小泉内閣メールマガジン 第248号の防衛大学校の校長五目旗頭(いおきべ)真氏の寄稿が話題になっている。全般に小泉内閣の支持率の高さなどを高く評価しているが、任期中に撤退させたことの評価を付け加えてはいるが、自衛隊の支える幹部としての発言が問題なっている箇所は後半のところで自衛隊派遣に関して以下にように述べている。
「ちなみに私はイラク戦争が間違った戦争であると判断し、筋目の悪い戦で米国と一緒してもきっと後味悪い結果になると憂慮した。間違った戦争であることは、その後ますます明となったが、イラクに派遣された自衛隊に悲劇は起こらなかったし、日米関係も悪化しなかった。」
真っ当な感覚であれば、イラク戦争が不条理な戦争であることは気が付くはずである。10万人を越える死者を抱くイラクと、たった2600人しか死亡者がいないアメリカ軍が、どのような成果をイラクに見出すことができたのであろうか?バクダッドを制圧した直後に、空母のステージ上で「ゲームは終わった。われわれは勝利した」と言った人物の責任はどこにもにのであろうか?亡くなった人の生命と、残されて人々の悲しみと怒りが「ミンシュシュギ」で解決されたのであろうか?アメリカの武力がイラクにもたらした自由とは内戦のことであるのか?フセインがいなくなったイラクに平和と安定がもたらされたのだろうか?
間違った戦争はどこまでも、間違った結果を際限なく生み出すばかりである。因みに、私は正しい戦争というものなど存在しないと思っている。