荒川小屋から悪沢岳への登りに広がるお花畑は“南アルプス最大”と言う。鹿など動物の食害対策のため囲われていたのが残念だが、私が今まで見たお花畑の規模としても最大だったような気がする。まだ、掲載していない花も残っているのだが、秋の花も咲き始めており、先を急ぐことにした。当ブログに紹介していない至仏山の固有種など含め、後が詰まってきた。荒川三山~赤石岳での高山植物で残ったものは、時期を実ながら紹介していきたい。尾根沿いの岩場や礫地に小さく群れて、印象的だったのがタカネツメクサとイワツメクサ。
「タカネツメクサ」はナデシコ科タカネツメクサ属の多年草。高山植物。風が強そうな場所でも、岩と岩の間などに小さく群れて咲いている。枝はよく分岐し腺毛があり高さは3-7センチ。葉は対生し針形。花は7-8月に咲き、茎の先に花径で1センチ弱。色は白だが、やや緑がかっている。花弁は5枚で先がかすかに2裂。
「イワツメクサ」もナデシコ科。高山植物。里の道端や道路の傍らなどに咲くツメクサと同じハコベ属。タカネツメクサと似た場所に生えているが、イワツメクサのほうがやや低い場所から見えるような気がする。草丈は5-20センチ。花期は7-9月。シャープに切れ込んだ可憐な白い花をつけている。5弁花だが中央に深い切れ込みが入っており、10枚あるように見える。