Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

ユン・イサン(尹伊桑)の交響曲第3番を聴きながら、西谷から三枚町まで歩く

2011-03-31 23:07:25 | 古典~現代音楽その他の地域編
昨日は、西谷駅から三枚町まで歩きました。
途中聴いたのは、1917年生まれの韓国の作曲家ユン・イサン(尹伊桑)の作品。
交響曲第3番は、1985年に作曲された一楽章制の作品で、
哲学的な内容を持ち、急緩急の三つの部分から成っている。
ベルリン芸術週間の委嘱を受け、1985年9月26日チョン・ミュンフン指揮、
ザールブリュッケン放送交響楽団により初演されたが、今回聴いたCDの演奏は、
浮ヶ谷孝夫指揮、ポメラニア・フィルハーモニー管弦楽団によるものである。
ここでは弦楽器が天を、打楽器と金管楽器が大地を、
木管楽器は人を象徴しているようである。
最初の部分は低弦の重々しい音で始まり、その上でヴァイオリンが旋律を奏で、
やがて金管楽器と木管楽器が入り激しく盛り上がったあと静まり、
最初の旋律が繰り返され、再び金管楽器と打楽器が入り荒々しくなる。
これを繰り返しながら、曲は進行していき、静と動を繰り返していく。
それは道(タオ)の世界を表現しているようでもあり、
やがてハープやグロッケンシュピールが入り神秘的な感じになり、
弦楽器の上でフルートやオーボエなど木管楽器が絡んでいく。
再び金管楽器と打楽器が入り荒々しい音楽となり、
盛り上がりをみせたあと静まり、オーボエなど木管楽器が入り旋律を奏し、
弦楽器が美しい旋律を奏でて絡んでいく中間部のゆったりとした部分となる。
時々管楽器が絡みながら、幻想的な世界を創り出していく。
この部分は東洋的で美しい部分であり、これが終わると速い最後の部分に入る。
打楽器と金管楽器が暴れるように荒々しい音楽を奏でていき、
それが盛り上がったあといったん静まり弦楽器中心とした部分となるが、
再び打楽器と金管楽器による力強く荒々しい部分となり、
盛り上がりをみせたあと弦楽器が弱々しく奏したあと、
木管楽器が絡み、金管楽器も加わるが、再び弦楽器が中心となり、
木管楽器がそれに絡みながら、最後は神秘的な雰囲気の中、静かに終わる。
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アフメト・アドナン・サイグンの交響曲第5番作品70を聴きながら、三枚町から西谷まで歩く

2011-03-30 07:56:29 | 古典~現代音楽その他の地域編
ドイツの古書店から注文していた本が届いた。
カルテンシュタドラーがハーバーフェルトトライベンについて書いたもので、
1971年に出版されたものであるが、日本には早稲田大学の図書館にしかない。
本の状態はそんなによくはないのだが、研究のためには置いておきたいものなので、
急いで買ったのだが、思ったよりも早くドイツから届いた。
夏中心にこの本で以前読みきれなかった部分を読もう。
それを読んで整理することが今年の私の目標である。

昨日は、三枚町から西谷駅まで歩きました。
途中聴いたのは、1907年生まれのトルコの作曲家サイグンの作品。
サイグンはオスマン帝国時代のイズミルに生まれた。
高校時代から家庭教師を通じ音楽を学び、
1928年21歳の時に、パリに渡り、3年間作曲などを学んだ。
ユージン・バレルに師事し、スコラ・カントゥルムで作曲をダンディに学んだ。
トルコ共和国となった祖国に帰国後は、作曲だけでなく教育活動にも従事した。
ロシアの5人組になぞえていわれるトルコの5人組の一人とされている、
交響曲第5番作品70は、CDの解説によると1984年9月20日に作曲が完成した。
(一般的には1985年となっているが、これは出版年かはわからない。)
聴いたCDはアリ・ラシライネンの指揮、
ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団の演奏のものである。
第一楽章モデラート-アレグロは、序奏にあたるモデラートから始まる。
冒頭のホルンが一音を長く伸ばし、他の金管楽器が加わり盛り上がる。
それが終わるとフルートや弦楽器が激しい音型を奏で、
いったんそれが終わったあと同じように今度は弦楽器が長い一音を奏し、
再びその音を中心に盛り上がったあと、ホルンが旋律を奏で、
オーケストラ全体で盛り上がったあと、主題が示されるアレグロの部分に入る。
速く軽快に奏される旋律と重々しい感じの旋律が奏され、
打楽器の叩くリズムの中、金管楽器が荒々しく奏し、
それはショスタコーヴィチを思わせる感じでもある。
最後は長く伸ばす一音を金管楽器が奏す中、そのまま第二楽章に入る。

第二楽章ヴィーヴォは、スケルツォ楽章である。
木管楽器が活躍し、軽快に旋律を奏でていく。
やがて、金管楽器と弦楽器も加わり、打楽器も入り荒々しくなる。
それが終わると再び木管楽器中心となるが、
再び打楽器・金管楽器が加わり、盛り上がりを見せ、
いったん静まったあと金管楽器が加わって盛り上がり、最後静かに終わる。
第三楽章トランクィロは、緩徐楽章にあたる。
木管楽器がゆったりとした旋律を奏で絡み合い、弦楽器もそれに加わる。
叙情的な部分もみられ、打楽器など加わりドラマティックに展開する。
グロッケンシュピールなど加わり神秘的な部分も見せながら、
ホルンが鳴り響き、ファゴットがそれに呼応し、
弦楽器が長く伸ばす一音の中、消え入るようにして終わる。
第四楽章アレグロは、一撃のような激しい音楽が金管楽器により奏され、
木管楽器群がせわしいような旋律を奏で、それに金管楽器が絡んでいく。
激しい打楽器のリズムの中、金管楽器が堂々とした旋律を歌うように奏でる。
木管楽器群が再び活躍し、徐々に行進曲風のリズムが打楽器によって叩かれ、
金管楽器が加わり緊迫した音楽となり、クライマックスを築いたあと、
ホルンなどが長く伸ばす音を弱く奏して最後は静かに終わる。
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カムラン・インスの交響曲第3番「ウィーン包囲」を聴きながら、藤沢本町から亀井野あたりまで歩く

2011-03-29 06:12:30 | 古典~現代音楽その他の地域編
昨日は、藤沢本町から亀井野あたりまで歩きました。
途中聴いたのは、1960年生まれのトルコの作曲家インスの作品。
今回からその他の地域編に入ろうとと思う。
カムラン・インスはアメリカ人とトルコ人の両親を持ち、
モンタナ州で生まれたが、6歳の頃にトルコに移住した。
アンカラ音楽院に入り、チェロとピアノを学び、
のちイズミル大学でムアンメル・スンに作曲法を師事した。
1978年にはアメリカに戻り、オべリン大学に在籍した。
イーストマン音楽学校でも学び、その後ミシガン大学に教授として迎え入れられ、
教育活動に精力を注ぎ、イスタンブルでも活躍している。
交響曲第3番「ウィーン包囲」は、1994年9月から1995年3月の間に作曲された。
聴いたCDはカムラン・インス指揮、プラハ交響楽団の演奏のものである。
曲は導入にあたる「長い行進」は、重々しい感じで始まる。
打楽器と金管楽器により悲痛な感じの旋律が奏されていく。
いったん盛り上がりをみせた音楽は、おさまったあとも冒頭の旋律を繰り返す。
1683年の第二次ウィーン包囲を描いているようで、金管楽器が最後荒々しく吹く。
第二楽章にあたる「占領下に置かれた町」「壁の戦い」は、
最初緊迫感のある音楽が弦楽器により奏されて、そのあと金管楽器が活躍し、
打楽器のリズムに乗り舞曲風の荒々しい音楽となり、
それは東洋的であり。トルコの戦闘の音楽の旋律を使っているようだ。
続く「壁の戦い」では一定の音型が繰り返しユニゾンで繰り返される。
そしてそのあとは速いテンポになり戦いの情景が描写されていく。
打楽器が激しいリズムを叩き、1683年夏のオスマン帝国による攻撃を描写する。

第三楽章にあたる「忘れられた魂」は、弦楽器の長く伸ばす音の上に、
何度も一定の音型による旋律が繰り返され、その後の虚無感を思わせる。
途中から盛り上がりをみせて情熱的な音楽にいったんなるが、
そのあとは金管楽器が優しい旋律を奏で、弦楽器が悲痛な旋律を奏でていく。
終わりのところで打楽器が鳴り、次の楽章にそのまま続いていく。
第四楽章にあたる「叫び」「最後の攻撃」「勝利の町」は、
サクソフォンと木管楽器がこだまのように一定の旋律を繰り返す。
この短い「祈り」の部分が終わると打楽器が鳴り響き「最後の攻撃」の部分に入る。
軽快な旋律が繰り返され、行進曲風に打楽器がリズムを叩き、
「勝利の町」に入り、一定の音型が金管楽器によりユニゾンで繰り返され、
一方の金管楽器がそのユニゾンに呼応するのを繰り返し、次のフィナーレに続く。
フィナーレにあたる「大撤退」は、上昇する一定の音型が、
金管楽器によりユニゾンで繰り返され、弦楽器が別の旋律を絡ませていく。
いったん静まったあとも上昇する一定の音型が弱々しく繰り返され、
最後は弦楽器のみが旋律を奏し、そのあと打楽器と金管楽器が荒々しい二音を奏し、
その二音が繰り返される中、徐々に音が静かになり、大撤退の様子が描写される。
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スティーヴ・ライヒの「手拍子の音楽(Clapping Music)」を聴く

2011-03-28 06:50:18 | 古典~現代音楽北アメリカ編
昨日は、朝からホームページの更新作業とともに、
チラシ(フライヤー)折りの作業で忙しく、ウォーキングは休みました。
今回とりあげるのは、1936年生まれのスティーヴ・ライヒの作品。
今回のライヒの音楽の紹介で北アメリカ編は終わりにしたいと思う。
「手拍子の音楽(Clapping Music)」は、1972年に作曲された。
手拍子で音楽を作るというアイデアは斬新な感じがするが、
それを使って彼独自の音楽世界を作り出すのだからすごいものである。
聴いたCDはスティーヴ・ライヒとラッセル・ハーテンベルガーが、
手拍子をしている(演奏という言い方がしにくいものである)。
双方が手拍子をしつつげ、一定のリズムを刻んでいく短い曲で、
ミニマル・ミュージックらしく、それぞれが違うリズムの形を打ち、
変化していく中で、時には一致をみせ、
最後は双方のリズムが同じ形になって終わる。
それにしても4分以上手拍子で一定のリズムを刻むことが、
何といっても難しいことだろうなと思うのである。

なお、今回までとりあげた北アメリカ編のCD等の情報は、
以下のアドレスの各分野のところで赤字NEWで示してあります。
http://www1.ocn.ne.jp/~bocchi07/ongaku-kenkyu.html
参考にしていただければ幸いです。
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エルネスト・ブロッホの「モーダル(旋法の)組曲」を聴きながら、二俣川から鶴ヶ峰まで歩く

2011-03-27 12:00:20 | 古典~現代音楽北アメリカ編
昨日は、二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
途中聴いたのは、1880年生まれのブロッホの作品。
「モーダル(旋法の)組曲」は、1956年に作曲された。
アメリカのフルート奏者エレーン・シェッファーのために書かれたもので、
そもそもはフルートとピアノのために作曲された4つの曲から成る作品だが、
1959年フルートと弦楽オーケストラのための作品として編曲された。
聴いたCDはアレクサ・スティルのフルート、
ニコラス・ブライスワイト指揮、ニュージーランド室内管弦楽団の演奏による。
第1曲モデラートは、独奏フルートの東洋的な美しい旋律で始まる。
弦楽器もその旋律を受けつぎ、その後フルート中心に曲は進行し、
弦楽器がやさしくそれをサポートし、最後静かに終わる。
第2曲リステッソ・テンポ(同じ速さで)は、
弦楽器の旋律を引き継ぎ、独奏フルートが主題を奏でていく。
流れるような叙情的な旋律が美しく、最後はおだやかに終わる。
第3曲アレグロ・ジョコーソ(陽気に)は軽快な曲で、
民謡風で舞曲風の旋律が独奏フルートにより奏されていく。
中間部はやや感傷的な旋律が奏でられ、再び冒頭の旋律が奏されて終わる。
第4曲アダージョ-アレグロ・デチーゾ(決然と)は、
弦楽器の伴奏の上で、独奏フルートがゆったりと旋律を奏で、
第1曲の東洋的な部分も顔を出し、独奏フルートは軽快に旋律を奏でていく。
バロック風の旋律が現れつつ、他の楽章の主題が登場しながら、
最後は独奏フルートの伸ばす音と弦楽器が響きながら幻想的に終わる。
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