Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

ベートーヴェンの交響曲第7番イ長調作品92を聴きながら関内から横浜まで歩く

2009-12-31 09:09:00 | ベートーヴェンの交響曲・管弦楽曲
昨日は関内から横浜まで歩きました。
途中聴いたのは交響曲第7番イ長調作品92。
今回聴いたCDはウラディーミル・フェドセーエフ指揮、
モスクワ放送交響楽団の演奏による1988年録音のものである。
作曲者・作品の解説についてはあまりにも有名な曲のため省略する。
第一楽章は、ゆったりとした序奏部から始まる。
主部にいたるまでのこの長い序奏部は、
ベートーヴェンの交響曲の中でも長い方である。
ソナタ形式で書かれている主部の第一主題は、
勇ましく聴いているものを元気づけてくれる。
提示部は繰り返されることはなく提示部に入る。
主題をもとにした展開部でみせる手法も鮮やかである。
ロシアのオケの演奏ということもありフェドセーエフ盤は、
金管楽器の活躍が目立つような印象を受ける。
コーダでも金管楽器が活躍し、華々しい感じで終わる。
第ニ楽章では、悲哀を込めた主題によるアレグレットである。
弦楽器による主題に、管楽器などが加わっていく。
途中に何度か現れる木管楽器中心に展開される牧歌的な部分もいい。

第三楽章のスケルツォはベートーヴェンらしい音楽である。
躍動感があり、軽快に流れるような旋律に
ティンパニが荒々しいリズムを加えていく。
それと対比するゆったりした別の主題が、
交互に現れることで絶妙な効果を出している。
ここでも金管楽器の活躍が印象的である。
ソナタ形式によるフィナーレである第四楽章は、
強い推進力を持って流れるように一気に展開される。
リズムの点でもアクセントのつけ方に特徴があり、
弦楽器同士の旋律のやりとりなどに、
彼の円熟した作曲技法をみることができる。
フェドセーエフ盤も最後まで躍動感溢れる演奏を聴かせてくれる。
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年末近くベートーヴェンの交響曲第6番ヘ長調「田園」作品68を聴く

2009-12-30 13:24:01 | ベートーヴェンの交響曲・管弦楽曲
昨日は大掃除をし、忙しかったため、ウォーキングは休みました。
年末年始にかけては、中世・ルネッサンス音楽編は一時期お休みして、
ベートーヴェンの交響曲の様々な指揮者によるCDを紹介していきたい。
今回とりあげるのは交響曲第6番ヘ長調「田園」作品68。
今回聴いたCDはゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮、
モスクワ放送交響楽団の演奏による1974年3月13日録音のものである。
作曲者・作品の解説についてはあまりにも有名な曲のため省略する。
第一楽章は、ゆったりとした感じで始まるが、
管楽器の音が録音のせいでなぜか貧弱に聞こえる。
躍動感のある弦楽器の音は悪くはなく、
牧歌的で、のどかな感じを伝えている。
第ニ楽章の弦楽器による流れるような演奏は小川を想起させる。
管楽器の間の旋律の模倣的なやりとりも軽快に展開され、
楽章の129小節後に登場するナイチンゲール、
うずら、カッコウの鳴き声も聴こえて平和な感じで終わる。

第三楽章は農民たちの踊るようすを
躍動感ある弦楽器の動きでうまく表現している。
それに引き続く第四楽章は、低弦により嵐の予感を思わせ、
ティンパニが雷鳴を、そして弦楽器が激しい風を描写する。
録音のせいかティンパニの音はかなり遠くに聴こえる感じがし、
やや迫力に物足りなさを感じるところではある。
第五楽章の冒頭クラリネットからホルンに旋律が引き継がれ、
弦楽器に主題が現れるが、解放感あるこの主題はいつ聴いてもいい。
金管楽器も華やかさに彩りを与え、
嵐の恐怖から解放された人々の歓喜を伝えてくれる。
最後は幸福感に満たされた明るい雰囲気の中で終わる。
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仕事納め、そしてヤコブ・ハンドルの「トランペットを吹き鳴らせ」を聴く

2009-12-29 11:34:31 | 中世・ルネサンス音楽声楽曲・合唱曲編
昨日は仕事収めの日、夜は飲み会、そしてウォーキングは休みました。
今回とりあげるのは、1550年生まれのヤコブ・ハンドルの作品。
スロヴェニアで生まれた彼は、ラテン名でヤコプス・ガルスという。
1574年からウィーンのマキシミリアン2世の宮廷で活動し、
1580年からはモラヴィアにのオルミュッツ司教聖歌隊楽長を務め、
その後はプラハに移り聖ヨハネ教会のカントルとして活躍した。
今回聴いたCDはブルーノ・ターナーの指揮、
プロ・カンティオーネ・アンティクヮの演奏によるものである。

「トランペットを吹き鳴らせ(Cantie tuba in Sion)」は、
1586年にプラハで出版された「オプス・ムジクム第1巻」に含まれる。
一貫して通模倣様式で書かれた作品ということだ。
各声部が一方の声部に呼応するように歌い、
ルネサンス的な華やかさのある5声のモテトゥスである。
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チプリアーノ・デ・ローレの「おお、神の富裕の高さよ」を聴きながら、二俣川から鶴ヶ峰まで歩く

2009-12-28 08:07:46 | 中世・ルネサンス音楽声楽曲・合唱曲編
昨日は二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
途中聴いたのは、1515か1516年頃に生まれたチプリアーノ・デ・ローレの作品。
フランドルで生まれた彼は、1540年代初めイタリアに行き、
ヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂の歌手となった。
ヴィラールトに学び、1547年からはフェラーラ公エルコーレ・デステの
宮廷礼拝堂聖歌隊楽長を務め、1561年からはパルマの宮廷楽長、
1563年にはサン・マルコ大聖堂の楽長を務めるなどした。
「おお、神の富裕の高さよ(O altitude divitarum)」は、
1549年にヴェネツィアで出版された「デ・ローレ5声モテトゥス集」の
第3巻に含まれている5声による作品である。
今回聴いたCDはブルーノ・ターナーの指揮、
プロ・カンティオーネ・アンティクヮの演奏によるものである。

「おお、神の富裕の高さよ(O altitude divitarum)」は、
全体は2部によって構成されている。
第1部は、神の英知と知識の高さを賛美する内容である。
各声部は高みに向かっていくように動き、
それは神の高さに向かっていくようでもある。
第2部は、主を讃える人間への問いかけの内容となっている。
人間世界を示すようにむしろ各声部はさきほどよりも
低音域で歌うのが中心となり、神の世界と人間の世界を
この2つの部分で対比させているようでもあり興味深い。
最後は神をたたえ、アーメンを歌って終わる。
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ルカ・マレンツィオの「4声のマドリガーレ集第1巻」を聴きながら、二俣川から西谷まで歩く

2009-12-27 03:18:30 | 中世・ルネサンス音楽声楽曲・合唱曲編
昨日は二俣川から西谷駅まで歩きました。
途中聴いたのは、1553年頃生まれたマレンツィオの作品。
再びテーマはしばらく中世・バロック音楽編に戻る。
ブレーシャで初期の教育を受けた彼の略歴は、
マントヴァやローマで過ごし、歌手として活躍した。
クリストフォロ・マドルッツォ枢機卿や、
ルイージ・デステ枢機卿の宮廷で仕え、
その後はフランスに移り、フェルディナンド・デ・メディチに仕え、
ローマに戻り、彼の残りの人生の大半はここで過ごすようになる。
「4声のマドリガーレ集第1巻」は、1585年に出版された作品である。
今回聴いたCDはロッサーナ・ベルティーニのソプラノ、
クラウディオ・カヴィーナのアルト、ジュゼッペ・マレットのテノール、
セルジオ・フォレスティのバス、リナルド・アレッサンドリーニ指揮、
コンツェルト・イタリアーノの演奏によるものである。

ここではその曲集の中から2曲をとりあげる。
「優雅な鳥のさえずり(Vezzosi augelli)」は、
タッソーの詩に基づく4声のマドリガーレである。
鳥のにぎやかなさえずりのようすが、
各声部のやりとりの中で表現されている感じである。
華やかで軽快な感じで始まり、
最後はしっとした感じでテンポをゆるめて終わる。
「西風がもどり(Zefiro torna)」は、
ペトラルカのソネットに基づく4声のマドリガーレである。
流れる風のように、軽快なテンポで歌われていく。
歌詞の中にあるペトラルカの情感にあわせて、
音楽はそれをうまく表現している感じが伝わる。
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