Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

グリーグの伝承によるノルウェー民謡 作品66を聴く

2023-10-27 05:32:02 | エドヴァルド・グリーグの作品
今回は1843年ノルウェー生まれのグリーグが、
1896年に作曲した伝承によるノルウェー民謡 作品66を聴いた。
聴いたCDはアイナル・ステーン=ノックレゲルグの、
ピアノによる演奏のものである。
19曲からなる作品の旋律はどこか物悲しく、
どれもノルウェー民謡らしい魅力にあふれている。
第10曲「明日は君の婚礼の日」はタイトルが示すように、
途中から明るく陽気な舞踏的な旋律が入る。
第14曲「オーラの谷で、オーラの湖で」の旋律の一部は、
どこかで聴いたことがあるなと思っていたら、
デリーアスの「春初めてのカッコウの声を聴いて」の、
旋律に使われているものと同じである。
第16曲「小さなアストリー」は明るく舞踏的な曲である。
第18曲「私は深く想い巡らせた」は懐古的だが、
徐々にその思いが高ぶり、情熱的に盛り上がっていく。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

グリーグの8つの連作歌曲「山の娘」作品67を聴く

2023-10-25 05:59:13 | エドヴァルド・グリーグの作品
今回は1843年ノルウェー生まれのグリーグが、
1868年に作曲した8つの連作歌曲「山の娘」作品67を聴いた。
聴いたCDはシヴ・ヴェンベリのソプラノ、
ジェフリー・パーソンズのピアノ伴奏によるものである。
歌詞はノルウェーの新ロマン主義の小説家・詩人で、
アルネ・ガルボルグという人物による詩に基づく。
第1曲「誘惑」は、山羊の魔物が山の娘ヴェズレモイの、
住む家の窓辺に来て、誘惑のメロディを歌う話である。
力強く歌う最初とそのあとの北欧らしい美しい旋律、
その旋律が魔物の歌う誘惑の歌ということか。
歌詞は3番まであり、同じように繰り返していく。
第2曲「山の娘」は、ヴェズレモイの容姿や振る舞いなど、
美しさだけでなく、霊の世界を見る力を持つことが歌われている。
ゆったりと歌う中で彼女の怪しい魅力も感じさせる。
第3曲「ビルベリーの丘」は、山の娘が恋する若者と、
丘の上で話をしている情景が5番まである歌詞の中で歌われる。
楽しさがあふれるように軽快で民謡風の歌である。
第4曲「密会」は、山の娘と若者が会い、
惹かれあっていく様子が描かれている。
ロマンティックな曲で、運命的な出会いを感じさせる。
2番の詩の最後に出てくる「あなたは背が高いのね」という
会話のあと二人の気持ちが一気に恋へと向かっていく。

第5曲「愛(恋)」も、若者を山の娘が恋する場面が歌われる。
5番まである歌詞の中で山の娘の夢が広がり、
有頂天になっていくような心の高ぶりと、
一方ではうまくいくかわからない心の不安も表している。
第6曲「山羊の踊り」は、軽快な踊りの楽しい場面が歌われる。
音楽もそれを表すように軽快な民謡風の踊りの音楽である。
第7曲「不運な日」は、一転して恋人に裏切られた場面である。
歌も感傷的な旋律で始まり、曲が進行する中、
深く落ち込んでいく山の娘の気持ちが歌われる。
第8曲「山の小川で」は、流れる小川を見ながら、
つらい思い出を忘れ去ろうとする山の娘の気持ちが歌われる。
ピアノ伴奏は小川の水が流れる様子を描写し、
5番まである歌詞の中で、山の娘の沈んだ気持ちが歌われる。
自問自答しながら、若者を忘れようとする歌が淡々と歌われる。
でもやるせない気持ちは残っている感じでもある。
この8つの連作歌曲「山の娘」はグリーグの歌曲の中でも、
歌詞の内容と音楽が密接に関係して傑作とも言えるのではないだろか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

グリーグの歌劇「オラヴ・トリュグヴァソン」作品50より3つの情景を聴く

2023-10-23 05:18:04 | エドヴァルド・グリーグの作品
今回は1843年ノルウェー生まれのグリーグが、
1893年頃に作曲した歌劇「オラヴ・トリュグヴァソン」作品50より、
第1場から第3場の3つの情景を聴いた。
聴いたCDはソルヴェイグ・クリンゲルボルンのソプラノ、
ランディ・ステーネのメゾ・ソプラノ、
ペル・ヴォレスタードのバリトン、
ウーレ・クリスチャン・ルード指揮、
トロントハイム交響楽団および合唱団の演奏によるものである。
第1場「多くの刺激的な名前に隠された」は、暗い感じで始まり、
バリトン独唱が入り合唱が加わり、そのあとソプラノ独唱も加わる。
登場人物のやりとりが続き、ドラマティックな展開がみられる。
第2場「あなたが呼ぶほどではない」は、
メゾ・ソプラノ独唱と管弦楽で始まり、合唱も加わる。
独唱と打楽器・金管楽器でドラマティックに盛り上がりをみせ、
力強く堂々とした音楽であり、いったん盛り上がったあとは、
バリトン独唱が入り、合唱も加わって、最後は静かに終わる。
第3場「すべての神に感謝の恵みを捧げる」は、
管弦楽と合唱による荒々しく躍動感のある音楽で始まる。
中間部は対照的に穏やかな音楽である。
冒頭の荒々しい音楽が繰り返され、いったん穏やかになるが、
最後は金管楽器と打楽器中心に盛り上がって、力強く終わる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

グリーグのノルウェーの旋律 EG.108より第118番から第152番を聴く

2023-10-21 21:43:33 | エドヴァルド・グリーグの作品
今回は1843年ノルウェー生まれのグリーグが、
1874年から1875年に作曲したノルウェーの旋律 EG.108より、
第118番から第152番を聴いた。
聴いたCDはアイナル・ステーン=ノックレゲルグの、
ピアノやオルガンなどの演奏によるものである。
今回も印象に残ったところを触れておく。
第119番「飛ぼうとしていたんじゃない?」は明るく軽快な舞踏曲で、
それは第127番「ハッリングダールの民俗舞曲」にもあてはまる。
第125番「シューギュールとゴブリンの花嫁」は、
ロマンティックで印象的な旋律である。
第131番「ユールヴェイデ」は、冒頭のゆったりとした始まりが、
フィヨルドの自然を感じさせる感じである。
感傷的な旋律で、情熱的に盛り上がるところもある。
このCDではオルガン演奏の曲もあり、
第141番「幸せな考え」や第143番「歌い手の祈り」は、
聴いているだけで癒されてしまうような素朴なメロディである。
第145番「ノルウェーのライオン」は堂々とした力強い曲である。
最後の方の第150番「初めての出会い」や、
第152番「秘密の逢瀬」はとてもロマンティックである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

グリーグの歌曲「青春」、「ルンダルネにて」、「傷ついた心」、「川にそって」を聴く

2023-10-20 07:03:21 | エドヴァルド・グリーグの作品
今回は1843年ノルウェー生まれのグリーグが、
1873年から1880年に作曲した12のメロディ 作品33から、
第1曲「青春」、第9曲「ルンダルネにて」、
第3曲「傷ついた心」、第5曲「川にそって」を聴いた。
CDはキルステン・フラグスタートのソプラノ、
第1曲、第9曲、第3曲はウォーウィック・ブレイスウェイト指揮、
フィルハーモニア管弦楽団の演奏で、
第5曲のみピアノ伴奏はジェラルド・ムーアによるもの。
歌詞はヴィニエによるもので、
第1曲「青春」の歌詞の内容は分からないが、
音楽はドラマティックで、青年期の激しく情熱的な心の動きがわかる。
第9曲「ルンダルネにて」のルンダルネはノルウェーにある山の名称。
故郷に戻った人物が、故郷の山を見て、子供の頃を思い出し、
日々のつらいことを忘れようとする癒しの時間といえようか。
音楽も懐かしく故郷の自然の美しさに心奪われる感じである。
私もいつもつらいことがあった高校時代には、
長野ではいつも北アルプスの山々を見ていたから、
この詩の中での作者の気持ちがとてもよくわかる。
第3曲「傷ついた心」は、戦いでの傷と、
春の花が咲く頃を対比させて、心の傷も何もかも、
ある時には傷が癒えることを期待させる歌である。
音楽は暗い感じで始まるが、徐々に明るくなっていき、
その先に期待を感じさせるように盛り上がっていく。
第5曲「川にそって」の歌詞の内容は分からないが、
伴奏は流れる川の流れを感じさせ、
その川を見て湧き上がる感情を歌っている感じである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする