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Mars&Jupiter

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カーペンターの「乳母車の冒険」を聴きながら二俣川から西谷まで歩く

2007-09-04 06:26:25 | 古典~現代音楽北アメリカ編
昨日は、二俣川から西谷まで歩きました。
途中聴いた音楽は、1876年生まれのカーペンターの曲。
(正確にいうとジョン・オールデン・カーペンター)
イリノイ州で生まれた彼は、ハーヴァード大学を卒業し、
その後父親の海運会社につとめ、会社の副社長になっている。
その一方で、働きながら、作曲を学んでいる。
そのような彼の人生は、前日のアイヴズと似たところがある。
とはいえ、彼は組曲「乳母車の冒険」などを発表し、
作曲家としての名声を得るようになった。

組曲「乳母車の冒険」は1914年に作曲された。
曲は「車に乗って」「巡査」「手回し風琴」「湖」
「犬の群」「夢」の6曲から成る。
乳母車を押してもらい、外に出た赤ちゃんの「僕」が、
途中お巡りさんに出会い、手回しオルガンの奏でる音楽に遭遇し、
湖に行って波を見たり、犬たちに出会うなどの体験をする。
そして、外の世界を色々と体験した「僕」は、
やかて深い眠りにおちて夢を見る。

そんな幼児のちょっとした冒険の一日を描いた作品は、
全体的に印象主義的な曲で、フランス音楽の影響が濃く出ている。
物語を描写する音楽として考えるとその構成の仕方は、
リヒャルト・シュトラウスの作品に似たところもあるだろう。
赤ちゃんにとっては外で出会う様々な体験は、
みな興味のあるものばかりで、音にするものに興味を持つ
赤ちゃんの様子は「手回し風琴」でうまく表現されている。
「湖」は、ドビュッシーなどを思わせる感じの美しい曲で、
赤ちゃんが出会った自然が雄大なイメージで描かれる。
最後の「夢」では一日で赤ちゃんが出会った体験が、
それぞれの動機を再現することによって表現される。
赤ちゃんの視点から世界がどのように見えるかを
一日の体験から描こうとするところの発想は、
ユニークな発想なのかもしれないなあ。