啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「タネツケバナ」と奈良路

2011-03-10 08:13:35 | 山野草

時には小雪が舞う“早春賦状態”の奈良路。絢爛な京都に対し、やや鄙びたというか落ち着いた佇まいが好ましい。修学旅行以来の古都に癒された。群馬より少し暖かいのだろうか?それとも乾燥度が低いのか?理由は明確ではないが、春の草花が群馬より少々早い展開を見せていた。

最初の写真は「タネツケバナ」。畑や田んぼ、道路の脇の溝などどこにでもある雑草。タネツケは生殖行為ではなく“稲の種をまく頃に花が咲く”という意味。アブラナ科で柔らかい頃には茹でて食用にされる。平城京跡の野原。大極殿など撮らず、覗き込んで草の写真を撮る私を不思議そうに見ている人もいた。

2番目は白の「沈丁花」。長谷寺の本堂、舞台下の崖に咲いていた。花芽が赤紫系のものは我が家の玄関先にもあるが、沈白い花は私には新鮮。休憩した茶屋の店主に訪ねると、奥方に聞いて“白い沈丁花”と教えてくれた。


3番目は「クロモジ」の花。飛鳥の三山が見渡せる小高い丘で見つけた。通りかかった公園の人に聞くとクロモジと教えてくれた。香木として知られており、登山道脇などで見かけるだけに私も良く知っているつもりだった。手折ると清々しい独特の香りがする。写真が悪く見にくいが、こんな花(未だ蕾)の付き方とは思わなかった。