Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

レポ・スメラの交響曲第3番を聴く

2022-12-11 09:28:04 | 古典~現代音楽バルト3国編
12月に入ったのでそろそろクリスマスに関する音楽を
ということではあるが、その前に1曲だけ触れておく。
今回とりあげるのは1950年エストニア生まれの作曲家、
レポ・スメラが1988年に作曲した交響曲第3番である。
CDの演奏はパーヴォ・ヤルヴィ指揮、マルメ交響楽団のものである。
第一楽章アレグロ・マ・ノン・アッフェットゥオーソは、
2つの金管楽器群が呼応するように一音を交互に響かせ、
その間をパーカッション群が荒々しくリズムを刻んでいく。
この繰り返しが続き、盛り上がって静まると、
鐘の音のあと2つの金管楽器が再び一音を交互に響かせて終わる。
アッフェットゥオーソとは「愛情をこめて」という意味である。

第二楽章カルモ(穏やかに)は、ヴィブラフォンの音で始まり、
やがてフルートやピアノの音も入る。
やがて同じ音型を繰り返し、変化させたりして、
ミニマル音楽的な部分もみせていく。
弦楽器がゆったりとした旋律を奏でていき、
やがて、金管楽器と打楽器がそれに加わり、
混沌とした感じにもなり、鐘の音で終わる。
第三楽章アダージョ-アニマートは、
まさにライヒなどを思わせるようなミニマル音楽的な始まりで、
いきいきとした音型が弦楽器や打楽器中心に繰り返され、
金管楽器や木管楽器も絡んでリズミックで躍動的である。
最後は金管楽器の音が鳴り響いていく中で終わる。
第四楽章ラルゲット、クワジ・センツァ・メトルムは、
フルートの繰り返す静寂な感じの音型で始まり、
ハープの音も加わり、幻想的な部分を感じさせる。
やがて弦楽器の音が静かに入り、
金管楽器の音も弱く入ってくる。
一楽章のように金管楽器の長く伸ばす音が、
他の楽器にも出て、動きのある音は少ない。
ピアノが繰り返す音型が続く中で最後静かに終わる。
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エリッキ=スヴェン・トゥールの交響曲第2番を聴く

2022-11-19 15:53:08 | 古典~現代音楽バルト3国編
今回とりあげるのは1959年生まれのエストニアの作曲家
エリッキ=スヴェン・トゥールが、
1986年から1987年にかけて作曲した交響曲第2番である。
今回聴いたCDの演奏はパウル・マギ指揮、
ソヴィエト国立交響楽団のものである。
第一楽章ヴィジョンは鐘の音で始まり、
冒頭は静かにゆったりと始まる。
やがて金管楽器が鳴り響き、その音がぶつかり合う。
打楽器とともにそれは大きな音の塊となっていく。
その大きな音が静まって、次の楽章に続く。
第二楽章プロセスは一定のリズムの繰り返す音の上で、
3つの音型からなる音列が繰り返されて始まる。
そして、その音型は変化し、ミニマル音楽的な展開がみられる。
そのあともライヒの音楽ような部分もみられる。
宗教的な旋律が繰り返され、いったん静かになるが、
突然金管楽器と打楽器の大きな音同士がぶつかり合い、
色彩豊かで変化に富んだ作品である。
最後の方でも途中現れた宗教的な旋律が現れ、
繰り返され、静まった後は弦楽器のみとなり、
音型が繰り返されていく中で金管楽器が加わり、
盛り上がったあと再び静まり、フルートなど木管楽器が活躍し、
鐘の音が鳴り、最後は静かになって終わる。
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エリッキ=スヴェン・トゥールの「灯台」を聴く

2022-11-05 23:31:14 | 古典~現代音楽バルト3国編
今回とりあげるのは1959年生まれのエストニアの作曲家
エリッキ=スヴェン・トゥールが、1997年に作曲した「灯台」である。
今回聴いたCDの演奏はユハ・カンガス指揮、
オストロボスニア室内管弦楽団のものである。
CDの解説書によるとエリッキ=スヴェン・トゥールは、
ヒーウマー島のカルドラ生まれで、タリン音楽学校で
1976年から1980年の間、フルートとパーカッションを学んだ。
その後1980年にタリン音楽アカデミーに進学し、
1984年までヤーン・ラーツに作曲を師事した。
レポ・スメラには個人レッスンを受けたようだ。
1979年にはロックバンドを結成し、
国内でよく知られるバンドになったようである。
その後は作曲家としての活動を中心に行うようになった。
大きな塊のような音で始まった後、
弦楽器が簡素な音型が繰り返し、絡まりあっていく。
この動きが様々な方法で繰り返されていく。
奏でる旋律は宗教的な感じも受け、
ペルトなどに共通するところもある。
一つ一つの楽器の音がやがて絡み合い、
大きな音の塊になっていくような印象で、
彼が作り出す音楽は独創的である。
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ヤニス・イヴァノフスの交響曲第1番変ロ短調を聴く

2022-10-09 17:19:15 | 古典~現代音楽バルト3国編
4回目の予防接種は熱がでないかと思ったが、
38度近くまででて昨日今日と家で寝ています。
今回は1906年生まれのラトヴィアの作曲家ヤニス・イヴァノフスが、
1933年に作曲した交響曲第1番変ロ短調である。
今回聴いたCDの演奏はイマンツ・レスニス指揮、
ラトビア国立交響楽団のものである。
この交響曲は単一楽章制で書かれた作品である。
初演は1934年に行われたようだ。
断片的な交響曲、断片的な音詩という副題がついている。
冒頭からフルートとヴァイオリンの感傷的な主題で始まる。
そしてヴァイオリンと金管楽器で激しい感情を
ぶつけるような旋律も現れ、壮大な感じになる。
それが終わると冒頭の主題が現れ、展開部に入る。
木管楽器と弦楽器でロマンティックな旋律が奏でられ、
軽快な民謡風な旋律も現れ、ロシア風でもある。
そして低弦による旋律が現れ、様々な楽器に引き継がれていく。
徐々に盛り上がったあと、木管楽器による速い旋律が現れ、
弦楽器による悲しげな旋律が奏でられ、
盛り上がったあとは、最後は木管楽器中心に静かに終わる。
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ヤニス・イヴァノフスの交響詩「虹」変ニ長調を聴く

2022-10-02 19:41:09 | 古典~現代音楽バルト3国編
今回は1906年生まれのラトヴィアの作曲家ヤニス・イヴァノフスが、
1939年に作曲した交響詩「虹」変ニ長調である。
今回聴いたCDの演奏はヴァシリー・シナイスキー指揮、
ラトビア国立交響楽団のものである。
弦楽器とハープの音で神秘的な雰囲気で始まる。
木管楽器も加わり、ホルンなども響き、幻想的でもある。
弦楽器の奏でる旋律が美しく、フルート・ソロの旋律もいい。
やがて金管楽器と打楽器も加わり、盛り上がる。
再び幻想的な雰囲気になり、弦楽器が甘美な旋律を奏でる。
再び金管楽器と打楽器が加わり、盛り上がり、
そのあとはいったん静まり、ヴァイオリン・ソロが入る。
木管楽器が旋律を奏で、最後は弦楽器中心に静かに終わる。
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