そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

事故責任者のいない人災などありえない、日本の司法は政権擁護にまっしぐら

2019-09-19 | 原発と再生可能エネルギー

東京電力福島第一原発事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の旧経営陣3被告の判決で、東京地裁はことも有ろうか今日(19日)3人に無罪を言い渡した。地震は天災であるが原発事故は人災である。人が作った原子力発電所は、何度も何度も安全宣言を原子力ムラから発せられていたその施設が、未曾有の事故を起こしたのである。
安全宣言は嘘だったのである。嘘をついた張本人に責任がない。こんな危険な施設に責任者はいなかった、責任を取らなくても良い経営トップがいたことになる。原発は何という施設なのであろうか。
3人は「大津波は予見できなかった」と無罪を主張していたが、それなら安全宣言などだすべきではなく、少なくとも安全宣言は間違いだっということになる。重大な過失があったとみなければならない。
しかし其れも嘘であったことも解っている。
東電の地震・津波対策の担当者らは、原発事故が起きる3年前の2008年3月に、国の地震予測「長期評価」に基づく試算値として、原発を襲う可能性がある津波の高さが「最大15.7メートル」という情報を得ていたのである。2002年7月にも政府・地震調査研究推進本部は巨大地震の予測をしていた。これらを東電にとってネガティブ情報を捉えたのであろうが、忠告の情報を無視したばかりか、全く逆の研究成果を、お抱え学者たちに学会発表させている。
判決はたった海抜10メートルの敷地を超える津波がくる具体的な予測は出来なかった。予見できなかったともいうのである。
判決は全電源喪失についても触れなかった。電源喪失さえなければ、電源を相当の津波にあっても失うことがなければ、爆発まで行かなかったこともあり得た。

さらに判事は次のような表現を判決理由に加えた。「あらゆる必要な対策をすれば、運転は不可能になる。一定の社会的影響も考慮すべき。」といったのである。原発事故後の福島の現状と日本が被った被害、それと東電が壊滅的打撃を受けたことなど、この判事たちは全く知らずげにいる。あらゆる必要な対策が出来ないのであれば、原発建設を断念すべきだったのである。通常の施設と違うのである。原発は地上で核分裂させる、桁違いに危険な施設という認識すらない。

コメント (5)
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