啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「ミョウガ」の花

2012-08-20 08:48:32 | 山野草

旧盆でトキの島に帰省した。時期を後半にずらしたので、高速道路の渋滞は避けられた。“こんなに乗客が少なくては大変だなぁ”と心配になる連絡船「アイビス」もまずまずの客数。観光ルートから少々外れた寺泊ー赤泊航路。本土と島の距離は最短距離(約31キロ)で、短時間(約60分)で島に渡れるが、最近開発された“日帰り観光パック”や“釣り客”などしかおらず、苦戦しているようだ。冬の期間、運休するなどの身勝手運転で黒字路線だとか???

トキの赤ちゃん誕生など少し明るい話題があったが、観光客は近年減少を続けピーク時の半分だと言う。鼓童という太鼓を中心とした演芸集団をご存知だろうか。このグループが17,18,19日の3日間アース セレブレーションと題したイベント(演奏会)を開催した。私は知らなかったが、外国人観客も多く人気のあるイベントなのだそうだ。釣り客が殆どで閑散としているの赤泊港の民宿程度の旅館も、毎年この時期だけは満員になる。?!

「ミョウガ」はショウガ科ショウガ属の多年草。本州から沖縄まで広く分布している。日陰で湿ったの林の縁や畑や庭の日陰の部分などに生えている。トキの島で実家が所有する柿畑の外れに自然に生えていた。大量に花芽(ミョウガ)があり、花を開いているものもあったので写真に撮って見た。覆いかぶさっている草を除けて写真を撮った。ミョウガの草丈は40-70センチほど。茎を伸ばし、先のほうに幅3-5センチで先が細った大きな葉を付ける。花は地面すれすれの高さに付く。食べる“茗荷”そのものの形で地面から突き出している。これは花穂と呼ばれる部分で、この中に開花前の蕾が3-10個入っている。花は淡いベージュ(写真)で優雅で幻想的。


花芽(花穂)は食材としてスーパーに並んでおり、蕎麦や素麺の薬味などに一般的。天プラや味噌汁の具、漬物、生食など多様に使われる。遅い春から初夏の若芽(茎)も美味しく食べられる。

野生で自生しているように見えるが「人間が生活している場所以外に見られない」ということで、大陸から持ち込まれたもの」だという。その際に香りの強い方を「兄香(せのか)」と呼びショウガに。弱い方が「妹香(メノカ)」で、訛ってミョウガになった。

「ミヤマオダマキ」

2012-08-14 23:04:56 | 高山植物

「ミヤマオダマキ」はキンポウゲ科オダマキ属の多年草。高山植物。中部以北から北海道の高山地帯の尾根沿いなど岩が多い場所に咲いている。南アルプス悪沢岳への尾根で撮った。

草丈は10-25センチほど。花期は6-8月。吸い込まれるような青い色をした花に魅了される。伸ばした花茎の先に数輪の花を下向き加減につけている。ヤマオダマキの素朴さと比べ、澄んだ青色の花は高貴な感じがする。

ガク片が傘状に開き、花弁は円筒形になっている。花弁の先端はやや白っぽい。変わった名がついているが、糸を巻くときに使う道具に似ていると言うことでついた名のようだ。

※明日から数日間、掲載を休みます。

「オオサクラソウ」と「ハクサンフウロ」

2012-08-14 09:28:40 | 高山植物

今日のオオサクラソウ。南アルプス千枚小屋近くの深い草原に咲いていた。友人に名を聞かれ“クリンソウ”と教えてしまった。標高で2600メートルほど。森林限界から低木帯に抜けようとするあたりにあり“こんなところにもクリンソウが咲くのだ”と感心していた。図鑑では良く知っており、赤城山麓の赤城自然園でクリンソウの写真を撮り当ブログで紹介したこともある。ところが、調べて見るとオオサクラソウ。間違いないはずだったのだが・・・・。まッ・・・非常に良く似ている。

「オオサクラソウ」はサクラソウ科サクラソウ属の多年草。根元から出る葉は径が5-12センチほどと大きく、掌状に分裂。フチは鋸状にギザギザがある。花茎は15-30センチほど。先の部分に赤紫色の花を4-8個、輪状に付ける。花冠(花)は径が1・5-2センチほどで5裂。それぞれが更に2裂している。花期は6-8月初旬。

大型のサクラソウで花がサクラに似ていることから名がついているという。別名でミヤマサクラソウとも呼ぶが、文字通り深山に咲くサクラソウ。サクラソウより大きく、クリンソウより小さいような気がする。

「ハクサンフウロ」はフウロソウ科フウロソウ続の多年草。高山植物。高山ー亜高山帯の雪渓の周辺の草地などに良く見られる。草丈は30-50センチ。花期は7-8月で夏山の定番。花は5弁で赤紫色。花径は2-3センチ。南アルプスはもちろん、日光方面や浅間、上信越の山々などどこでもこの花を目にする。変種も多い。必ず写真を撮るが、当ブログで取り上げたことは無かったような気がしている。明るい赤紫色の目立つ花なのだが・・・。赤石岳南面の荒川小屋近くで撮影。


「タカネコウリンカ」と「タカネヤハズハハコ」

2012-08-13 11:37:58 | 高山植物

オリンピックが終わって、熱戦が続いている甲子園の高校野球もようやく脚光を浴びるかもしれない。大分昔のことになるが、高校野球が始まると、結構興味を持ってテレビやカーラジオで聞いた。私だけかもしれないが、最近ほとんど興味が持てなくなったのは何故だろう。最近頑張りが目立つ出身校の動向には結構興味があるのだが・・・。暑い!!!お盆が真っ盛り。

「タカネコウリンカ」はキク科キオン属の多年草。高山植物。南、北アルプスの礫地や草地に咲く。草丈は20-40センチほど。根元の葉には長い柄があり卵形。茎に着く葉は互生しておりヘラ型で、周囲に細かい鋸歯(ギザギザ)がある。

花の直径は2-3センチ。舌状花はオレンジが買った黄色。黒褐色の総苞(花びらの付け根を覆っている部分)が印象的。1昨年、花の名を聞かれ「タカネコウリンカと教えたら、通りかかった人がそれはクロトウヒレンですよ」と教えてくれたことがあった。今回は調べたので間違っていません!!!タカネコウリンカです。赤石岳南面のお花畑に下る道沿いや荒川三山の尾根沿いなどに見られた。

「タカネヤハズハハコ」はキク科ヤマハハコ属の高山植物。多年草。姿がウスユキソウに似ており、タカネウスユキソウの別名もあるが、ウスユキソウ属ではなくヤマハハコのグループに入っている。草丈は10-20センチほど。葉は薄い絹毛で覆われており、白っぽく見える。花は白から薄いピンク色まである。茎の先端に小さな花が数個集まって咲いている。千枚岳から赤石岳までの尾根沿いの礫地。


「チシマギキョウ」

2012-08-12 11:05:02 | 高山植物

今日は別の花の予定だったが、直前になって“種が違うのでは?”の疑問がでて変更した。その花は“クリンソウ”だと思い、同行者にも教えたのだが、昨晩調べたらどうも“オオサクラソウ”のようなのだ。今日のチシマギキョウもファイルに付けた名は“イワギキョウ”だったが、調べて見ると違っていた。

「チシマギキョウ」はキキョウ科ホタルブクロ属の多年草。高山植物。北海道から本州中部以北の高山帯の岩場、砂礫地に自生する。千枚岳から赤石岳まで稜線の岩場にあちこち咲いている。花期は7-8月。草丈は5-15センチほどで、花は釣鐘型で長さが3センチほど。花径は2センチほどで、先端が5裂している。紫色の花が青い空に浮かび上がる用に咲いているのが清々しい。

花の内側に毛が映えているのがチシマギキョウ。良く似ているイワギキョウには毛が無いので「見分けは容易」なのだという。ガク片の形(イワギキョウがは角形)でも見分けがつくという。

「クロユリ」

2012-08-11 11:00:13 | 高山植物

南アルプスの荒川三山から赤石岳への縦走は、天候に恵まれ最高だった。殆ど花の咲いていない深い樹林帯の急な登り。標高差1600Mを登りきったところにクリンソウ、シナノキンバイが咲く小さなお花畑。ここが千枚小屋だった。ここから先、下りの赤石小屋までは高山植物が多く楽しめた。荒川岳(前岳への分岐)から荒川小屋に向かう急な下りにあるお花畑は圧巻。花の種類はそれほど多くないが、黒百合を見つけた時にはドキッとした。

「クロユリ」はユリ科バイモ属の多年草。高山植物。中部以北の高山帯の草地に生える。草丈は10-30センチ弱。葉は輪生しているように見えるが、図鑑によると互生しており2,3段に分かれているように見える。花は黒紫色(褐紫色)の神秘的な姿。花径は3センチほどで釣鐘型の花冠を下向きに咲かせ、先端が三裂している。

山の経験が少ない私は、自生している黒百合を見るのはこれが2回目。ドキッとするほど印象的な植物。伝説もあるようだ。戦国の武将「佐々(さっさ)成政」の愛妾“小百合”及び本人の自刃などに纏わる悲劇から“人を不仲にして、家を滅ぼすのろいの花”と言われること。アイヌの“鯉の花伝説のフタツは特に知られている。恋の花伝説は「クロユリを他の人に知られないように好きな人の近くに置き、送り主不明のまま好きな人が手にすれば必ず結ばれる」ということだそうだ。賑やかなお花畑の中で、妖艶で静寂なこの花は伝説を生むほどの魅力があるのだろう。




尾瀬「笠ヶ岳」(2058M)

2012-08-10 08:59:57 | 登山

1週間、山を歩いていないと落ち着かない。が、暑い!!誕生日はもう喜んでいられないが、誕生日のお祝いにカミさんからいただいた“2本ステッキ”を試したいと言うこともあり尾瀬の笠ヶ岳を歩いた。両手にステッキをついて山を歩く人をよく見る。高齢者登山だけでなく、若い人もいる。南アルプスに同行してくれた友人O氏もダブルデッキ派。「いいよ」という。“少しでも登りが楽になるなら・・”と思い、誕生日のプレゼントに選んだ。結果は・・・・登りが軽快になったと言うとこまで実感できないが、ザックへの収納の煩わしさを除けば快適!!

「笠ヶ岳」(2058M)は至仏山の南側にある小さいが端正な三角形をした山。目立つ存在ではないのかもしれない。静かな歩きができるのが魅力。昨日も、鳩待ち峠からオヤマ沢田代の分岐点を過ぎると殆どひと気は無く、山頂を約40分間1人で独占。オヤマ沢ー山頂往復の間で会った人は計7人。至仏山の賑わいから見るとウソのようだった。
▽行程は鳩待ち峠→オヤマ沢田代分岐→悪沢岳→小笠→笠ヶ岳の往復(休憩を含め6時間)
この山は2回目だが「道がドロドロで跡の靴の手入れが大変」「高山植物が豊富だった」と言うイメージが残っている。日照りと猛暑は尾瀬でも同じなのだろうか?登山道は所々ぬかるんでいるものの、ドロ田状態ではなかった。

植物は意外と少ない?夏から秋への移行期なのだろうか。アキノキリンソウが咲き始め、オヤマノリンドウの蕾も膨らみを増している。小笠(1960M)ナンメンの小湿原ではトキソウに出会った。期待した笠ヶ南面の草原ではアザミやツリガネニンジン、ハクサンフウロなどに混じりニッコウキスゲが残っていた。遠景の燧ケ岳など背景に美しい。

南面の草原を抜け、湯の小屋温泉方面への分岐点を右に分けると岩が多くなり、山頂に向けた急登となる。距離が短いので一気に山頂を目指す。高い山の上部は雲に覆われているが、一応360度の大展望。心地良い風に吹かれながら、おにぎり1個とカップヌードル、コーヒー付きで早めの昼食をとった。

帰路にシブツアサツキの写真が欲しく、小至仏近くまで寄り道したが、花の様子が全く変わっていたのには驚いた。オゼソウやハクサンコザクラ、ハクサンイチゲなどオヤマ沢田代の辺りではほとんど姿を消していた。


尾瀬の花6「クモイカリソウ」と「イワイチョウ」

2012-08-07 23:48:20 | 高山植物

オリンピックが面白い。明日の尾瀬行きを変更して深夜のサッカーの試合を見ることにしてしまった。女子卓球の決勝を見ながら、男子のサッカー(準決勝)が始まるまでブログを書いている。今日のクモイカリソウは難しく「クモ」か「クモマ」なのか最後まで特定できなかった。調べているうちに、先日の“ハクサンコザクラ”がユキワリソウではなかったかの疑問も・・。ユキワリソウという名の種は無く、雪融け直後に咲く花の数種類をそう呼ぶと理解していた。また、一般的には日本海側に咲くオオミスミソウのことを“ユキワリソウ”と呼んでいる。ただ、尾瀬にはハクサンコザクラに良く似た別種の「ユキワリソウ」があるというネット上の書き込みがいっぱいあった???

「クモイカリソウ」はメギ科イカリソウ属の落葉小木。小至仏に登る蛇紋岩の岩場のあたりに咲いていた。図鑑で見たことがあるので名は知っていたつもり。実物を見るのは初めてだったので喜んだ。小木というが木の高さは30センチほど。一輪だけ、清楚な淡い薄黄色の花をつけていた。

ネットで調べて見ると、何がなんだか判らなくなってきた。「クモイカリソウ」と言う表現と「クモイカリソウ」という言い方が、殆ど同じ画像でいっぱい載っている。何となく??クモイカリソウが本物のように思えた。

「イワイチョウ」はミツガシワ科イワイチョウ属の多年草。尾瀬ヶ原にも咲いているが、オヤマ沢田代の湿原にもポツポツ自生している。葉がイチョウの葉に似ていると言うことで名がついているというが、濃い緑の根生葉の中から花茎を伸ばし、先端に5遍に先が咲けた白い花を数個咲かせる。花期は6-8月。


尾瀬の花5「タカネバラ」と「ヨツバシオガマ」

2012-08-07 00:04:42 | 高山植物

今、零時11分。開放していた窓を閉めようと思い外を見ると、かなりの家に未だ電気が点いている。多分・・オリンピックの準決勝戦の女子サッカー「日本対フランス戦」を見ようとしている人がかなりいる。私もその1人。試合開始まで少々時間があるので、ブログを書いている。尾瀬の花がもう5回目。デリケートな花で、雨に打たれてもすぐ花びらは傷ついてしまうという高嶺の花、タカネバラが咲いていた。

「タカネバラ」はバラ科バラ属の落葉低木。高山植物。本州中部以北および四国の亜高山帯に分布。日当たりの良い場所で、蛇紋岩や石灰岩地帯に生える。至仏では小至仏から至仏山の山頂にかけての尾根沿いで見かける。

草丈は40-100センチぐらい。ハイマツの間などから顔を出しており、草丈を見分けにくい。ネットの書き込みでは1-2メートルとあるが、尾瀬のものは1メートル以下と思う。ハマナスにもよく姿が似ている。花弁は5枚で、花径は4-5センチ。ハイマツやシャクナゲなど濃い緑の葉の中でポツリと浮かび上がるように艶やかなピンクの大型の花をつける。バラの仲間だけに棘もある。花びらはデリケートで雨に打たれるだけですぐに傷んでしまうというが、傷の少ない物を探すのに苦労した。

「ヨツバシオガマ」はゴマノハグサ科シオガマギク属の多年草。高山植物。お花畑や登山道脇など夏の高山を紫に彩る主役の1つ。エゾヨツバシオガマの変種。草丈が寸詰まりとなったように見える似たタイプのミヤマシオガマがあるが、こちらは岩場に生育し、ヨツバタイプは湿地帯の草原に多い。

草丈は20-40センチほど。しだのような葉が茎の節ごとに4枚輪生している。花期は6-8月。薄紫色の太くて短い派弁が数段重なる。


尾瀬の花4「ホソバヒナウスユキソウ」と「ダイモンジソウ」

2012-08-06 08:38:32 | 高山植物

雨が降っている。強い日射でうなだれたように元気がなかった野菜から庭の花々まで、生き返ったように見える。一息入れさせてくれると嬉しいのだが・・。

「ホソバヒナウスユキソウ」はキク科ウスユキソウ属の多年草。高山植物。ミヤマウスユキソウの変種。茎の根出葉の幅が1・5-2ミリ程度と細長く、ミヤマタイプの半分ほど。花の付け根にある苞葉の幅も狭いので区別できるという。葉を灰色の綿毛が覆っており、全体的にに白っぽく見える。ウスユキソウの中でヨーロッパでいう“エーデルワイス”に一番近いタイプだそうだ。

草丈は10-20センチほど。花期は7-8月。谷川岳と尾瀬の至仏山に一帯にしか自生していない。尾瀬では小至仏に登って行く蛇紋岩地帯から至仏山への尾根沿いなどで見られる。

「ダイモンジソウ」はユキノシタ科ユキノシタ属の多年草。尾瀬では小至仏から至仏山頂までの岩場の隙間などにポツポツ見られる。根出葉は高さが5-15センチ程でい横に広がる。この中から10-30センチほどの花茎を伸ばし、先に白い花を付ける。花弁は上側の3弁が3-4ミリ。下側の2弁が長さ4-15ミリで線状に長く伸びる。この部分が「大の字」に見えるので名がついている。

この花を初めて見たのが新潟の八海山の山頂下の岩場。昨年、戸隠山に行った時も登山道脇にあちこち見られた。岩が多く湿気のある場所を好むようだ。好きな花の1つ。