Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

ドミトリ・ショスタコーヴィチの交響曲第5番ニ短調作品47を聴く

2016-05-05 20:52:49 | ショスタコーヴィチの作品
今回でロシア・ウクライナ編については終わりにしたい。
今回取り上げるのはショスタコーヴィチが、
1937年に作曲した交響曲第5番ニ短調作品47である。
聴いたCDはコンスタンティン・シルヴェストリ指揮、
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による。
第1楽章モデラートは、低弦による鋭い音で始まり、
ヴァイオリンがそれに呼応し、第一主題が奏でられる。
そのメロディは何かを訴えようとしている真摯さがある。
もう一つの主題はヴァイオリンによって奏でられ、
希望を感じさせる明るい旋律である。
それらが提示されたあと、展開部に入り、
第一主題から展開され、深遠さを加えていく。
ピアノの音が効果的に使われながら、行進曲風に曲が展開され、
金管楽器と打楽器によりクライマックスが築かれていく。
第二主題をフルートとホルンで再現していくところは印象的である。
コーダは第一主題を中心に独奏ヴァイオリンとチェレスタが活躍し、
最後は神秘的な雰囲気の中で終わる。

第2楽章アレグレットは、スケルツォであり、
木管楽器が軽快な主題を奏でていき、滑稽な感じである。
中間部で独奏ヴァイオリンやフルート独奏が活躍する部分があり、
それが終わると再び冒頭の主題が軽快に繰り返され、
ピチカートが効果的に使われ、中間部が一部現れたあと、
金管楽器と打楽器により盛り上げられたところで終わる。
第3楽章ラルゴは、沈鬱な感じの旋律が弦楽器により奏でられて始まる。
その主題は栗化される中、ドラマティックに盛り上がりをみせていく。
それが終わった後は主題が淡く回想するように奏でられ最後静かに終わる。
第4楽章アレグロ・ノン・トロッポは、ティンパニの音ともに、
弦楽器により力強く活気のある第一主題が奏でられていく、
もう一つの第二主題は、過去を回想するような感じである。
展開された後は力強い旋律が何度も繰り返されて,
徐々に盛り上がって、最後は力強く終わる。

今回でロシア・ウクライナ編を終わりにしたいと思います。
なお、今回までとりあげたロシア・ウクライナ編のCD等の一部情報は、
以下のロシア・ウクライナ編~項目中にNEWで示してあります。
http://userweb.pep.ne.jp/okubocchi07_treiben/ongaku-kenkyu.html
参考にしていただければ幸いです。

また、今回までとりあげたショスタコーヴィチ編のCD等の情報は、
以下のアドレスの各分野のところで赤字NEWで示してあります。
http://userweb.pep.ne.jp/okubocchi07_treiben/composer_home.html
参考にしていただければ幸いです。
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ドミトリ・ショスタコーヴィチの交響曲第13番変ロ短調「バビ・ヤール」作品113を聴く

2016-05-04 10:59:48 | ショスタコーヴィチの作品
昨日は結婚記念日なので二人で大混雑の鎌倉駅を降り、
本覚寺を経て、苔寺とよばれる妙法寺へ向かう。
途中大町四ツ角を左に曲がり、しばらく行くと、
左にコモ・バール(KOMO BAR)というお店があり、
そこでランチを食べることにした。
カウンターだけの小さな店であるが、
前菜と平打ち麺の自家製パスタを食べたが、
想像を超える以上に、この料理が大変おいしかった。
またいつか来てもいいなと思わせるお店でした。
それから、店を出て、妙法寺に至り、境内を見学。
苔石段を見たあと、急な階段を登りながら、
護良親王の墓がある頂上まで行き、相模湾側を見る。
そして、鎌倉駅まで戻るが、混雑した状況は変わらず、
江ノ電も入場制限で長蛇の列が出来ていました。
そこで、再びJR横須賀線で横浜駅まで行き、
そごうの中のニッコリマッコリで夕食を済ませ、帰りました。
それにしてもこんな連休に鎌倉に行くもんではないなとしみじみ。

いよいよロシア・ウクライナ編も次回で終わりにしたい。
今回取り上げるのはショスタコーヴィチが1962年に作曲した、
交響曲第13番変ロ短調「バビ・ヤール」作品113である。
聴いたCDはヴィタリー・グロマツキーのバス、
ユルロフ国立合唱団(現ユルロフ記念国立アカデミー合唱団)、
ロシア国立アカデミー合唱団、キリル・コンドラシン指揮、
モスクワ・フィルハーモニー交響楽団の演奏による。
1962年12月20日モスクワ音楽院大ホールで行われたライブ録音である。
第1楽章「バビ・ヤール」(アダージョ)は、鐘の音と共に低弦と木管楽器で、
主題が奏でられて、そのあと男声合唱が入り、
「バビ・ヤールに記念碑はない」と歌って始まる。
やがてバス独唱も入り、男声合唱とともに絡み、
ユダヤ人集団虐殺について語っていく。
演奏はとても緊張感・緊迫感があり、圧倒的である。
録音状態は良くないものの、説得力がある。
忘れてはいけない過去の事件に触れながら、
「インターナショナル」を轟かせろと歌うあたりから、
特に感動的で、金管楽器と打楽器で盛り上がったところで最後終わる。

第2楽章「ユーモア」(アレグレット)は、弦楽器と木管楽器で軽快に始まり、
金管楽器と打楽器も加わり、滑稽な歌がバス独唱により歌われる。
どんな権力者もユーモアをうまく手なづけることはできなかったと歌い、
それに男声合唱が絡んで合いの手を入れていく。
明るく軽快な伴奏に乗って、独唱者と男声合唱が、
ユーモアは何なのか、擬人的に歌われて、
最後は管弦楽で盛り上がって力強く終わる。
第3楽章「商店で」(アダージョ)は、弦楽器でゆったりと始まり、
バス独唱が、買い物で行列に並ぶ女性たちの姿を見て、
彼女らを讃えるように歌っていく楽章である。

第4楽章「恐怖」(ラルゴ)は、低弦でゆったり始まる。
「恐怖はロシアで死のうとしている」と歌う男声合唱に対し、
バス独唱は過去の恐怖について歌いながら、
新たな恐怖が生まれていることを指摘していく。
独唱と男声合唱のやりとりの中、新たな恐怖が歌われ、
管弦楽が盛り上がりを見せたあと、
男声合唱が「恐怖はロシアで死のうとしている」と再び歌い、
バス独唱が詩人が抱く恐怖を歌って、最後静かに終わる。
第5楽章「出世」は、フルートの二重奏により、
明るく希望を思わせるような旋律を奏でて始まる。
独唱が地動説を主張したガリレイのことを歌い、
男声合唱が合いの手を入れていく。
そして、真の立身出世とは何かを歌っていく。
俗物主義に対して嘲笑し、自分にとっては、
出世しないことが出世だと歌い、
冒頭の旋律が繰り返されて最後終わる。
録音状態は悪いものの、この1962年録音のコンドラシン盤は、
一気に聞き終えてしまうのだからやはり名演奏だろうと思う。
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ドミトリ・ショスタコーヴィチの交響曲第6番ロ短調作品54を聴く

2016-05-01 17:46:40 | ショスタコーヴィチの作品
今回取り上げるのはショスタコーヴィチが1939年に作曲した、
交響曲第6番ロ短調作品54である。
聴いたCDは1986年の録音のレナード・バーンスタイン指揮、
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による。
第1楽章ラルゴは、弦楽器により歌うように奏でられる旋律で始まる。
思い詰めた感じのこの主題は他の楽器に引き継がれ、
変形されながら繰り返されていくが、中間部に入ると、
イングリッシュ・ホルンが物悲しい旋律を奏で、フルートも絡んでいく。
そのあとは弦楽器が中心に主題が展開し、繰り返されていく。
フルート・ソロによるカデンツァ風の部分を経て、
ホルンなどもその中りを繰り返し、最後は穏やかに終わる。
第2楽章アレグロは、クラリネットの奏でる明るい軽快な旋律で始まる。
弦楽器もせわしない感じで旋律を奏でていき、やがて金管楽器が加わり、
躍動的な旋律になり、盛り上がりを見せたところで静まる。
再び木管楽器を中心に活躍する冒頭の旋律の部分となる。
最後はティンパニの音が響く中、爽やかに終わる。
第3楽章プレストは、弦楽器による躍動的な主題で始まり、
ショスタコーヴィッチらしい始まり方である。
もう一つ弦楽器により示される主題は力強い感じである。
二つの主題が典型されながら、ティンパニの音が鳴り響き、
荒々しい感じもみせ、そのあとは木管楽器やヴァイオリン・ソロが活躍し、
再びヴァイオリン・ソロが最初の主題を奏でて、他の楽器が引き継いでいく。
そして、金管楽器が力強い旋律を奏でていき、
ティンパニの音も鳴り響く中、最後力強く終わる。
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ドミトリ・ショスタコーヴィチの交響曲第11番ト短調「1905年」作品103を聴く

2016-04-30 21:59:33 | ショスタコーヴィチの作品
今回取り上げるのはショスタコーヴィチが1957年に作曲した、
交響曲第11番ト短調「1905年」作品103である。
聴いたCDは1967年の録音のエフゲニー・ムラヴィンスキー指揮、
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による。
第1楽章「王宮広場」(アダージョ)は、ハープと弦楽により、
夜明けの情景が描写され、やがてトランペットが鳴り響く。
そのあと冒頭の描写的な部分が繰り返され、展開部に入り、
これらの主題が再現され、最後は静かに終わる。
第2楽章「1月9日」(アレグロ)は、力強い旋律で終わる。
戦争の荒々しさを描写し、フーガ風に展開されていく。
革命の情景がオーケストラにより、描写されていくが、
それは圧倒的な感じで盛り上がりをみせたあと、
第1楽章の冒頭のゆったりとした主題が再現され、
トランペット・ソロが奏でら、これはマーラー風である。
王宮広場で展開された生々しい犠牲者の姿を描写しているようで、
最後はティンパニの音が鳴り響く中、静かに終わる。

第3楽章「永遠の追憶」(アダージョ)は、
低弦のピチカートに始まり、叙情的な旋律が弦楽器により奏でられる。
革命で亡くなった人々の途方に暮れた感じが描写される。
途中から激しく盛り上がるところがあるが、
それは生々しい戦場の様子をを描いているようだ。
第4楽章「警鐘」(アレグロ・ノン・トロッポ)は、
力強く金管楽器により主題が示される。
そのあとは戦争の情景を描写していき、
弦楽器により勇ましい感じの主題も現れる。
激しい場面が終わるとアダージョのゆったりとした部分に入り、
イングリッシュ・ホルンが犠牲者を哀悼する旋律を奏でていく。
そして打楽器の荒々しいリズムと共に、金管楽器が力強く旋律を奏で、
鐘が鳴り響く中、盛り上がったところで終わる。
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ドミトリ・ショスタコーヴィチの交響曲第7番ハ長調「レニングラード」作品60を聴き、西谷から三枚町まで

2016-04-27 07:10:43 | ショスタコーヴィチの作品
昨日は西谷から三枚町まで歩きました。
途中聴いたのはショスタコーヴィチが1941年に作曲した、
交響曲第7番ハ長調「レニングラード」作品60である。
聴いたCDはエフゲニー・スヴェトラーノフ指揮、
ソ連国立管弦楽団の演奏によるもので、1978年のライブ録音である。
第1楽章アレグレットは、力強く堂々とした第一主題で始まる。
これは「人間の主題」とよばれている。
そして、明るい第二主題が弦楽器を中心に奏でられる。
そのあとは行進曲風の「戦争の主題」が奏でられ、
これがラヴェルの「ボレロ」風な手法で展開される。
徐々に楽器を増やしながら、荒々しくなっていくところは、
戦争の厳しい局面を描写しているかのようでもある。
最後再び第一主題が現れる前後の部分が、
テンポをあげていくところが効果的で、
スヴェトラーノフらしく、印象に残るところである。
コーダは「戦争の主題」がかすかに顔を出すことで、
戦争がまだ終わらないことを暗示させ、最後は静かに終わる。

第2楽章モデラート(ポコ・アレグレット)はスケルツォ楽章で、
ヴァイオリンが奏でる軽快な主題で始まる。
オーボエが奏でる優雅な旋律がそれに絡んでいく。
中間部では打楽器や金管楽器により徐々に盛り上がりを見せる。
それが終わると再び冒頭の主題が繰り返されて終わる。
第3楽章アダージョは、木管楽器群を中心としたコラールで始まり、
それが終わると弦楽器が力強く旋律を奏でていく。
木管楽器群のコラールと弦楽器の奏でる旋律は繰り返される。
そのあとフルート・ソロによる美しい旋律が現れ、
他のフルートも絡み合っていき、そのあとは弦楽器が引き継いでいく。
そして、そのあとは躍動的で情熱的な旋律が現れて、
金管楽器も加わり、盛り上がりをみせていき、
勝利に向けた希望に満ちた旋律が奏でられる。
そして、再び冒頭のコラールの旋律が弦楽器で現れ、
弦楽器による力強い旋律も繰り返されて終わる。
第4楽章(アレグロ・ノン・トロッポは、
弦楽器による軽快で力強い旋律で始まる。
徐々に荒々しい感じになり、それは続く戦争を示しているのだろう。
そして、力強く堂々とした旋律も弦楽器で現れ、繰り返される。
そしてあとで中心になる主題が何度も顔を現われ徐々に支配的になり、
それに第一楽章の「人間の主題」が金管楽器により奏でられ、
ティンパニが鳴り響いて、盛り上がりをみせたところで、
最後力強く終わるが、最後の音を伸ばすこのライブ盤はなかなかいい。
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