啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「オオムラサキ」「ヤマユリ」「オニユリ」

2012-08-03 08:40:22 | 里山

酷暑が続いている。近所の散歩コース「竹沼」は1周すると4・2キロ。ずっと木陰を歩けるので朝方、夕方には多くの人が歩いている。ここは、ブラックバス釣りの名所でもあるようだが、四季の動植物の変化を多様に楽しめる素晴らしい場所。しばらく山と高山植物の話題が続くが、人里と里山が交差するここ“竹沼”でも「オオムラサキの夫婦?」に「ヤマユリ」「オニユリ」と夏!!真っ盛り。

「オオムラサキ」はタテハチョウ科に分類される大型の美しい蝶。日本の国蝶に指定されている。写真左がオスで右がメス。オスの羽は青紫に光って見え美しい。メスは全体が一回り大きく堂々としているが、青色の光沢はない。羽根を広げた状態での体長は8㌢前後か。この辺での成虫としての活動期間は7-8月上旬。クヌギの木の樹液に集まっていた。実物に出会うとハッとするくらいに美しく、気品がある。

準絶滅危惧種に指定されているが、都市近郊などを除けば絶滅の心配はそれほどないという。が、滅多に目にすることの無い蝶。樹木の高いところを中心に飛び回っているため、出会いにくいようだ。私も小学生の頃から名は知っていたが、自然の中で飛んでいるのを見たのは、甲府市の郊外の信玄神社の境内での一度だけだった。昨年、目の前でこの蝶に出会い感激したが、今年もまた同じ場所のクヌギの木で樹液を吸っていた。カナブンやスズメバチと堂々と渡り合い自分の場所を確保していた。この2羽はペアになりそうで、蜜場の隣の木に移り羽根を休めたところを写真に撮った。

竹沼では“ユリ科”の花が咲き誇っている。堤防沿いのユウスゲは植栽されたものだが「ヤマユリ」や「オニユリ」が自生している。両種ともユリ科ユリ属の球根植物で、鱗茎は食用になる。ヤマユリは日本特産種のユリで、山地の林縁や草むらなどに自生。草丈は1-1・5メートルほど。花が咲くまでに5年ぐらいかかると言うが、花の個数は「1年に1個ぐらい増える」のだそうだが、10個ぐらい花をつけることもあると言う。花期は7-8月。花径は20センチほどで派手。甘い濃厚な香りも強い。この場所のヤマユリは激減している。高崎自然歩道の根小屋城址は大きな群落があったが、7月上旬に見た限りでは1本も姿が見えなかった。猪などによる食害か盗掘かはわからない。

オニユリは日当たりの良い草むらに自生する。橙色が目立つ花は花径が7-8センチで、花弁が裏に丸く反り返っている。黒っぽく見える斑点がある。花期は7-8月。葉の付け根に黒紫色のムカゴを作る。