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Mars&Jupiter

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伊福部昭のシンフォニア・タプカーラを聴きながら横浜・和田町間を歩く

2007-09-14 07:12:12 | 古典~現代音楽日本編
昨日は、横浜から和田町まで歩きました。
途中聴いたのは1914年生まれの伊福部昭の作品。
怪獣ゴジラの映画音楽の作曲家として知られているが、
彼は独学で作曲法を学んだ異色の作曲家である。
彼は北海道に生まれ、アイヌの踊りや音楽に幼い時から親しんだ。
そのことも関係してか、彼の音楽には、
北海道、アイヌ、ロシア的なもの、北欧的な世界など
様々な要素が随所に見られる気がする。
彼の音楽は単に日本的とも言えず、
世界の民族音楽の色々な要素を取り入れており、
単純には語れない音楽的な深さがある。

シンフォニア・タプカーラは1954年に作曲された作品で、
タプカーラはアイヌの舞踏の一形式の名であるという。
第1楽章の主題も個性的で、アジア的でもありながら、
そこには北欧やロシア的なものを感じもしてしまう。
吹奏楽でもとりあげられそうなリズミカルでありながら、
金管が打楽器の活躍する華やかな作品である。
第2楽章は、うってかわって叙情的な曲だ。
木管楽器と弦楽器を中心に奏される音楽は、
変拍子を伴いながら、北の世界を思わせ、
ある部分ではロシア的でもあり、
民謡的な親しみやすさを持っている。
第3楽章は、リズミカルで華やかな舞踏の音楽だが、
主題はバルトークが使いそうなハンガリー民謡的な音楽である。

でもこのような音楽を聴けば、
彼が作曲した映画音楽の特徴を理解できる気がする。
ちなみに怪獣ゴジラの音楽は同じCDの中に
SF交響ファンタジー第1番として収録されている。
また、ピアノとオーケストラのためのリトミカ・オスティナータも
変拍子を多用し、リズムでは日本的っぽくはないが、
旋律的には日本的な部分を持った音楽だ。
一回聴けば忘れない印象的な曲である。

私が幼い頃レコード(ソノシート)で初めて買ったのが、
柔道一直線と怪獣総進撃のレコードだった記憶がある。
そういうことを考えると伊福部昭の音楽との出会いは、
かなり前からだったんだなあと思うのである。