訪ねる時期により山に咲く植物は大きく変わる。何を今更・・ではあるが。3回(年)目で写真が撮れたカッコウソウ。遅いかな??と思ったが開花時期が遅れて最盛期に出会ったオサバグサやバンダイクワガタなどタイミングを取るのは難しい。何回も行った籠ノ塔山だがツバメオモトに出会ったのは初めてだった。
「ツバメオモト」はユリ科ツバメオモト属の多年草。奥深い山地から亜高山帯までのやや日陰の場所に咲く。この個体は西籠ノ塔山に向かう登山道脇で撮ったもの。濃い緑でやや厚みを感じる葉からスルスルと花茎を伸ばし、先に小さな白い花を数個-10個ほどつける姿が愛らしい。
葉は長楕円形(根生)で長さは15-30センチ。幅は3-7センチほど。花茎は10-20センチぐらいで、先端に花柄の付いた白い花を複数個つける。花びらは6枚ある。
「クルマバツクバネソウ」はユリ科ツクバネソウ属の多年草。水ノ塔山への林内の登山道脇。苔むした岩の上に3本ほど生えていた。3人の登山者が覗き込んでおり1人が“クルマバソウ”と解説していた。私も“例の知ったかぶり性”を発揮してしまい「クルマバソウではないですよね。何チャラツクバネソウ・・」と口を挿んでしまった。説明していた私より年配のご婦人はすかさず「ツクバネソウは葉が4枚よ!!」と言って反論。山野草の小型の図鑑を取り出した。花の名は思い出せないが、クルマバソウでないことは確実。葉が4枚のツクバネソウを紹介しているページに小さくクルマバツクバネソウが載っていた。1件落着。花期は5月下旬から6月。花の緑色の部分はガクで、花びらはやや目立たないが細く糸状で黄色に見える部分。
「ツクバネソウ」はユリ科ツクバネソウ属の多年草。クルマバタイプより低いやや日陰の山地に自生する。写真は鹿俣山で撮影したもの。老婦人のおっしゃる通りで葉が4枚に輪生する。中央部に淡い黄緑色の目立たない花を5-6月につける。羽子板の羽に見立てて名が付いている。榛名山の雌岳近くで初めて見た個体は葉の幅がもっと狭く“ツクバネ”らしく感じた。