Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

アントン・ブルックナーの交響曲第8番ハ短調WAB108を聴く

2016-02-19 06:38:44 | アントン・ブルックナーの作品
昨日はミューザ川崎シンフォニーホールに行き、
ブルックナーの交響曲第8番ハ短調WAB108を聴きに行ったので、
この2月18日の演奏会についての感想を簡単に述べたい。
聴いたCDはダニエル・バレンボイム指揮、
シュターツカペレ・ベルリン(ベルリン国立歌劇場管弦楽団の演奏による。
第一楽章アレグロ・モデラートは、ゆったりとしたテンポで始まった。
金管楽器の鳴り響くところにワグナー指揮者としてのキャリアが、
活かされている感じがして、各楽器の鳴らし方が素晴らしかった。
第二楽章スケルツォ:アレグロ・モデラートは、三部形式である。
冒頭のスケルツォがしっかりとダイナミックに力強く示されて、
中間部のトリオもホルンの吹奏などが自然な感じで美しかった。
第三楽章アダージョ:「荘厳にゆっくりと、しかしおそすぎずに」は、
この演奏会の中で、とても感動的な楽章であった。
思いっきり歌わせるようにチェロの音を引き立たせて、
ドラマティックに盛り上がりの部分や全休止の無音の美しい部分が作り出され、
この今日の演奏会が最後まで名演に終わることをここで予感させた。
第四楽章フィナーレ:「荘厳に、速くなく」は、ソナタ形式である。
輪郭のはっきりした演奏で、金管楽器の音がしっかり聴こえて、
ダイナミックで力強い第一主題が示されていくが、
弦楽器で示される第二主題はしなやかな感じの演奏である。
木管楽器がしっかり聴こえ、要所要所でティンパニが力強く鳴り響き、
最後のコーダの盛り上がりも素晴らしかったが、
終わったところでオーケストラの音が揃って消えるところもよかった。
以前、ヤルヴィ指揮のフランクフルト放送交響楽団を聴いたが、
オーケストラの音が揃っているところや金管楽器群の音の充実さや技術の確かさ、
第三楽章をあれほどドラマティックに、そして乱れもなく指揮者が音を統率したこと、
第四楽章の推進力とダイナミックな音作りなど素晴らしい部分が多かった。。
それを考えるとあの時の演奏会よりも今回の演奏会の方が素晴らしく感じた。
あの金管楽器の鳴り方をみると、さぞかし交響曲第5番も名演だったろうなと想像させる。
バレボイムのブルックナー演奏の素晴らしさと、
それを裏付けるキャリアの長さを再認識させる演奏会であった。
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アントン・ブルックナーの交響曲第9番ニ長調WAB109を聴きながら、三枚町から西谷まで歩く

2016-02-05 21:58:03 | アントン・ブルックナーの作品
今回でブルックナー編は終わりにしたいと思います。
今日は久しぶりに三枚町から西谷駅まで歩きました。
途中聴いたのは1824年生まれのブルックナーが、
1894年に作曲した交響曲第9番ニ長調WAB109である。
聴いたCDはヘルベルト・ケーゲル指揮、
ライプチヒ放送交響楽団の演奏による。
第一楽章「荘重に、神秘的に」は弦のトレモロによって始まり、
ホルンの吹奏が加わり、孤高な世界を感じさせる音楽となる。
その後盛りあがり、主部に入って力強い第一主題が強奏で現れる。
第二主題は対照的に優しい感じの旋律がヴァイオリンに現れ、
もう一つの主題は牧歌的な感じの旋律である。
展開部に入ってからの展開はドラマティックであり、
盛り上がりと静寂さが繰り返されていく。
ケーゲル盤は金管楽器が鳴り響くところの乱れと素朴さがあっていい。
テンポが急に早まり、オーケストラの楽器がついてないところもみられるが、
行き詰る最後のところまで一気に聴かせるところもなかなかいい。

第二楽章スケルツォ(速く、いきいきと)は、三部形式である。
精神の狂乱ともいえるような不気味なスケルツォ主題が奏でられる。
軽快なテンポで進んで、打楽器と金管楽器の活躍がいい。。
中間のトリオは回想的な感じの旋律である。
再び冒頭のスケルツォ主題が登場し、勢いよく終わる。
第三楽章アダージョ(遅く、荘重に)は、ゆったりしたテンポで始まり、
金管楽器が奏でる旋律は、大自然を感じさせる音楽である。
比較的速いテンポで進められていき、
最後ホルンが鳴り響いて静かに終わる。
ケーゲル盤は音楽を忠実に表現しようとしている感じを受け、
いい演奏であると思うし、緊張感もあってとてもいい。

今回でアントン・ブルックナー編を終わりにしたいと思います。
なお、今回までとりあげたブルックナー編のCD等の情報は、
以下のアドレスの各分野のところで赤字NEWで示してあります。
http://userweb.pep.ne.jp/okubocchi07_treiben/composer_home.html
参考にしていただければ幸いです。
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アントン・ブルックナーの交響曲第4番変ホ長調WAB104(第1稿、ノヴァーク版)を聴く

2016-02-04 21:59:26 | アントン・ブルックナーの作品
今回取り上げるのは1824年生まれのブルックナーが、
1874年に作曲した交響曲第4番変ホ長調WAB104であり,
第1稿によるノヴァーク版である。
聴いたCDはデニス・ラッセル・デイヴィス指揮、
リンツ・ブルックナー管弦楽団の演奏による。
第一楽章アレグロは、弦楽器による幻想的なトレモロに乗り、
ホルン・ソロがゆっくりと動機を奏でて始まるが、
第1稿だからか、普段聴くものとは違うので、
驚くところもあれば、新鮮に聴こえる部分もある。
全体的に金管楽器が鳴り響くところは抑えられて、
木管楽器や弦楽器がそれを補い、自然な感じもするが、
一方で聴き慣れた耳で聴くと物足りなさも感じる。
最後の終わり方もホルンの吹奏がなく物足りないのだが、
とはいえ、これはこれでありかなと思えば面白い。

第二楽章アンダンテ・クワジ・アレグレットは、
最初から速いテンポで始まり、よく聴く版とは違い面白い。
弦楽器が奏でる旋律もそっけない感じであり、軽快に流れていく。
チェロが歌うように奏でる主題は一般的に聴く版と同じであるが、
ところどころの細部が違っており、その違いが聴いていて面白い。
途中からはゆったりとしたテンポに変わり、
最後の方で盛り上がった後、静かに終わる。
第三楽章「非常に速く」は、他の版と著しく違う部分である。
ホルンが奏でる哀愁を帯びた旋律が印象的である。
のどかな感じの中間部を経て、再び最初の主題が繰り返されて終わる。
第四楽章フィナーレ(アレグロ・モデラート)は、
三つの音による動機を繰り返し、金管楽器中心に活躍していく。
全楽器のユニゾンで力強く奏される主題を中心に展開し、
最後は、金管楽器とティンパニで盛り上がって終わる。
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アントン・ブルックナーの「われを救い給え」WAB22を聴く

2016-02-03 06:44:03 | アントン・ブルックナーの作品
今回取り上げるのは1824年生まれのブルックナーが、
1854年に作曲した「われを救い給え」WAB22である。
聴いたCDはミハエル・クリストフリート・ヴィンクラーのオルガン、
ハンス・ケストナー、ハンス・ホンブシュのトロンボーン、
マルティン・フレーミヒ指揮、ドレスデン十字架合唱団の演奏による。
司祭ミヒャエル・アルネスの葬儀に際して演奏された曲で、
悲しみに満ちた合唱で始まり、それにトロンボーンが絡む。
壮麗な感じの曲であり、最後は穏やかに終わる。
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アントン・ブルックナーの交響曲第2番ハ短調WAB102を聴く

2016-02-02 21:59:58 | アントン・ブルックナーの作品
ここのところ忙しすぎてブログを書く余裕はなかったのですが、
ようやく書く余裕が生まれたので再開です。
今回取り上げるのは1824年生まれのブルックナーが、
1871年頃に作曲した交響曲第2番ハ短調WAB102である。
聴いたCDはホルスト・シュタイン指揮、
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による。
第一楽章アレグロは、ソナタ形式で書かれているが、
流れるような弦楽器の第一主題に始まる。
そしてチェロが歌うように奏でる第二主題、
木管楽器が奏でるのどかな感じの第三主題と続く。
そしてホルンの吹奏が奏でられたあと、
展開部に入り第一主題、第三主題、第二主題の順に展開されていく。
金管楽器が鳴り響き、ブルックナーらしさがみられる。
その後再現部に入り、それぞれの主題が現れて、
オーボエのソロのあと、最後のコーダに入り、
弦楽器と金管楽器中心に盛り上がって最後堂々と終わる。
シュタイン盤は自然な感じを思わせてとてもいい。

第ニ楽章アダージョ(荘重に、いくらか動きをもって)は、
弦楽器中心にのどかでゆったりとした美しい第一主題を奏でていく。
ホルンが第二主題を奏でて、ミサ曲からの動機を挟んでいく。
金管楽器と弦楽器を中心に盛り上がっていくところが印象的である。
牧歌的な雰囲気を漂わせるところがとてもよく、
最後のホルンの吹奏の中、消えるように終わる。
第三楽章スケルツォ(急速に)は荒々しい主題で始まる。
トリオは対照的に穏やかで牧歌的である。
再びスケルツォの荒々しい主題が繰り返されて、
金管楽器とティンパニの音で華々しく終わる。
第四楽章フィナーレ(ずっと速く)は、ソナタ形式で書かれ、
金管楽器を伴った力強く堂々とした第一主題が奏でられる。
第二主題は弦楽器を中心とした牧歌的な旋律である。
もう一つは第一主題を発展させた第三主題である。
そのあとミサ曲へ短調の動機が現れて、展開部に入る。
各主題が展開されたあと、第一主題が登場する再現部に入り、
金管楽器を中心に盛り上がったあと、穏やかな感じになり、
最後のコーダで弦楽器と金管楽器を中心に盛り上がっていき、
第一楽章の第一主題が現れて最後は盛り上がって、最後は力強く終わる。
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