コンビニの人気商品はオニギリである。コンビニにオニギリが登場して、日本のお米の消費量の減少が止まったほどである。伝統的な日本のファーストフードの面目躍如たるところである。このオニギリの価格は、120円~250円程度であろうか。お店によっては高いものになると、300円以上するものもある。
オニギリの最も、オニギリたらしめているお米の生産者価格は、10円~15円程度である。オニギリに倍以上の価格差があっても、お米の量はまったく変わりない。商品としてのオニギリの価格差は、具の違いである。梅がツナになると倍の価格になる。倍の価格はツナの価格ということにな る。
オニギリの商品価値としての本質は、米でないだろうか?そうした視点を持つと、農民の労働価値が著しく低いことが見えてくる。少し具を変えたり手を変えただけで、お米の10倍以上の付加価値をかけてオニギリは作られている。他の農産物もほぼ変わることがない。農産物は、流通や加工にかかる経費が圧倒的である。
2、3次産業が発達した先進国では、農民の労働価値は著しく押さえられている。そこで、海外の発展途上国の安い人件費に食料を依存することになる。百姓人口が減るのは当然の結果である。今や実質わが国の食料自給率は20%程度になっている。食糧を自給しない国家は自立国家といえない。