Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

アラン・ホヴァネスの交響曲第14番「アララト」作品194を聴く

2016-05-31 05:54:54 | アラン・ホヴァネスの作品
今回聴いたのはアラン・ホヴァネスが、
1960年に作曲した交響曲第14番「アララト」作品194である。
聴いたCDはキース・ブライオン指揮、
トリニティ音楽大学ウィンド・オーケストラの演奏による。
それにしてもこうやってホヴァネスの交響曲を取り上げていくと、
山の名前が標題に付いたものが多いことが分かる。
第一楽章は、三つの音が和音のように木管楽器によって奏でられ、
金管楽器がそれを引き継ぎ、打楽器により強烈なリズムが叩かれる。
再び木管楽器により今度は四つの和音となり奏でられ、
それを金管楽器が引き継いだあと、
ファゴットが歌うような素朴な主題を奏でて、
それを金管楽器が引き継いで、盛り上がったところで終わる。
第二楽章は、鳴り響く鐘の音で始まり、
時折打楽器が激しい2音のリズムを入れる。
やがて金管楽器が不協和音を奏で、フルートとピッコロも絡む。
この楽章は音響とリズムを全面に出し、旋律らしいものはない。
そのあと速い動きの音型が繰り返され、金管楽器が加わり大音響となり、
最後は打楽器が荒々しいリズムを叩いて終わる。
第三楽章は、打楽器が荒々しいリズムを刻む中、
金管楽器がファンファーレのように旋律を奏で、不協和音が響く。
最後は打楽器の荒々しいリズムだけが残って終わる。
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アラン・ホヴァネスの交響曲第1番「追放者」作品17の2を聴く

2016-05-30 05:47:39 | アラン・ホヴァネスの作品
今回聴いたのはアラン・ホヴァネスが1936年に作曲し、
1970年に改訂された交響曲第1番「追放者」作品17の2である。
聴いたCDはジェラード・シュウォーツ指揮、
シアトル交響楽団の演奏による。
第一楽章アンダンテ・エスプレッシーヴォ-アレグロは、
日本的な雰囲気を漂わせる繰り返す音型の上で、
クラリネットにより奏でられる嘆きの旋律で始まる。
そして突然現れる金管楽器による力強い主題が何度か現れ、
何度かこの流れを中断させようとする。
弦楽器による速い音型も繰り返し、支配的となったあと、
冒頭の旋律が再びクラリネットにより現れ、
力強い金管楽器のファンファーレの主題も現れ、
東洋的で日本的な旋律が奏でられて終わる。

第二楽章グラツィオーソは、木管楽器による旋律で始まり、
弦楽器のピチカートがそれを支えていく。
中間部ではハープの上でフルートが東洋風の旋律を奏で、
それを他の木管楽器が受け継いでいく。
そしてまた冒頭の旋律が現れて終わる。
第三楽章フィナーレ:アンダンテ-プレストは、
ティンパニの音が鳴り響き、木管楽器が旋律を奏でて始まるが、
金管楽器による強いファンファーレの動機がそれを中断される。
その木管楽器の東洋風な旋律とファンファーレが交互に現れ、
そのあとは弦楽器の速い動きの音型の上で、
金管楽器がコラール風の主題を奏でていく。
やがて弦楽器による主題はフーガ風に扱われ、
対位法的な音楽となっていく。
そして、コラール風の主題が繰り返され、
最後は勝ち誇ったようにして終わる。
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アラン・ホヴァネスの交響曲第23番「アニ」作品249を聴く

2016-05-29 09:14:39 | アラン・ホヴァネスの作品
今回聴いたのはアラン・ホヴァネスが、
1972年に作曲した交響曲第23番「アニ」作品249である。
聴いたCDはキース・ブライオン指揮、
トリニティ音楽大学ウィンド・オーケストラの演奏による。
標題の「アニ」は中世アルメニアの首都の名前で、
「1001の大聖堂を持つ都市」という意味のようである。
第一楽章アダージョ・レガート・エスプレッシーヴォは、
木管楽器・金管楽器が奏でる堂々とした旋律で始まる。
7拍子による旋律が繰り返され、鐘の音も加わる。
中間で金管楽器が騒々しい音を鳴らしたあと、木管楽器の音が残るが、
それは飛び去るたくさんの鳥を現わしているかのようでもある。
再び7拍子による最初の主題が繰り返され、
鐘の音が加わり、最後は堂々とした感じで終わる。

第二楽章アレグロ・グラツィオーソはユーモレスクで、
7拍子によるガムランのような音楽が奏でられる。
トリオは13拍子で、サクソフォンがエキゾチックな旋律を奏で、
フルートやピッコロがその旋律を引き継ぎながら奏でていく。
そして再び冒頭のガムランのような音楽が奏でられて終わる。
第三楽章アダージョ・コン・モルタ・エスプレッシオーネは、
金管楽器が挽歌の旋律をゆったりと奏でて始まる。
その旋律はアルメニア的なものといっていいだろう。
その旋律を繰り返した後は、木管楽器を中心に静かな音楽になり、
そのあとは金管楽器と打楽器で荒々しい感じの旋律が奏でられ、
それをもとにしたフーガ風の音楽が展開されていく。
それが終わると再び冒頭の旋律が堂々とした感じで奏でられ、
そして徐々に歓喜と勝ち誇ったフーガ風の音楽に発展し、
騒がしく神秘的な鐘の音が繰り返される中、最後堂々と終わる。
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アラン・ホヴァネスの4つのパガテル作品30を聴く

2016-05-27 06:30:41 | アラン・ホヴァネスの作品
今回聴いたのはアラン・ホヴァネスが、
1964年に作曲した4つのパガテル作品30である。
聴いたCDは上海クァルテットの演奏による。
パガテル第1番作品30の1は、ピチカートに乗って、
ヴァイオリンがアジア風の旋律を奏でて始まる。
ヴァイオリンが奏でる明るい旋律が印象的である。
パガテル第2番作品30の2は、
繰り返す音型は川の流れのようであり、
その上でヴァイオリンが旋律を奏でる短い曲である。
パガテル第3番作品30の3は短い序奏のあと、
ヴァイオリンが切ない感じの旋律を奏でて始まる。
その旋律をもとに変形し展開していく。
パガテル第4番作品30の4は、ピチカートの音に乗り、
ヴァイオリンがゆったりとした旋律を奏でて始まる。
この旋律もアジア的であり、それを繰り返していく。
中間部はヴィオラが別の叙情的な旋律を奏で、
そのあと再びヴァイオリンが旋律を奏で、
他の弦楽器も同じ音型を何度も繰り返して終わる。
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アラン・ホヴァネスの交響曲第7番「ナンガ・パルヴァ」作品178を聴く

2016-05-26 06:46:47 | アラン・ホヴァネスの作品
今回聴いたのはアラン・ホヴァネスが1959年に作曲した、
交響曲第7番「ナンガ・パルヴァ」作品178である。
聴いたCDはキース・ブライオン指揮、
トリニティ音楽大学ウィンド・オーケストラの演奏による。
第一楽章コン・フェロチータ(荒々しさをもって)は、
打楽器の荒々しいリズムで始まる。
何となくヴァレーズを思わせる感じである。
それに金管楽器や木管楽器が絡んでいく。
ナンガ・パルヴァ(パルバット)とは、
ヒマラヤ山脈の中にある山で、標高は世界第9位である。
ウルドゥー語で「裸の山」を意味するようで、
その荒涼とした山の様子が描かれている。
第二楽章行進曲は、打楽器のリズムに乗って、
トランペットが行進曲風の旋律を奏でて始まる。
それに木管楽器が絡んでいき、フーガ風の展開をみせる。
旋律はアジア風で、民謡風的であり面白い。
第三楽章日没は、木管楽器中心に始まる。
やがて、金管楽器と鐘の音が入り、
壮大な山の日没の様子が描かれていく。
ここでもフーガ風な展開が一部で見られ、
そのあと木管楽器の旋律とハープと鐘の音が鳴り、
山の神秘さを醸し出しながら静かに終わる。
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