つい先日まで発展途上国だとばかり思っていた、中国で肥満児が増加しているとのことである。5年以内に5人に一人が肥満児になると予測されている。経済成長が著しく牛肉などの畜産製品がかなり増加しているが、一人っ子政策がこれに拍車をかけている。美味しいものを沢山食べさせたい親心の受け手が、一人では肥満も仕方がないだろう。
個別に肥満対策をとるのではなく、肥満の原因になるような食品に税金をかけることが最も効果的であると、最近ある研究機関が提言していた。これには大いに賛同したい。概ね、美食とされるものに身体に良いものなどほとんどない。美味いと思われるもののほとんどが、ツルンとしていて口当たりが良くて、脂肪分の高いものばかりである。
その脂肪であるが、最近わかってきたことではあるが、人は長い歴史の中で美味い脂肪として、長い鎖を持った脂肪酸・オメガ6といわれるものを増やしてきた。40万年前の10倍量になっている。これは、穀物や油類のものばかりではなく、穀物を多く与えた家畜の牛肉や牛乳に多く含まれている。
家畜に与える穀物の多くはコーン(トウモロコシ)である。わが国は、このコ-ンを人が食べる米の約倍量(概ね1400万トン)輸入して家畜に与えている。家畜用の穀物(飼料用穀物)は関税がかけられていない。無税である。だから畜産農家は、安い穀物を大量に与えて、高価な畜産製品に変えるのである。BSEを生み出すような、集約的な飼養形態を作り出しているといえる。
わが国の畜産製品を健全な食品に変え、家畜の健康のためにも(穀物多給で家畜は病気になる)、世界の食糧事情を好転させる意味でも、輸入飼料に関税をかけるべきである。