そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

戦争の無意味さ

2006-09-01 | 中東
Little Birds -イラク 戦火の家族たち- Little Birds -イラク 戦火の家族たち-
価格:¥ 5,985(税込)
発売日:2006-03-24

戦争の悲惨さ残忍さと意味のなさを見せ付けられるDVDである。本編は、アメリカの空爆直前から2年ほどを、イラクの庶民の目線から採り続けたドキュメントである。作者の綿井健陽氏は、中東でビデオを片手に最も危険なところを撮り続けているビデオジャーナリストである。タイトルの”Little Bireds”は、幼くして亡くなった子どもたちは小さな鳥になるという言い伝えである。悲惨な空爆直後の病院で死に行く人たち、死んだ人たちの映像を直視するのは勇気がいる。

子どもを3人亡くしたアリ・サクバンは、戦争をするために神は人を作ったのではない。文化や倫理を深めるために作ったのだ。と、戦争の無意味さを、一家に戦争による7人の死者を抱えて訴えていた。

その一方で、侵略した米兵へ戦争の意味や大儀を問うても、何の返事も返ってこなかった。この落差がこの戦争の本質を語っている。アメリカは、イラクに自由と民主主義をもたらすとする傲慢な姿勢のアメリカ兵に、哀しさが漂う。

本DVD撮影後のイラクでは、宗派間の対立が激化している。大儀もなく殺戮と混乱を招くだけのアメリカ侵略を、後日歴史はどのように説明するのであろうか。

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