高知市の土佐電気鉄道が、5月3日の憲法記念日に合わせ走らせてきた、護憲をPRする路面電車の運行を今年から中止することになった。
車体には市民団体の負担で「守ろう平和憲法」「憲法9条世界の宝」などのメッセージが描かれていたが、市民から「意見広告だ」と批判されたのが理由。
意見広告とは、安倍政権が憲法改正論議をやりだしたので、護憲派の意見広告だいうのが理由のようである。
しかし、これは市民がカンパによって集めたお金で、広告を憲法の日から数週間やろうというのである。それなら、憲法記念の日を設けることだっておかしなことになる。要するに、護憲の意見を封じ込めようとする
風潮が、このところ勢いを増しているのである。
この護憲の垂れ幕は、2002年から行われている。2年前からは9条だ
けではなく、25条も守ろうと訴えている。
平和運動センターの事務局長は「数年続けていることができないのはおかしい。社会が右傾化しているのだろうが、土佐電鉄は屈せずに走らせてほしい」と話している。
土佐と言えば、現憲法の草案ともなっている鈴木安蔵たちが参考にした、日本初めて主権在民、自由人権運動など大正デモクラシーの礎ともなる憲法草案を作った、植木枝盛の出身地である。先進的な思想が底辺に風土としてあるのかもしれない。
それにしても、徐々に恐ろしい時代に向かっているような気がしてならない。