叩(たた)く・打つ・殴る・突くなどの手の働きでは拳(こぶし)が大いに威力を発揮する。
ただ叩かれた相手も叩いた手も痛む。 石の塊を握って殴れば、その重さや硬さで相手
はさらにダメージを受ける。 対象が硬いと手に衝撃があるが、柄を付けると和らぎ
打撃力も増します。 この画期的な発明を人類は後期旧石器時代(数万年前)に達成して
いたとされる。
叩く道具の「槌(つち)」について考えてみた。 金属の塊に柄が付く金槌は種類も多く
工具の代表格で木槌も多彩だ。 諏訪大社の御柱の根本を固める大木槌は数十㌔㌘あ
り、世界最大級ではないだろうか? 打楽器のバチや肩叩きも槌状のものが多い。
細長い石や木の塊を竪(たて)に使い、穀類や餅をくり返し叩いて潰す動作は搗(つ)くと
表現され、その道具は杵(きね)と呼ばれるもの。 作用部に直角に柄が付くのは横杵。
これに対し棒の中ほどを握り、垂直方向に搗く竪杵は、月のウサギが使う杵だという?
柄が直角に付く金槌や木槌に対して、太い棒の軸方向に握り手を削り出し、側面で叩く
のは横槌と呼ばれる。 農家では縄や草鞋(わらじ)などを作るためのワラ打ち作業
などに活躍した。 子どものころ田舎ではよく使いました。
また横槌は、さまざまなマジナイに使われてきた。
1年のうちに同じ家で続けて人が亡くなると、「二度あることは三度ある」とならぬ
よう、棺に横槌や人形を入れて送る習慣が広く伝えられている。 槌の叩く機能が悪
霊を追放すると考えられたかもしれないが、横槌と人形が同等の役目を果たすことに
注目したい。 ただヒトの体全体でなく、首(かしら)の形がイメージされていたのでは
ないか・・?
人形芝居の木偶(でく)にも古くは木の瘤(こぶ)が使われていた。 佐渡の「のろま人形」
の主役はとぼけた田舎者で「木の助」と呼ばれた木の瘤の人形だったという。
日本の民具研究をけん引された“岩井宏實さん”が、雑談の中で「どこかで横槌を手に
入れられないか」と言われたそうだ。 なぜかと問うと「最近物忘れが激しくてネ。
これを1本常備しておきたいんだ」と。 思い出せないことがあると横槌に手拭いで
鉢巻きをして「ヨコヅチどん頼んまっせ」と手を合わせれば不思議と思いだせるのだ
という。 奈良地方などの風俗らしい・・?
これも横槌をヒトの頭に見立てて、その呪力を期待したマジナイだったのだろうか?
最近の私メも、横槌があるといいな~と思っているきょうこのごろです。 マジ
ただ叩かれた相手も叩いた手も痛む。 石の塊を握って殴れば、その重さや硬さで相手
はさらにダメージを受ける。 対象が硬いと手に衝撃があるが、柄を付けると和らぎ
打撃力も増します。 この画期的な発明を人類は後期旧石器時代(数万年前)に達成して
いたとされる。
叩く道具の「槌(つち)」について考えてみた。 金属の塊に柄が付く金槌は種類も多く
工具の代表格で木槌も多彩だ。 諏訪大社の御柱の根本を固める大木槌は数十㌔㌘あ
り、世界最大級ではないだろうか? 打楽器のバチや肩叩きも槌状のものが多い。
細長い石や木の塊を竪(たて)に使い、穀類や餅をくり返し叩いて潰す動作は搗(つ)くと
表現され、その道具は杵(きね)と呼ばれるもの。 作用部に直角に柄が付くのは横杵。
これに対し棒の中ほどを握り、垂直方向に搗く竪杵は、月のウサギが使う杵だという?
柄が直角に付く金槌や木槌に対して、太い棒の軸方向に握り手を削り出し、側面で叩く
のは横槌と呼ばれる。 農家では縄や草鞋(わらじ)などを作るためのワラ打ち作業
などに活躍した。 子どものころ田舎ではよく使いました。
また横槌は、さまざまなマジナイに使われてきた。
1年のうちに同じ家で続けて人が亡くなると、「二度あることは三度ある」とならぬ
よう、棺に横槌や人形を入れて送る習慣が広く伝えられている。 槌の叩く機能が悪
霊を追放すると考えられたかもしれないが、横槌と人形が同等の役目を果たすことに
注目したい。 ただヒトの体全体でなく、首(かしら)の形がイメージされていたのでは
ないか・・?
人形芝居の木偶(でく)にも古くは木の瘤(こぶ)が使われていた。 佐渡の「のろま人形」
の主役はとぼけた田舎者で「木の助」と呼ばれた木の瘤の人形だったという。
日本の民具研究をけん引された“岩井宏實さん”が、雑談の中で「どこかで横槌を手に
入れられないか」と言われたそうだ。 なぜかと問うと「最近物忘れが激しくてネ。
これを1本常備しておきたいんだ」と。 思い出せないことがあると横槌に手拭いで
鉢巻きをして「ヨコヅチどん頼んまっせ」と手を合わせれば不思議と思いだせるのだ
という。 奈良地方などの風俗らしい・・?
これも横槌をヒトの頭に見立てて、その呪力を期待したマジナイだったのだろうか?
最近の私メも、横槌があるといいな~と思っているきょうこのごろです。 マジ