今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

小沢問題控訴は単なるイジメだ !

2012-05-10 09:37:42 | 政治
政治資金団体「陸山会」の土地購入をめぐる収支報告書虚偽記入事件で
小沢一郎氏に下した無罪判決を不服として検察官役の3弁護士が控訴した。
しかし、政治資金規正法の中でも虚偽記載は最も軽い分野に入る、と云わ
れている。マスコミも一般国民も、虚偽記載と収賄罪をゴチャマゼにして
いる。収賄事犯ではないのである。控訴に対して具体的に反論しよう。

①もともと検察庁は虚偽記載事犯として有罪にはできない、と判断したか
 ら公訴しなかったのである。

②検察審査会が控訴したのは違法ではないが、虚偽記載をあたかも贈収賄
 事件であるかのように思い込んだのは間違いである。

③検察の判断が正しかったと証明したのが、東京地裁判決である。

④単なる虚偽記載を収賄事件であるかのようにアオッタのは、マスコミの
 偏向報道にも一因がある。

⑤今回の控訴でも、新証拠は示されていない。控訴するなら、新証明を明
 示すべきである。

⑥たとえ灰色であっても、確証がない限り、被告人にとっては白を意味する。

⑦単なる解釈の違いを根拠として控訴するのは疑問である。

⑧政治資金規正法違反事件と思われる事例は山ほどある。たとえば、外国人
 からの政治献金は明らかに違法である。後で返したというのは、無罪の根
 拠とはならない。たとえば、窃盗犯が警察につかまってから、金を返すか
 ら許してくれ、いった場合、無罪となるのか。一般人は公訴され、政治家
 なら公訴されないと云うのであれば、公正な社会とは云えない。献金を返
 したから潔白であるとは認められない。確信犯だからである。小沢氏を控
 訴する暇があったら、テレビで大々的に報道された政治家の違反事犯をす
 べて検察審査会は強制起訴すべきである。


⑨国民受けを狙った今回の控訴は間違っている。高裁で無罪判決が出た場合、
 誰が、どう責任を取るのか。

⑩小沢氏は、野党である民主党を第一党にした立役者である。そのおかげで
 総理や大臣になった人々が小沢氏を悪人扱いするのは義に反している。

北朝鮮の未来を考える

2011-12-28 07:40:22 | 政治
 中国にとって北朝鮮の存廃は死活問題である。もしも、北朝鮮が
韓国に併合されれば、米国の第七艦隊が中国の隣町に横付けされる
ことと同じ意味になる。それは中国にとって許されないことである。
したがって、北朝鮮の民衆が大挙して韓国に亡命たとしても、中国
は北朝鮮を守り、絶対に手放さないであろう。中国にとって北朝鮮
は生命線といえよう。韓国は北朝鮮人の亡命者が押しかけてくるこ
とと、北朝鮮を併合するようにれば、経済的な負担などに耐えられ
るのか、ということを危惧しているようである。しかし、韓国と北
朝鮮が併合されることはありえないだろう。
 また、北朝鮮の新指導者の金正恩(キムジョンウン)氏が28才と若
いのは、中国にとって好都合である。御しやすいからである。逆説
的には、もしも正恩氏が中国に反発すれば、中国は新たな北朝鮮の
指導者を模索し、実現させることになるだろう。
 一方、米国にとって北朝鮮は貴重な存在である。絶えず、世界の
どこかで紛争がなければ困る、というのが軍産複合体の方針だから
である。CIAはそのためにある、と云われている。人民を恐怖政治
で支配する邪悪な国がなければ米国は困るからである。それらの国
の人民を救い、自由を与えるというのが米国の使命だ、という大義
名分が必要だからである。アラブ諸国の独裁国家は凌駕され、残っ
ているのはシリアぐらいなものであろう。シリアの現政権も倒され
るであろう。その意味からしても、北朝鮮のような国の存在は必要
なのである。正義だの自由だのと云っても、国際政治の根本はその
程度のことなのである。
 中国にしても、人権問題が国際的な批判を受けている。しかし、
もっと悪い国がある、という意味で北朝鮮の存在は意味がある。こ
の点で米国と中国の国益は合致する。元々、中国と北朝鮮の関係は
深い。中国はチベツトを侵略するに際して、北朝鮮軍を韓国に侵攻
させて朝鮮戦争を起こさせたのである。世界の耳目をチベットから
反らすためである。そのおかげで中国は堂々とチベット人を虐殺し、
併合することができたのである。朝鮮戦争の際、中国は血を流して
までも北朝鮮を守った、という「血の同盟」という評価は表面的な
ものである。中国はチベット侵攻のために朝鮮戦争で北朝鮮を助け
たふりをしたと云うのが正確な歴史観といえよう。
 今後とも北朝鮮の言動を見れば、中国と米国の真意を推し量る目
安となるであろう。
 いずれにしても、可哀相なのは北朝鮮の人々である。国際政治の
犠牲者といえよう。それらの人々が開放されるのはまだまだ先のこ
とであろう。

一川防衛相発言は失言に非ず !

2011-12-05 07:24:33 | 政治
一川防衛相の発言「95年の沖縄少女暴行事件は詳細には知らない」は
失言ではない。「詳細は知らない」、と云っているのであって、事の重
大さを知らない、と云ったのではない。たとえば、その犯人の米兵の名
前をすぐに云える日本人は何人いるのであろうか。すなわち一川氏は防
衛相としての資質も問われることはないはずである。また、野田首相の
任命責任でもない。野党の党利党略の過大反応である。
 
 一方、前沖縄防衛局長の不適切発言は許されざるものである。しかし、
その責任は、本人自身にある。あえて責任を問うとすれば、防衛事務次
官にあるのではなかろうか。野田首相と一川防衛相の責任でもない。

 沖縄は駐留米軍人による犯罪を始め、騒音等々の苦悩を押し付けられ
てきた。その意味からすれば、駐留を許す日本国政府は加害者の立場で
あることを自覚すべきである。さらに今後とも沖縄に基地を押し付ける
ことは沖縄の人々の意思に反することを意味している。絶対に受け入れ
ないだろう。

 今後、書類上の普天間移転事務を進めても実現する可能性はゼロであ
ろう。政府は県外、あるいは国外を模索すべき時期にきていることを自
覚し、真剣に努力すべきだと考える。

付和雷同の大阪市長選 !

2011-12-03 10:56:05 | 政治
具体論なき大阪市長選は真の選挙とは云えない。単なるムード選だからで
ある。お祭り選挙、付和雷同選挙というべきである。当選した橋本氏は、今
は「独裁」が必要な時といっている。トンデモナイことである。

 第一、「大阪府と大阪市の二重行政では無駄が多すぎる」から「都」とす
る、という理由だけで市民は投票したのであろうか。そんなことを云うので
あれば、全国の都道府県の現行体制を否定することになる。理屈の通らない
ことである。分かりやすい例でいえば、公営の野球場を作る場合、都道府県
と市町村が一つ以上作ることがある。その場合、市が作るのは自由である。
しかし、全体を見回して都道府県が適当な場所を選んで作るのも自由なはず
である。普通、県が中規模野球場を作れば、市は陸上競技場を作る、その逆
もある。いずれにしても合理性が求められている。たとえ都道府県と市町村
がダブッテ作って悪い結果になったというのであれば、都道府県議会と市町
村議会のどちらかが悪いことになる。しかし、都道府県体制が悪いというこ
とには直結しないはずである。

 また、現在の日本には独裁者は必要ない。民主政治が定着し、国際的にも
民主化が進行している。アラブ諸国やミャンマーなどを見れば分かるであろ
う。たかが、大阪市長、府知事になったぐらいで独裁者きどりでいるのは民
主体制に反逆する思考で、危険な夢想家と云われても仕方ないであろう。

 さらに新市長は自分の主張を認めないならば、「国政」に打って出る、と
までいっている。その意思は自由である。しかし、多くの国民は無知ではな
い。そんなに簡単に行くものではないだろう。正しいビジョンを示すのが先
である。橋本氏はヒットラーになるつもりなのであろうか。

 民主党をはじめとする諸政党は付和雷同すべきではない。明知を磨いて冷
静に対処すべきである。

野田内閣は、「売国内閣」のレッテルを避けよ !

2011-11-09 11:58:44 | 政治
 TPP問題は、最終段階に入った。昨日(8日)のBSフジ「プライムニュース」の
中で、榊原英資氏は「何で野田首相はTPPに入る気になったのか?」、という意
味の発言をしている。榊原氏は日米交渉を何度も経験してきている外交のパー
ソナリティである。同氏は「農業崩壊」、「国民皆保険の崩壊」、「政府調達
による地方の建設会社の危機」という問題点を指摘してTPPに明確に反対して
いる。その論調は説得力のあるものだった。

 今や、日本とどこかの国が全面戦争するような世界情勢ではなくなったと思
われる。米国頼み一辺倒の時代は過ぎ去ろうとしている。そういう考え方は古
くなっているのである。現在の民主党を見ていると、かっての自民党を思い出
す。TPPは、日本にとってメリットよりもデメリットの方が多い。

 野田政権は米国のひたたかさを知らないのであろうか。参加した後で、日本
の主張をし説得できると考えているようである。そんなに外交とか交渉事は単
純なものではない。それとも、すべてを知った上でTPPに参加しようとしてい
るのであろうか。もしも、そのような考え方であれば、「売国内閣」とレッテ
ルを張られるだろう。そんな愚かなことを野田内閣はするはずがない、と信じ
ている。

 野田内閣は「売国内閣」だ、というレッテルを張られる事だけは避けるべき
ではなかろうか。

朝霞公務員宿舎凍結は「君子の豹変」

2011-10-05 08:07:41 | 政治
 今回の野田首相による現地視察によって朝霞市の公務員
宿舎の建設が5年間凍結されることになった。鳩山政権時代
に建設凍結を決めたが、野田氏が財務省時代の12月に凍結
を解除し建設に着手したものである。しかし、今年3月の震
災があり、宿舎の建設(105億円)を復興費用に回すべきだ、
という野党からの批判もあって、今回の凍結にいたったので
ある。野田首相の判断は当然であって、君子の豹変と云えよ
う。さらに安住財務相との会談で、公務員宿舎の削減計画を
見直すための検討会を設置することとなった。(毎日新聞、
北海道新聞、参照)

 一方、インターネット上では遷都論議も本格化しつつある。
したがって、公共事業も見直す必要があるのではなかろうか。
震災、津波、原発事故などの復興事業には取り組まなければ
ならない。しかし、その他の公共事業は慎重に再検討すべき
だと思われる。なぜなら、もしも遷都することになれば、無
駄になるケースが出てくるからである。それらの無駄は、で
きるだけ避けなければならないからである。

 場所や規模や費用論議はともかくとして、まず「遷都」の
是非を内閣で検討し、なおかつ国会に検討委員会を設置すべ
きではなかろうか。野田首相はこのような大胆な提言をして
もいいのではなかろうか。日本の明日の命運がかかっている
からである。また、無駄な出費を防ぐためでもある。

 せめて「遷都するのか」、「しないのか」、という結論を
早急に出す必要性がある、と考える。結論によっては、現在
の中央官庁の維持管理問題、あるいは売却問題も生じてこよ
う。さらに日本全体の好況・不況感が違ってくる。また、国
際的な経済の閉塞感を打破する契機になるかも知れないから
である。朝霞の公務員宿舎は中止すべきである。野田首相の
リーダーシップが問われることとなるだろう。

今は挙国一致を内外に示す時

2011-06-25 08:10:21 | 政治
 地震と津波による原発問題で日本は窮地に立たされている。特に
原発事故のデ-タ開示が遅れたために日本の信用度は落ちている。
国難といえよう。今必要なのは日本中が一体となって立ちあがろう
とする姿勢を内外に示すことであろう。政治権力をもて遊ぶような
ことをしている場合ではないはずである。民主党首脳部は、そのこ
とを認識しているからこそ挙国一致に動いたはずである。また野党
もそれに呼応したはずである。
 卑近な例で恐縮だが、一家庭が瓦解しようとしている時、夫婦や
子供たちがてんでんばらばらの状態で、仲が悪い状態を周囲に知ら
れれば、誰も助けてくれないはずである。一家して何とか元に戻ろ
うと一生懸命な姿を見せてこそ、親戚や他人までもがその家庭を助
けてやろうとする気が起こるのではなかろうか。それと同じことで
ある。
 3.11以来、現政権は数々の失敗をしている。それが諸外国に
不信感を与えてしまったのである。このままの政権でだらだらと行
けば、より一層の威信を失うのは間違いのないことであろう。菅総
理はあきらめが悪い。衆議院での内閣不信任騒動の際、菅首相は鳩
山元首相に辞任を約束したから民主党の分裂が避けられたのである。
一度約束した以上、一国も早く辞任するのが筋である。したがって
菅首相では挙国一致体勢を構築できない。できるはずがない。今は
何よりも日本全体が災害復旧に一丸となっていることを内外に示す
時である。
 菅首相が執念を見せる「再生可能エネルギ-特別措置法案」が重
要なのは理解できる。しかし、重要法案であるからこそ挙国一致内
閣で成立させるべきではなかろうか。
 また、現在求められているのは、スピ-ドである。瓦礫の撤去一
つ見ても遅すぎる。一から万事遅すぎる。たとえば瓦礫は、一旦、
各地区に集めるのが先決である。それから選別して処分を考えれば
いいのではなかろうか。そのためには、国有地などの利用、日本中
から重機を集め、ダンプカ-を集める必要がある。それはレンタル
であろうと、持ち込みであろうと方法はいくらでもあるはずである。
国が主体となってするべきである。選別しながら瓦礫を撤去すると
いうこと自体、順序が逆である。
 今回、復興相に内定した松本龍氏は好感の持てる政治家である。
松本防災相の活躍に期待したい。菅首相はもともと有能な政治家で
ある。今回、引き際を奇麗にすれば、いずれ、また、首相になる機
会がくるのではなかろうか。

夢の挙国一致内閣

2011-06-14 07:28:26 | 政治
 西岡参議院議長はあるBSのテレビで云っていた。現内閣の責任は
全閣僚の責任でもある。いわば共同正犯であると。共同責任は免れな
いのではなかろうか。諸外国から日本の威信はいちじるしく低く見ら
れている。ゆゆしき事態である。現閣僚から今回は入閣をご遠慮して
いただいた方が諸外国に与える影響が良いように思われる。挙国一致
内閣の野僧の夢を語ろう。野田氏や前原氏の将来は約束されている、
といっても過言ではないだろう。挙国一致内閣は期間限定、なおかつ
議員の今任期中は解散なし、という前提にすべきだと思われる。

 「挙国一致、夢の内閣」

総  理      仙石由人

副総理(復興担当) 石波茂(復興の一元化)

総  務      山口那津男

法  務      小沢鋭仁
  
外  務      田中真紀子

財  務      江田憲司

文部科学      直島正行

厚生労働      福島瑞穂

農林水産      石原伸晃
 
経済産業      長妻昭

国土交通・沖縄北方 谷垣禎一

防  災      原口一博(今後の防災対策のため独立)
 
環  境      河野太郎

防  衛      樽床信二

官  房      岡田克也

国家公安・拉致問題 渡辺喜美

金融・郵政改革   亀井静香 

消費者・少子化   円より子

行政刷新      中山義活
(敬称略)  

二流国になった日本

2011-06-11 07:14:29 | 政治
 「天野外し」は、日本が二流国になった証明である。国際原子力機関
(IAEA)の天野事務局長が批判にさらされている。福島第一原発の
事故を巡る天野事務局長の対応ぶりが、「依然として日本政府の影響下
にある」、との懸念を諸外国に与えてしまった。その理由は、事故に関
する迅速で正確な情報提供に失敗したからだ、と報じられた。(読売新
聞、6月10日、朝刊)
 すなわち、1、2、3号機のメルトダウンなどの公表の遅れ、その他
の資料の開示の遅れ、米国などの協力を拒否したこと、など一連の日本
政府の対応に天野氏がそったままであることで諸外国の不信と怒りをか
ってしまったと云うことであろう。IAEAの事務局長としては不適格
との烙印を捺されてしまったのである。これは、ひとえに日本政府の責
任である。不必要な隠蔽をしたからである。
 また、重要会議に天野会長が出席できないようにされている。①6日
から始まったIAEAの定例理事会の最中の7日に、パリで原発安全策
を巡る閣僚級会議を開いた。②IAEAの年次総会が行われている9月
22日にも、国連本部で同様の閣僚会議を開き、天野事務局長が出席で
きないようにされている。それらはすべて故意であると推測できる。す
なわち、天野事務局長に対する不信任を意味するものである。ここまで
くれば、天野氏は自ら辞任せざるを得ないであろう。天野氏にはお気の
毒なことである。
 この一事を見てもわかるように、日本の威信低下は相当なものである。
いわば、日本の恥である。このことは日本のすべてに悪影響を受けるも
のといえよう。ゆゆしき事態である。
 現内閣の責任である。新内閣を一日も早く組閣し、国際社会に信頼さ
れる方向に持っていかなければ日本は沈没してしまうであろう。現内閣
の閣僚は、全員、新首相になる資格はない。

挙国一致内閣で復興を!

2011-06-09 15:38:15 | 政治
 菅首相は運がなかった、としか云いようがない。しかし、若い時から
注目された政治家である。民主党が政権を取ったのも、菅氏の功績の一
つであろう。しかし、大地震のみならず、津波や原発の事故に対する処
置の遅れと、対処の仕方を一部とはいえ間違ってしまった。まことに残
念である。しかし、民主党の理念すべてが否定されたわけではない。
 現在、菅氏の後の大連合が議論されている。多くの国民の希望として
は、大地震と津波、さらには原発の処理対策と復興に関して、挙国一致
内閣で臨んでほしい、ということである。それが原則であろう。勿論、
期間限定でのことである。
 その他の政策と理念については、上記の復興策が軌道に乗るまでは、
互いに控えるべきではなかろうか。それでは自党が埋没してしまう、と
考える政党があるかもしれない。それならば、各党はその他の理念を論
議する法案などを提出しても一向にかまわないのではなかろうか。それ
らの正否を判断するのは国会であるが、世論が見ていることを忘れない
でほしい。それらの真の判定は次なる選挙で出るはずである。
 いずれにしても、各党には有能な政治家が驚くほど多いのは事実であ
る。すなわち各党はそれぞれ自前の復興策を提案して全党で論議して、
まとめれば良いはずである。それが挙国一致内閣の使命であろう。
 今はかってない国難のときである。私心を捨てて、国難に立ち向かっ
ていただきたい。