。
提示部は繰り返されて、展開部に入る。
主題は変形されていき、再現部を経たあと、
最後盛り上がったところで終わる。

第二楽章ラルゴ、マエストーソは、
金管楽器が奏でる歌うようなコラール風の旋律で始まる。
木管楽器がそれに呼応し、その繰り返しが続いていく。
そのあと弦楽器が入り、旋律を受け継いでいく。
懐かしい感じを抱かせるが、それはなぜだろうか。
単に黒人女性ということだけでは語れない。
色々な民族の持つ文化が現れている感じもする。
後半で金管楽器が再び旋律を奏でるところで鐘の音が鳴る。
木管楽器が速い動きの音型を奏でていく。
いったん盛り上がって最後は静かになり、チェロの音が入る。
第三楽章ジューバ・ダンスは、軽快な旋律で始まる。
舞踏的な旋律であり、ジューバ・ダンスとは、
南部農園の黒人奴隷の中で広がったダンスで、
手でひざやももをたたいて踊るダンスのようだ。
リズミックであり、明るく楽しい音楽である。
太鼓の音がひざやももを叩く音を表現しているのだろうか。
アメリカらしい感じの音楽である。
第四楽章フィナーレは、軽快で力強い旋律で始まる。
流れるように民謡風の旋律が奏でられていく。
最後は打楽器が鳴りびく中、盛り上がって終わる。
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ハワード・ハンソンの交響曲第7番「海の交響曲」を聴く

2022-06-18 18:20:08 | 古典~現代音楽北アメリカ編
今回は1896年生まれのハワード・ハンソンが、
1977年に作曲した交響曲第7番「海の交響曲」を取り上げる。
この作品は合唱によって歌われるが、
歌詞はウォルト・ホイットマンの「草の葉」から採っている。
聴いたCDは ジェラード・シュウォーツ指揮、
シアトル交響楽団及び合唱団の演奏による。
第一楽章「見よ、この限りのない海よ」(ラガメンテ)は、
弦楽器が今にも海に出るかのような旋律を奏でて始まり、
金管楽器も加わり盛り上がったところで、合唱が入る。
合唱は碑詩の中の「出航」の部分を歌う。
船が海原へと向かっていくような壮大な音楽である。
映画音楽のような感じでもあり、ハンソンらしい。
終わりの方で冒頭のゆったりとした部分が繰り返され、
合唱が歌い、最後静かに終わる。
第二楽章「語ることのない望み」(アダージョ)は、
淡い感じの音の上でトランペットが旋律を奏でて始まる。
そして、金管楽器が強く鳴り響き、合唱が入る。
合唱が歌うのは「別れのうた」の中の一部である。
合唱とともに音楽は盛り上がったあとは、
穏やかになり、最後合唱だけが残って終わる。
第三楽章「喜べ、船乗りたちよ、喜べ!」
(アレグロ・モルト~モルト・メノ・モッソ)は、
管弦楽による嵐の描写を思わせる激しい音楽で始まる。
そして合唱が入り、「別れのうた」の一部を歌う。
音楽はティンパニが弱く鳴り響く中、
徐々に合唱とともに感動的な感じになり、
盛り上がりをみせていき、鐘の音が鳴り響いて終わる。
何となく、ティンパニの音で終わっていくところが、
ショスタコーヴィッチの交響曲第5番の終楽章に似ている。
それにしてもこの交響曲第7番は81歳の時の作品である。
尽きない彼の創作意欲には頭が下がる感じである。
作曲家はすごいもんだなとつくづく思うのである。
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アーロン・コープランドの交響的頌歌を聴く

2022-06-17 04:41:02 | 古典~現代音楽北アメリカ編
今回は1900年生まれのコープランドが、
1927年から1929年にかけて作曲した交響的頌歌を取り上げる。
この作品はボストン交響楽団50周年を記念として、
クーセヴィツキーから委嘱されたもので、
彼の指揮の下、1929年2月19日に初演された。
聴いたCDは アーロン・コープランドの指揮、
ロンドン交響楽団の演奏による。
金管楽器の奏でるファンファーレ風の旋律で始まり、
その力強い旋律を弦楽器も引き継いでいく。
いったん木管楽器と弦楽器による穏やかな音楽になるが、
最初の旋律は弦楽器に繰り返され、金管楽器が加わり、
再び力強い音楽になり、舞踏風の音楽になっていく。
中間部は静かな感じの音楽になり、
弦楽器の上で木管楽器が牧歌的な旋律を奏でる。
その静けさは金管楽器により打ち破れて、
壮大な感じの音楽になっていく。
フルートなど木管楽器により一時的に静かになるが、
再びリズミックな音楽になり、徐々に盛り上がっていく。
そして舞踏風の旋律が繰り返し奏でられ、
徐々に金管楽器中心に盛り上がり、最後力強く終わる。
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