アメリカがほぼ公式に、イラク戦争の間違いを認めつつある。イギリスでインチキを承知で、イラク戦争の根拠にしたブレアも退陣する。小泉首相はいつも、外的なラッキーに支えられて、5年間やってきた。今回も退陣を目前にして、イラクへの自衛隊派兵を終わらして退陣する。この国の首脳は、この不条理な戦争に何のコメントもなければ責任の所在もわからないまま、一時代を終えようとしている。
何の意味もなく殺された、アフガンやイラクやレバノンやパレスチナそれに貿易センター内で命を失った人々対して誰も責任を負わない。60年前に戦争で亡くなった、「兵士」には哀悼の意を示したいとするこの国の指導者は、これらの死者には何らかの責任がある筈である。靖国神社はこうした視点からも考えられるべきである。この5年間は大きな無責任を示した5年間であり、テロを拡大再生産した5年間でもある。
この5年で世界は大きく変わった。この5年とは、アメリカ同時多発テロ、小泉政権発足そしてBSEの国内発生の確認からの5年間である。イラクなどの中東のこの5年間の死者は、これから先の5年間で何をわれわれに語ることになるだろう。BSEの本態はこれから闇に葬り去られよとしている。今更、不条理なことは思い出さないほうが得策なのかもしれない。