Mars&Jupiter

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ルイス・ウンベルト・サルガードの交響曲第5番「新ロマン的」を聴く

2022-07-24 20:49:24 | 古典~現代音楽ブラジル・メキシコ以外の中南米編
今回は1903年生まれのルイス・ウンベルト・サルガードが、
1958年に作曲した交響曲第5番「新ロマン的」を取り上げる。
聴いたCDはミヒャエル・マイスナー指揮、
クエンカ交響楽団の演奏である。
第一楽章アレグロ・リソリュートは、低弦の奏でる主題で始まり、
やや重々しい感じの旋律は他の楽器に引き継がれていく。
もう一つの主題は木管楽器で始まる感傷的な旋律である。
展開部で各主題は展開されていき、緊張感のある音楽が進行していく。
再現部は第一主題から始まり、最後は息詰まる緊張感の中で終わる。
第二楽章モデラート・アッサイは、ハープとフルートの伴奏に乗り、
ファゴットの感傷的な旋律で始まり、他の木管楽器に引き継がれていく。
弦楽器もその旋律を引き継いでいき、金管楽器も加わり盛り上がりをみせる。
再びファゴットが旋律を奏で、冒頭と同じ流れになるが、
金管楽器で盛り上がって最後は力強く終わる。

第三楽章アンダンティーノ・モッソは、三部形式で書かれている。
フルートなど木管楽器による旋律で始まる。
その静かな感じは打楽器の音で打ち消され、
そのあとはやや荒々しい舞踏的な感じの旋律が奏でられる。
中間部は低弦の奏でる感傷的な旋律で始まる。
木管楽器も絡み、金管楽器・打楽器も絡んでいく。
そのあとは冒頭の木管楽器群の旋律が現れ、再び荒々しい感じになり、
そのあとは木管楽器が中心になり最後静かに終わる。
第四楽章アレグロ・ドラマティコは、弦楽器の力強い旋律で始まる。
途中で木管楽器中心に旋律を奏でていく部分が現れ、
フルートのカデンツァ風の部分があり、
そのあと弦楽器と木管楽器中心に進行していく。
続いて弦楽器中心に力強い旋律が奏でられていき、
打楽器と金管楽器が加わって盛り上がったところで終わる。

こうして、ルイス・ウンベルト・サルガードの交響曲を、
ブログですべて取り上げて、今回で終わる。
最初聴いた時にこれは交響曲なのかと思いながら、
1曲ずつ改めて聴いてみたが、それぞれ個性的である。
しかも1曲ごとに進化を遂げている感じで、
つかみどころのない感じでもある。
エクアドルの民族音楽やポピュラー音楽の要素が、
この中にいかされているのかとも思うが、
一番聴きやすいのは交響曲第1番かもしれない。
価格としては安いCDの組物であったが、
十分に楽しむことができた。
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ルイス・ウンベルト・サルガードの交響曲第6番「弦楽とティンパニのための」を聴く

2022-07-23 19:33:45 | 古典~現代音楽ブラジル・メキシコ以外の中南米編
今回は1903年生まれのルイス・ウンベルト・サルガードが、
1968年に作曲した交響曲第6番、
「弦楽とティンパニのための」を取り上げる。
聴いたCDはミヒャエル・マイスナー指揮、
クエンカ交響楽団の演奏である。
第一楽章マエストーソ-アレグロ・フェスティーヴォは、
序奏のマエストーソは低弦の響きで重々しく始まる。
そのあと主部アレグロ・フェスティーヴォに入り、
ヴァイオリンが生き生きとした主題を奏でる。
続いてヴァイオリン・ソロで始まる室内楽的で、
内相的なもう一つの主題奏でられるが、
そのなかにも最初の主題がチェロなどの奏でる旋律で現れる。
そして、最初の主題がもう一度現れて繰り返され、
もう一つの旋律も奏でられていき、
ティンパニの音とともに最後盛り上がって終わる。

第二楽章アダージョ・エスプレシーヴォは、
ヴァイオリン・ソロの旋律で始まり、
それが他にも引き継がれ、進行していく。
情熱的に盛り上がる部分もみられるが、
室内楽的な響きで簡素な部分もみられる。
最後は消え入るように静かに終わる。
第三楽章アレグレット・ポコ・モッソは、
軽快で舞踏的な旋律が奏でられて始まる。
ティンパニが弱い音で入るが、
続く部分は室内楽的で簡素な感じである。
冒頭の舞踏的な旋律が再び奏でられ、
ティンパニの音ともに軽快に進み、
最後は盛り上がって終わる。
第四楽章アレグロ・コン・ヴィータは、
軽快で生き生きとした旋律で始まる。
ティンパニも加わり、ダイナミックになる部分と
弦楽器のみで簡素だがリズミックな部分が現れる。
ティンパニの叩く音とともに、
盛り上がりをみせて、最後力強く終わる。
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ルイス・ウンベルト・サルガードの交響曲第3番「ラ-レ-シ-ソ-ミ」を聴く

2022-07-18 21:49:45 | 古典~現代音楽ブラジル・メキシコ以外の中南米編
今回は1903年生まれのルイス・ウンベルト・サルガードが、
1956年に作曲した交響曲第3番「ラ-レ-シ-ソ-ミ」を取り上げる。
副題はロココ様式による(五音音階で書かれた) である。
聴いたCDはミヒャエル・マイスナー指揮、
クエンカ交響楽団の演奏である。
第一楽章レント-アンダンティーノ-アレグロ・コン・アニマは、
ホルンのラ-レ-シ-ソ-ミの音で始まり、
ハープシコードとハープの音が入る。
フルートの奏でるラ-レ-シ-ソ-ミの旋律が続き、
これがこの交響曲の中心的な主題になるが、バロック風である。
ロココ様式の音楽といえば、クープランのクラヴサン音楽なので、
ハープシコードの音や、フルートの音がその雰囲気を表現しているのだろう。
弦楽器は室内楽的な音楽を奏でて主部に入る。
弦楽器による明るく軽快な旋律が奏でられ、
ハープシコードの音も入り、雰囲気を醸し出していくが、
主題となる旋律はとても哀愁を感じさせる音楽である。
鉄琴なども活躍し、フルートも活躍していく。
民謡風の旋律が、バロック風の旋律と絡んでいく感じで、
なかなか面白い音楽であり、独創的である。
最後は盛り上がったところで終わる。

第二楽章サラバンド風のグラーヴェは、
金管楽器の重々しい音で始まり、
それにフルートなど木管楽器の軽やかな音が呼応する。
そのあとは弦楽器が中心となり、叙情的な旋律を奏でていく。
フルートがラ-レ-シ-ソ-ミの旋律をロココ風に奏でていく。
弦楽器がそれを支え、金管楽器が盛り上げる。
そして冒頭の音楽を金管楽器が再び奏で、
そのあとの音楽も軽やかな音楽も同じように奏でられ、
この部分が繰り返されていき、最後は静かに終わる。
第三楽章アレグレット・グラツィオーソ・アラ・ブーレは、
軽快で明るいラ-レ-シ-ソ-ミの旋律が奏でられていく。
ここでもフルートなど木管楽器がロココ風の音楽を醸し出している。
中間部はそのあとは弦楽器中心に旋律を奏でていく。
金管楽器が加わり、盛り上がりを見せる部分もあるが、
再び弦楽器が冒頭の明るく軽快な旋律を奏でて、
最後は弦楽器とハープシコードでクレシェンドして終わる。
第四楽章フィナーレ:アレグロ・ジウス(ジーグ風フーガ)は、
ヴァイオリン・ソロが前楽章のラ-レ-シ-ソ-ミの旋律を奏で、
他の弦楽器とフルートが絡んでフーガ風の音楽を展開していく。
徐々に金管楽器も加わりながら、盛り上がりをみせる。
ハープの短くも美しいカデンツァ風の部分があって、
その後打楽器のリズムが刻まれ、主題が様々な楽器で奏でていき、
それからチェロなど弦楽器が主題を奏でて、木管楽器が絡み、
金管楽器が加わり、盛り上がったところで最後終わる。
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ルイス・ウンベルト・サルガードの交響曲第8番を聴く

2022-07-17 14:12:37 | 古典~現代音楽ブラジル・メキシコ以外の中南米編
今回は1903年生まれのルイス・ウンベルト・サルガードが、
1972年に作曲した交響曲第8番を取り上げる。
この作品はピチンチャの戦いの150周年を祈念して作曲された。
この戦いはシモン=ボリバルがエクアドル解放実現のために、
南下を続けキトに向かっていた時期、
腹心の指揮官スクレがピチンチャ山麓で、
1822年スペイン軍を撃破した有名な戦いである。
聴いたCDはミヒャエル・マイスナー指揮、
クエンカ交響楽団の演奏である。
第一楽章アダージョ-アレグロ・コン・ブリオは、
序奏はハープのあとバスーンが奏でる主題を、
弦楽器が引き継いでいき、金管楽器や木管楽器も加わり、
何回も繰り返したあと主部のアレグロ・コン・ブリオに入る。
トランペットが軽快な主題を奏で、それを弦楽器が引き継いでいく。
さらに木管楽器も繰り返していき、親しみやすい民謡風の旋律である。
軍隊が山麓を登っていくような風景を感じさせる音楽である。
冒頭の主題も再び現れ、この二つの主題を中心に展開し、
戦闘を思わせるような盛り上がりをみせて終わる。
第二楽章グラーヴェは、やや荒々しい感じで始まる。
チェレスタと鉄琴などの音を効果的に使いながら、
戦闘の現実の厳しさを思わせるような音楽である。
金管楽器と弦楽器が交互に呼応しながら、
シリアスな感じが続き、最後は静かに終わる。
第三楽章マエストーソ-アレグレット・コン・アニマは、
三部形式による楽章で、冒頭大音響の不協和音で始まる。
そのあとは舞踏的な旋律が弦楽器と木管楽器で奏でられていく。
中間部は独奏ヴァイオリンとトランペットなどで室内楽風になり、
再び舞踏的な旋律が弦楽器により奏でられ、
激しい戦闘を思わせるように打楽器と金管楽器で盛り上がって終わる。
第四楽章フィナーレ:アレグロ・コン・ヴィータは、
オーボエなど木管楽器が奏でる軽快な旋律で始まり、
弦楽器がそれを引き継いで、速い行進曲風の旋律が繰り返され、
最後は輝かしい勝利を思わせるように、盛り上がって終わる。
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ルイス・ウンベルト・サルガードの交響曲第4番「エクアドル」を聴く

2022-07-16 18:30:35 | 古典~現代音楽ブラジル・メキシコ以外の中南米編
今回は1903年生まれのルイス・ウンベルト・サルガードが、
1957年に作曲した交響曲第4番「エクアドル」を取り上げる。
聴いたCDはミヒャエル・マイスナー指揮、
クエンカ交響楽団の演奏である。
第一楽章アンダンティーノ・マエストーソ-
アレグロ・コン・ヴィータは、
打楽器と金管楽器による強烈な音の繰り返しで始まる。
そのあとヴァイオリンの独奏が入り、
主部に入り、弦楽器中心に民謡風の旋律が奏でられる。
交響曲第1番にもあったエクアドルの伝統的な踊り、
サンファニートのリズムに基づいているようだ。
この主題はとても親しみやすい旋律で、何度も繰り返される。
中間で冒頭の部分が繰り返され、そのあとは主題が、
自由な形で展開されていき、このあたりの展開技法も興味深い。
そして主題が全体で奏でられて、最後盛り上がって終わる。
第二楽章アンダンテ・カンタービレは、
弦楽器のオスティナートの上で、
クラリネットが歌うような旋律を奏でる。
そのあとに現れるもう一つの旋律も、
アンデスの伝承曲に基づいているようだ。
悲しげな旋律がとても印象的である。
ハープのカデンツァ風の部分を経て、
弦楽器中心に旋律が繰り返され、
木管楽器がそれを受け継いでいく。
最後は弦楽器中心に静かに終わる。

第三楽章アレグロ・フェスティヴォは、三部形式である。
金管楽器が奏でる旋律を弦楽器が引き継いでいく。
舞踏風の旋律は金管楽器も加わり力強く奏でられていく。
中間部は金管楽器中心に旋律が奏でられていく。
冒頭部分の舞踏的な旋律が弦楽器により再び奏でられ、
最後は金管楽器も加わり盛り上がって終わる。
第四楽章フィナーレ・ラプソディーコは、
管弦楽全体で旋律が奏でられたあと、ハープが入り、
そのあと弦楽器を中心に力強い旋律が奏でられる。
この旋律は第二楽章で出てきた旋律がもとになっている。
とても民族色強い音楽であり、タイトルどおりなのだろう。
金管楽器も加わり、徐々に盛り上がりをみせていき、
クレシェンドしていき、最後力強く終わる。
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