私たちは学校で西洋史を習いましたが、今これらを見直してみると、ヨーロッパから見た一方的な歴史感を教えられていたような気がします。例えば、十字軍は聖地を奪回する、正義の戦いをするためのように教えられました。しかし、アラブ側から見るとヨーロッパ人が侵略してきたことになります。
この十字軍の侵略から、アラブを守った英雄サラディンについて、私たちの習った西洋史では教えてはくれませんでした。朝鮮にも同じことが言えます。豊臣秀吉や加藤清正は侵略者に他ならないはずです。朝鮮を守った英雄李舜臣についても、教科書は教えてはくれませんでした。
その後、欧州列国はこの地を直線で仕切って様々な国を作り上げました。もともとアラブとは、世界を意味します。遊牧民族に国境線を引いて英国や仏蘭西が利権を競ったのです。第1次世界大戦の後にそれがほぼ現在に近いものが作られました。イスラエルを除いて。その後の中東の不幸は、ここに膨大な石油があったことに加えて、イスラエルが建国されたことによる、宗教対立がさらに激化したことです。
今また、ゲルマン人がアラブをばらばらにしています。イラク人の根っこにあった宗派対立 を、アメリカが呼び起こしたのです。7~8月にかけて亡くなったイラク人は6,599名にもなっています。イラクに民主主義を定着させるとした、ブッシュの思惑はアメリカの孤立化の中いまやどこにも存在しないように見える。
利権を武力で奪い取ろうとするヨーロッパ人の考え方は、南米の原住民を殺戮し、ネイティブアメリカ(インディアン)を駆逐し、アボリジニを追い払った昔と何も変わるものでない。因みに、膨大な土地を得たヨーロッパ人たちによって、これらの国々が世界の農産物価格を支配している。