Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

セルゲイ・プロコフィエフの交響曲第5番変ロ長調作品100を聴く

2016-03-07 06:07:01 | セルゲイ・プロコフィエフの作品
今回取り上げるのは1891年生まれのプロコフィエフが、
1944年に作曲した交響曲第5番変ロ長調作品100である。
聴いたCDはトーマス・シッパーズ指揮、
フィルハーモニア管弦楽団の演奏による。
この盤は高校時代にレコードでよく聴いた録音である。
第一楽章アンダンテは、ソナタ形式で書かれている。
朝の爽やかな感じを思わせるのどかな第一主題が、
フルートとファゴットに現れて、弦楽器などに引き継がれていく。
第二主題は甘美な旋律で、二つの主題が奏でられたあと、
もう一度第一主題が低弦に現れたあと、展開部に入り、
二つの主題が交互に絡み合いながら展開されていく。
スターリングラードの戦いでのソ連軍の勝利が決定的となった時に、
初演された作品であるからか、そこには勇気と力強さがみなぎり、
最後は第一主題を中心に盛り上がったところで力強く終わる。

第二楽章アレグロ・マルカートは、三部形式で、
せかした感じの主題が奏でられて始まる。
この旋律は滑稽でグロテスクな感じでもある。
中間部は舞踏風の旋律がリズミックに奏でられていく。
打楽器も加わり、軽快な感じはいかにもプロコフィエフらしい。
再び冒頭の主題が現れて、繰り返されて終わる。
第三楽章アダージョは、三部形式で書かれている。
弦楽器の伴奏に乗って、クラリネットが旋律を奏でていく。
この叙情的な主題を弦楽器などが引き継いでいく。
そしてもう一つの感傷的な主題が弦楽器に現れる。
そして葬送を思わせるような旋律と前の主題が交互に現れ、
感傷的な主題を中心に盛り上がっていく。
そして、再び冒頭の主題が現れて、最後静かに終わる。
第四楽章アレグロ・ジョコーソは、木管楽器により爽やかに始まる。
そして、第一楽章の第一主題がチェロ四重奏のコラールで回想され、
軽快で明るい第一主題がクラリネットにより現れて、
第二主題はフルートに現れ、東洋的でゆったりとした感じである。
交互に主題が現れて、低弦に第三楽章の主題が現れもする。
打楽器と金管楽器が効果的に使われ、軽快で力強く最後終わる。
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セルゲイ・プロコフィエフのワルツ組曲作品110を聴く

2012-05-08 06:28:53 | セルゲイ・プロコフィエフの作品
昨日はウォーキングを休みました。
今回とりあげるのは、1891年生まれのプロコフィエフの作品。
ワルツ組曲作品110は、1940年から1946年にかけて作曲され、
1947年に初演された作品だが、過去に作曲された作品の中の、
バレエ音楽「シンデレラ」やオペラ「戦争と平和」などから、
ワルツ音楽を集めたもので、このCDでは6曲あるうちの、
第2曲と第5曲と第6曲の3曲が選ばれ、演奏されている。
聴いたCDはネーメ・ヤルヴィ指揮、
スコティッシュ・ナショナル管弦楽団の演奏によるもの。
第2曲「宮殿にて(「シンデレラ」より)」は、
ワルツのリズムに乗り、弦楽器が主題を奏で、
木管楽器が絡んでいくが、荒々しく大げさな部分があり、
木管楽器の扱いやその旋律がプロコフィエフらしい。

第5曲「大晦日の舞踏会(「戦争と平和」より)」は、
低弦の速い動きに木管楽器とヴァイオリンが絡み、
躍動的な感じの音楽が終わったあと、
甘いワルツの旋律がヴァイオリンにより奏でられ、
金管楽器が絡んでいき、華やかさも加えていく。
途中速度をあげ盛り上がったあと、再びワルツの主題が現れ、そっと終わる。
第6曲「幸せ(「シンデレラ」より)」は、
ワルツのリズムに乗ってヴァイオリンが主題を奏で、
これも大げさな感じで、荒々しくプロコフィエフらしい音楽である。
最後は盛り上がったところで突然終わる感じである。
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セルゲイ・プロコフィエフの交響曲第7番ニ長調作品131を聴きながら二俣川から鶴ヶ峰まで歩く

2010-05-10 05:55:15 | セルゲイ・プロコフィエフの作品
昨日は二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
途中聴いた曲は1891年生まれのプロコフィエフの作品。
ロシア・ウクライナ編についてはこの曲を
以って終わりとしたい。
彼の略歴については以前ブログで触れているので省略する。
交響曲第7番ニ長調作品131は、1952年に完成した作品である。
聴いたCDは、ジャン・マルティノン指揮、
フランス国立管弦楽団の演奏によるものである。
マルティノン指揮のCDは他にパリ音楽院管弦楽団のものもあるが、
フランス国立管弦楽団の方がゆっくりとしたテンポで演奏しており、
どちらかというと私はこちらの演奏のほうが好きである。
高校時代にレコードで買った演奏もこちらの方なので、
聴いていて懐かしさも感じる演奏である。

第一楽章モデラートは、導入なくいきなり感傷的な第一主題で始まる。
ヴァイオリンでこの主題が奏されたあと、波のようなゆらぎの分散和音に乗り、
青春を振り返るかのようなロマンティックな第二主題が現れ、
フルートなどが奏すかわいらしい感じの旋律のあとで短い展開部に入り、
再現部でそれぞれの動機が現れたあと、
第一主題が弦楽器から木管に受け継がれて終わる。
第二楽章アレグレットは、優雅なワルツ風の音楽で始まる。
弦楽器と木管楽器によりワルツ風の旋律が奏でられる。
ワルツ風とはいいながらもプロコフィエフらしい斬新さもある。
次から次へと旋律が変わっていくのは過去の思い出の回想だろうか。
音楽は荒々しさも見せながら、大きな盛り上がりをみせて終わる

第三楽章アンダンテ・エスプレッシーヴォは、三部形式による。
ドイツ風の歌うような旋律が最初チェロによって奏されて始まる。
弦楽器と木管楽器によりゆったりとこの主題が奏されていく。
もう一つは行進曲風な旋律が木管楽器により奏されていく。
やがて最初のドイツ風の旋律が再び現れ、静かに終わる。
第四楽章ヴィヴァーチェは、ロンド形式で書かれている。
軽快な旋律が弾むような弦の音に乗って登場する。
曲は3つの旋律をもとに展開し、徐々に盛り上がりをみせたあと
第一楽章の第二主題が分散和音に乗って再現され、
最後は冒頭の軽快な旋律が現れて華やかに終わる。

なお、今回までとりあげたロシア・ウクライナ編のCD等の情報は、
以下のアドレスの各分野のところで赤字NEWで示してあります。
(ミャスコフスキーについては作曲家別編紹介コーナーのページで見てください。)
http://www1.ocn.ne.jp/~bocchi07/ongaku-kenkyu.html
参考にしていただければ幸いです。
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セルゲイ・プロコフィエフのピアノ・ソナタ第3番イ短調作品28を聴きながら星川から横浜まで歩く

2010-05-05 10:41:00 | セルゲイ・プロコフィエフの作品
昨日は星川から横浜まで歩きました。
途中聴いたのは1891年生まれのプロコフィエフの作品。
ウクライナ地方南部のエステリノスラフ県の小さな村に生まれた彼は、
サンクトペテルブルク音楽院で作曲・ピアノを学び、
ロシア革命後はアメリカ合衆国に渡り、その後はパリで活動したが、
1936年にはソ連に戻り、社会主義リアリズム路線に沿った作品を残した。
今回聴いたピアノ・ソナタ第3番イ短調作品28は1907年に作曲された。
聴いたCDは、グリゴーリ・ギンズブルグのピアノ演奏によるものである。

単一楽章制によるこのピアノ・ソナタ第3番イ短調作品28は、
「古いノートブックから」という注釈が付いているようで、
旧作を改訂したソナタのようで、青年期の作風を示すものである。
流れるような旋律とクールでリズミックな音楽は彼らしさを感じるし、
続いて叙情的に歌う旋律もいかにも彼らしい。
劇的に盛り上がる部分、軽快に駆け抜けていくような音楽。
短い演奏時間ではあるが、ピアノを熟知する彼らしい作品である。
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セルゲイ・プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番ハ長調作品26を聴きながら、二俣川から鶴ヶ峰まで歩く

2009-03-19 07:05:44 | セルゲイ・プロコフィエフの作品
昨日は、二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
途中聴いたのは1891年生まれのプロコフィエフの作品。
プロコフィエフは有名な作曲家なので、彼の略歴は省略する。
ピアノ協奏曲第3番ハ長調作品26は、1911年に曲の構想が考えられ、
1921年に作曲に取りかかり完成し、同年シカゴで初演された。
今回のCDはエフゲニー・キーシンのピアノ、アバドの指揮、
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるものである。
第一楽章アンダンテ-アレグロは、
木管楽器のやさしい響きから始まり、
弦楽器が加わった短い序奏のあと、独奏ピアノが入り、
プロコフィエフらしくピアノ・パートは技巧的であり、
軽快で荒々しい音楽が次々と展開される。
中間ではゆったりとしたロシア的で叙情的な旋律が現れる。
そのあと再び最初の軽快な旋律が流れ、
斬新な感じのリズムと生命感あふれる音楽で、
独奏ピアノの流れるような速い旋律とともに終わる。

第二楽章主題と変奏(アンダンティーノ)は、
とぼけたような行進曲風の旋律が管弦楽によって奏され、
ピアノが加わり、基本はこの主題に基づいた変奏となる。
ここでのピアノの超絶技巧的な演奏は印象的であるし、
斬新なリズム感覚はここでも聴くことができる。
ここでみせるキーシンの演奏はとても素晴らしい。
管弦楽とピアノの絡み合いはおもしろく、
さすがピアノをよく知っているプロコフィエフらしい。
第三楽章アレグロ・マ・ノン・トロッポは、
短い序奏に続き、独奏ピアノが入ってくる。
速いテンポの音楽は行進曲風でもある。
途中木管楽器がゆったりとした旋律を奏し、
弦楽器が加わり、ロシア的で叙情的な音楽になるが、
そのあと独奏ピアノが行進曲風に主題を奏し、
全体そのリズムが一瞬支配的となるが、
ロシア風の主題が再び現れ、盛り上がりをみせる。
そして再び速いテンポの音楽となり、
管弦楽とピアノとが激しく絡み合い、
フォルティッシモのユニゾンで最後は終わる。
それにしても改めてこの協奏曲を聴いてみたが、
傑作と言われるように完成度の高い素晴らしい作品だ。
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