農業じゆう人

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「槌(つち)」

2018年12月06日 12時42分42秒 | 雑学
   叩(たた)く・打つ・殴る・突くなどの手の働きでは拳(こぶし)が大いに威力を発揮する。
   ただ叩かれた相手も叩いた手も痛む。 石の塊を握って殴れば、その重さや硬さで相手
    はさらにダメージを受ける。 対象が硬いと手に衝撃があるが、柄を付けると和らぎ
    打撃力も増します。 この画期的な発明を人類は後期旧石器時代(数万年前)に達成して
    いたとされる。
   叩く道具の「槌(つち)」について考えてみた。 金属の塊に柄が付く金槌は種類も多く
    工具の代表格で木槌も多彩だ。 諏訪大社の御柱の根本を固める大木槌は数十㌔㌘あ
    り、世界最大級ではないだろうか? 打楽器のバチや肩叩きも槌状のものが多い。
   細長い石や木の塊を竪(たて)に使い、穀類や餅をくり返し叩いて潰す動作は搗(つ)くと
    表現され、その道具は杵(きね)と呼ばれるもの。 作用部に直角に柄が付くのは横杵。
   これに対し棒の中ほどを握り、垂直方向に搗く竪杵は、月のウサギが使う杵だという?
   柄が直角に付く金槌や木槌に対して、太い棒の軸方向に握り手を削り出し、側面で叩く
    のは横槌と呼ばれる。 農家では縄や草鞋(わらじ)などを作るためのワラ打ち作業
    などに活躍した。 子どものころ田舎ではよく使いました。
   また横槌は、さまざまなマジナイに使われてきた。
    1年のうちに同じ家で続けて人が亡くなると、「二度あることは三度ある」とならぬ
    よう、棺に横槌や人形を入れて送る習慣が広く伝えられている。 槌の叩く機能が悪
    霊を追放すると考えられたかもしれないが、横槌と人形が同等の役目を果たすことに
    注目したい。 ただヒトの体全体でなく、首(かしら)の形がイメージされていたのでは
    ないか・・?
   人形芝居の木偶(でく)にも古くは木の瘤(こぶ)が使われていた。 佐渡の「のろま人形」
    の主役はとぼけた田舎者で「木の助」と呼ばれた木の瘤の人形だったという。

   日本の民具研究をけん引された“岩井宏實さん”が、雑談の中で「どこかで横槌を手に
    入れられないか」と言われたそうだ。 なぜかと問うと「最近物忘れが激しくてネ。
    これを1本常備しておきたいんだ」と。 思い出せないことがあると横槌に手拭いで
    鉢巻きをして「ヨコヅチどん頼んまっせ」と手を合わせれば不思議と思いだせるのだ
    という。 奈良地方などの風俗らしい・・? 
    これも横槌をヒトの頭に見立てて、その呪力を期待したマジナイだったのだろうか?

    最近の私メも、横槌があるといいな~と思っているきょうこのごろです。 マジ