Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

ヨセフ・スク(スーク)の劇的序曲イ短調 作品4を聴く

2023-03-28 05:09:25 | 古典~現代音楽チェコ編
今回は1874年生まれのチェコの作曲家スク(スーク)が、
1891年から92年に作曲した劇的序曲イ短調 作品4に触れる。
今回聴いたCDはペートル・アルトリヒテル指揮、
プラハ交響楽団の演奏である。
重々しく木管楽器と弦楽器で始まる。
やがてクラリネットやオーボエが奏でる旋律が、
弦楽器に引き継がれ、弦楽器が新たに力強い旋律を奏でていく。
この旋律を中心に他の楽器も絡みながら進行する。
またクラリネットから始まる旋律は、
牧歌的な旋律で、他の楽器にも引き継がれ、
やがて金管楽器も加わり、力強く奏されていく。
このあたりはドヴォルザークに似ていて、
彼自身がドヴォルザークに師事していたので、
その影響は強く出ていると感じる。
最後は金管楽器中心に盛り上がり、堂々と終わる。
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マノリス・カロミリスの交響詩「ミナスの反乱、エーゲ海の海賊」を聴く

2023-03-26 10:11:24 | 古典~現代音楽バルカン地域編
今回は1883年生まれのギリシアの作曲家カロミリスが、
1940年9月16日に作曲を完了した交響詩、
「ミナスの反乱、エーゲ海の海賊」について触れる。
今回聴いたCDはバイロン・フィデツィス指揮、
ロシア国立シンフォニック・カペラの演奏である。
ギリシア生まれの作家コスティス・バスティアスの、
小説「ミナスの反乱、エーゲ海の海賊」に基づいているようだ。
この小説は1939年に出版されたもので、
これを読んだ作曲家が、インスピレーションを得たのだろう。
最初から金管楽器や打楽器による大音響で始まり、
反乱を思わせる騒々しい感じであるが、
それが静まるとギリシア民謡風の旋律が奏でられる。
感傷的な部分と情熱的なところが交互に現れながら進行し、
映画音楽を聴いているかのようで、ドラマティックである。
後半は木管楽器とはハープによる穏やかな音楽が続き、
冒頭の荒々しい感じとは対照的にのどかな感じで静かに終わる。
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カロル・カジミェシュ・クルピンスキのエレジー ハ短調を聴く

2023-03-21 21:30:16 | 古典~現代音楽ポーランド編
今回は1835年生まれのポーランドの作曲家クルピンスキが、
1819年に作曲したエレジー ハ短調について触れる。
今回聴いたCDはヤロスワフ・ティエル指揮、
ヴロツワフ・バロック管弦楽団の演奏である。
これは指揮者ティエルによる補筆完成版である。
クルピンスキは幼いころから父に音楽を学び、
12歳には教会のオルガン奏者となった。
1808年頃からは歌劇作品の作曲に取り掛かるようになった。
曲は重々しく悲劇的な旋律による力強い序奏から始まり、
ベートーヴェンのように壮大でドラマティックである。
盛り上がったあとに現れた旋律は、
フーガのように各楽器に引き継がれていき、
そのあとは伸びやかに歌うような旋律が現れる。
歌劇作品を多く残した作曲らしく、様々な旋律が現れる。
再び冒頭の重々しい旋律が現れ、続いて木管楽器が旋律を奏で、
力強い旋律と歌うような旋律が交互に現れ、
最後は金管楽器も加わり盛り上がりをみせて、力強く終わる。
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スタニスワフ・モニューシュコの「おとぎ話(冬物語)」を聴く

2023-03-18 22:00:25 | 古典~現代音楽ポーランド編
今回は1819年生まれのポーランドの作曲家モニューシュコが、
1848年に作曲した「おとぎ話(冬物語)」について触れる。
大オーケストラのための幻想的序曲と副題には書いてある。
今回聴いたCDはヤロスワフ・ティエル指揮、
ヴロツワフ・バロック管弦楽団の演奏である。
ショパンと同時代に生きた作曲家である。
指揮者としても活躍し、多数の歌劇作品を残している。
代表的な歌劇には歌劇「ハルカ」などがあり、
ポーランド・オペラの父とも言われている。
弦楽器が奏でる少し悲しげな感じの旋律で始まり、
その旋律を木管楽器など他の楽器が引き継いでいく。
行進曲風に進行していくところはシューベルト風でもある。
その後の軽やかに弦楽器によって奏でられていくところは、
明るくメンデルスゾーン風でもある。
序曲ということもあって様々な旋律が現れるが、
登場する旋律は親しみやすい感じのものばかりである。
その後弦楽器と金管楽器でドラマティックに盛り上がり、
最後は力強く堂々とした感じで終わる。
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モーリッツ・モシュコフスキの「世界各地から」作品23を聴く

2023-03-12 13:39:36 | 古典~現代音楽ポーランド編
今回は1854年生まれのポーランドの作曲家モシュコフスキが、
1884年に作曲した「世界各地から」作品23について触れる。
「異国から」とか「すべての君主国から」と訳しているものもある。
今回聴いたCDはマーティン・ウェスト指揮、
サンフランシスコ・バレエ管弦楽団の演奏である。
第1曲「ロシア」は、クラリネットが奏でる旋律で始まる。
この旋律はやや哀愁漂い印象的であり、
そのあと対照的な明るい旋律が現れる。
交互に旋律は繰り返され、最後穏やかに終わる。
第4曲「イタリア」は、抒情的な旋律が奏でられて始まり、
フルートに導かれる軽快な旋律で始まる。
明快で優雅な感じはメンデルスゾーンを思わせもする。
曲はタランテラのようで狂乱的な部分もみられる。
第3曲「ドイツ」は、ドイツらしくホルンの吹奏で始まる。
この旋律は弦楽器などに引き継がれていくが、
旋律は抒情的で、哀愁漂うところもあり、味わい深い。
第2曲「スペイン」は、木管楽器が奏でる民謡的な旋律で始まる。
明るく軽快で、ファンタンゴのようであり、
金管楽器が加わり舞踏的になって盛り上がる。
第5曲「ポーランド」は、弦楽器が奏でる力強い旋律で始まり、
舞踏的な旋律であり、ポロネーズ風なのかなという感じである。
抒情的な旋律がそれに続き、冒頭の力強い旋律が再び現れる。
中間部は感傷的な感じの旋律が奏でられて終わる。
第6曲「ハンガリー」は、弦楽器が奏でる軽快で明るい旋律で始まり、
ハンガリーらしく、チャールダーシュらしい旋律も現れる。
最後は盛り上がったところで終わる。
ヨーロッパ各地の旅行を音楽で味わうという感じの曲である。
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