Mars&Jupiter

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ヘンク・バーディングスの交響曲第14番「フランドル」を聴く

2022-03-21 07:31:46 | 古典~現代音楽ベネルクス三国編
今回取り上げるのは1905年生まれのオランダの作曲家、
ヘンク・バーディングスが1868年に作曲した「交響的三部作」で、
これは1968年のフランドル音楽祭のために作曲された作品で、
この作品のスケッチに彼自身の手で、
交響曲第14番「フランドル」と書いている。
作品はこの年の9月1日に音楽祭で初演されている。
聴いたCDの演奏はダーヴィッド・ポルセライン指揮、
ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団のものである。
第一部レントはティンパニの弱い音で始まり、
低弦のピチカートが入り、金管楽器の不気味な音が入る。
空虚な感じの音の響きと無機的な音の連続、
それらが不思議な音の色彩感を作っている。
最後はティンパニの弱くたたく音の中で終わる。
第二部アレグロ・モデラートは、弦楽器のピチカートで始まる。
その音にパーカッションの音が混ざりあっていく。
金管楽器や木管楽器の音も重なっていくが、
それは旋律ではなく、音そのものがぶつかり合う感じだ。
フルートなど木管楽器が絡んでいくところもあるが、
何か求めていうよりはあてのない感じであり、
金管楽器の荒々しい音に中断されながらも、
繰り返され、やがては融合し、最後は静かに終わる。
第三部グラーヴェは、弦楽器のゆらぐような音型で始まり、
ヴィブラフォンの音がそれに重ねられていく。
そのあと弦楽器によって旋律が現れるが、
それは何となくバルトーク風な感じを受ける。
やがて弦楽器のみとなり冒頭のゆらぐ音型が繰り返され静かに終わる。
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ヘンク・バーディングスの交響曲第3番を聴く

2022-03-20 12:06:44 | 古典~現代音楽ベネルクス三国編
今回取り上げるのは1905年生まれのオランダの作曲家、
ヘンク・バーディングスが1934年に作曲した交響曲第3番である。
聴いたCDの演奏はダーヴィッド・ポルセライン指揮、
ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団のものである。
作品はメンゲルベルクに献呈されており、
初演は1935年5月2日にメンゲルベルクの指揮で行われている。
その後カール・ベームの指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団でも演奏され
彼の交響曲の中では演奏の機会が多かった作品となっている。
第一楽章アレグロはソナタ形式で書かれ、金管楽器が鳴り響く中で始まる。
緊迫感のある激しく荒々しい旋律であり、
そのあとの旋律は対照的に穏やか感じであるが、
再び荒々しくなり、展開部においてもその不安と緊張感は保たれていく。
1934年ヨーロッパのドイツではナチ党による血の粛清や、
ヒンデンブルク大統領の死などがあり、
そのような世相を音楽は反映しているかのかもしれない。
激しく荒々しい部分と静かであるが不安な部分が交互に現れ最後静かに終わる。
第二楽章スケルツォは、激しい音のあと弦楽器中心にフーガ風に展開される。
打楽器や木管楽器も加わり、激しさや落ち着かない感じが続き、
前楽章のような要素は引き継がれていき、金管楽器が鳴り響き、
弦楽器の旋律も打楽器や金管楽器にさえぎられたりし、最後は静かに終わる。
第三楽章アンダンテは、弦楽器の重々しい旋律で始まる。
沈鬱な感じであり、静寂な中でも何か訴えかけるものがある。
第四楽章アレグロ・アッサイは、ホルンの吹奏で始まるが、
弦楽器と金管楽器で勇ましい感じの旋律が奏でられる。
最後は金管楽器中心に盛り上がり最後不穏なまま突然終わる。
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ギョーム・ルクーの「アンジェ地方の民謡による幻想曲」を聴く

2017-05-30 06:41:07 | 古典~現代音楽ベネルクス三国編
今回取り上げるのは、1870年生まれのギョーム・ルクーが、
1892年に作曲した「アンジェ地方の民謡による幻想曲」である。
ギョーム・ルクーはベルギー生まれで、
パリ音楽院でフランクやダンディに学んだ。
24歳の若さで腸チフスにかかって亡くなった夭折の作曲家である。
今回聴いたCDは、アルミン・ジョルダン指揮、
モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による。
軽快な木管楽器の旋律で始まり、
金管楽器その旋律を引き継いで盛り上げていく華やかな曲である。
弦楽器にみられるフーガ風の部分はフランクからの影響を感じる。
そしてフルートなど木管楽器による牧歌的な旋律が現れる。
そのあと最初の主題をもとに金管楽器と打楽器で盛り上げていき、
ワグナー風のロマンティックで耽美的な音楽になっていく。
その盛り上がりが終わった後は牧歌的な音楽になり、
弦楽器を中心に穏やかな感じになり、低弦が旋律を奏で、
最後はティンパニの音が鈍く鳴り響き、消え入るような感じで終わる。
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ヘンク・バーディングスの交響曲第10番を聴く、そして三ツ境から二俣川まで歩く

2015-04-28 21:14:12 | 古典~現代音楽ベネルクス三国編
昨日は三ツ境から二俣川まで歩きました。
今回取り上げるのは1905年生まれのオランダの作曲家の、
バーディングスが1961年に作曲した交響曲第10番である。
インドネシアのバンドンで生まれた彼は、
デルフト大学で鉱山技師兼古生物学者として勤務し、
その間独学で作曲を学び、その後は作曲家として活動した。
シュトゥットガルト音楽大学などで教えたこともあったようだ。
今回聴いたCDはダーヴィッド・ポルセライン指揮、
ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による。
第一楽章アレグロは、低弦の音で重々しく始まり、
ヴァイオリンが行進曲風の第一楽章を奏でていく。
木管楽器・金管楽器がこれに絡んでいき、
やがて盛り上がりをみせたあとで静まり、
オーボエが悲しげな第二主題を奏でていく。
それが終わると展開部に入り、第一主題が変形される。
最後は金管楽器を中心に盛り上がったところで終わる。
第二楽章プレストは、弦楽器が奏でる旋律が、
フーガ風に展開され、打楽器や木管楽器がこれに絡んでいく。
幻想的に展開されて、あっという間に終わる。
第三楽章アダージョは、チェロが奏でる重々しい旋律で始まる。
徐々に盛り上がりをみせたあと、いったん静まり、
ヴァイオリン独奏中心に幻想的な感じになり、
ティンパニが弱く響く中、最後静かに終わる。
第四楽章アレグロ・モルトは、一撃の音のあと、
木管楽器が軽快で生き生きとした旋律を奏でて始まる。
その主題を繰り返しながら、盛り上がりをみせていく。
いったん静まり、木管楽器中心にゆったりとした旋律を奏で、
再び最初の旋律が弦楽器と金管楽器により奏でられ、
盛り上がったところで、最後力強く終わる。
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