マドリードからメキシコシティへと向けて飛び立ったものの、機体トラブルが発生して上空を旋回し続ける旅客機。ビジネスクラスを担当するオカマの客室乗務員トリオは、乗客の不安を少しでも和らげようと、歌って踊り、さらには不気味なカクテルを作る。しかし、不吉な予言をするアラフォー女性、何かとクレームをつけてくるSMの女王様、泥酔状態の新婚カップルなど、クセのある乗客たちの言動が、機内をさらなる混乱に陥れていく。(シネマトゥディより)
今頃すみません。実は見逃していたので、録り置きしてました。しっかしまぁ、アルモドバル監督も、あれほどシリアスな「私が生きる、肌」を撮った後にこれほどおバカな映画が作れるなんて、やっぱり奇才ですなぁ。
まったく・・・おバカすぎて開いた口がふさがらないほど(笑)。このセットも、ビジネスクラスにしては座席が狭苦しい感じがするし(わざと?)、CAが全員オネエってどんな航空会社よ(笑)。いや、べつにオネエに偏見を持っているわけではありません。私、もし当たっても平気ですが、荒唐無稽な設定だなぁ、と思って。
一番に名前が書かれているアントニオ・バンデラスやペネロペ・クルスは、冒頭にちょっと出てくるだけですが、それがそもそもの事件の発端になってるんだからすごい。
ともかく、この航空機は、車輪が一つ出ないとかそんな理由でスムースに着陸できないため、緊急に受け入れてくれる空港を探して旋回しています。でもなかなかないんですね、受け入れてくれるところが。そうこうしているうちに、乗客がおかしいと気付き始めて騒ぎ始める、というお話です。
こんなとき、リーアム・ダディ・ニーソンがいたら、乗客を黙らせてすっぱり解決となるのでしょうが、このCAたちはいけませんね、薬を盛って乗客を眠らせてしまったりします。それもエコノミーの人たちだけスタッフごしに。ここ、問題にならなかったのかしら。
眠ってないビジネスクラスの乗客も、変な奴ばっかで次々といろんなことが起きてしまいます。機長や副機長までみ~んなバイセクシャルだったりするから、話もややこしくなるんですね。
しかし、不思議なことにすべて幸せな方向に収束してゆきます。偏見かもしれないけれど、これがラテン気質のいいところなのかな。終わってみると、みんなハッピー、見ている方もなぜかハッピー。すごい才能ですね。アルモドバル監督、万歳!