そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

毎度お馴染みの官僚の不作為、今頃になって豚コレラワクチン対応する愚かさ

2019-09-23 | 官僚

豚コレラの蔓延がおさまらない。なんともやりきれない官僚の後手後手対応である。
豚コレラは法定伝染病である。発症農家にはしっかりとした対応をやっている。特に処分に関わる費用の負担や、家畜への金銭的補償は日本は世界に見ないほどの充実した対応をやっている。そのことが現場の声を封じた面もある。
日本はどこも地方は高齢化が進行している。畜産養豚農家とて例外ではない。金銭的保障が厚い分、全頭が殺処分されて十分な補償を受けると、豚飼いを再開する養豚農家は断然少ない。防疫対策にあまり異議を現場から上げなかったのにはこうした事情もある。
岐阜のへき地から始まった豚コレラは防疫主体の県を越えて広がってきた。国は対策に、淘汰・殺処分と消毒でこれを乗り切ると取り組んだが、行政区域を複数跨ぐようになって、ようやく野生のイノシシが原因だと結論を出した。根拠はなく、推測に過ぎない。
イノシシの対策として、経口ワクチン対策を行った。ワクチンを含ませた餌を山中にばら撒くのである。経口ワクチンの効果もどうかと思われるが、イノシシの摂取の確認できない対策なは、雨ごいや神頼みに等しい。ワクチンはタンパク質である。消化器官の酵素に耐えられるとは到底思えない。
こうして一時発症報告はなくなり、お役人は効果があったとあちこちで喧伝するさまにはあきれたが、思った通り発病は止まらず、福井に出たかと思うとついに首都圏の埼玉にも発症した。ここでようやく、国はワクチンに踏み切った。

当初に集約的に発症した地域で、ワクチンを打っていればこんな広がりなど起きなかったはずである。ワクチン対策をしなかった理由は、一つは日本が豚コレラの清浄国から外されること、もう一つが診断などが困難になり病状の実態が把握できなるからである。
最初の清浄国から外させると輸出が出来なくなるからである。国はそれを嫌ったのであろうが、日本の豚肉生産量の0.05%程度の輸出に何を怯えていたのであろうか。一般養豚農家には全く関係ないことである。こうした国の対策・方針に異議があまりなかったのは上記の理由があるが、防疫の本質を国は怠ったといえる。
次の診断や全体の広がりなどが困難になるのも、初期の対応さえしっかりしていれば、地域に限定した対策として可能だったはずである。地域の終焉とともに、ワクチン地策を解除してゆけばよい。そうすれば第二の問題も解決できた。
国が、農水官僚が建前ばかりを優先させ、養豚農家や消費者のことなど全く考えてこなかった結果、50万頭の豚を処分し国中の豚にワクチンを打たせることになる。その経費も含めた経費などの損失は誰も負わないことになる。
コメント (1)
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