今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

日本の威信を傷つけた茶番劇

2011-06-03 09:19:15 | 政治
 内閣不信任劇は幕を閉じた。文書の通り辞任を約束したという鳩山前首相、辞任
の時期は、一定の目途がついてから、という意味だ、と主張する菅首相。というこ
とは、菅首相は鳩山氏に辞任を約束したということである。「菅首相はうそつき」
と断ずる鳩山氏の主張に部がありそうに見える。菅首相の言動は詐欺だ、と云うテ
レビの解説者までいる。いずれにしても喜んでいるのは野党である。これで参議院
での問責決議案が出しやすくなった、と云っている。こんなことでは野党の協力は
得られない。菅内閣が行きずまるのはそう遠くないのではなかろうか。
 対外的には、「嘘」についてはキリスト教では厳禁である。嘘をつくと信用され
なくなるからである。日本では「嘘も方便」で逃げられるかもしれないが、諸外国
では信用失墜の一番の原因となる。日本でも「嘘つきは泥棒のはじまり」という諺
があるくらいである。
 野僧は以前から、内閣不信任案の採決の直前、すなわち1日の午前中に菅首相は
辞任を表明するだろうと予想していた。しかし、鳩山氏の菅氏に対する温情あふれ
る心配りによる仲裁は裏目に出る結果となってしまった。いかにも育ちの良い良家
の出身者らしい行為である。それを非難する気はない。しかし、政治家としては失
格のような気がする。即、辞任を説得すべきではなかったかと思われる。そのほう
が菅氏のためだからでもある。まさに「情けは人の為ならず」、と云うことを証明
したようなものである。
 自民、公明の両党の不信任追及は的確とは云えなかった。なぜなら大義を何一つ
主張しなかったからである。たとえば、「蓄電機(器)の開発」、「ヘルツの問題
解決」、「首都機能移転」などを説かなかったからである。だから、マスコミから
大義が見えない、と批判されるのである。仮定の話で恐縮だが、今回の津波が東京
を襲っていたら、天皇を始めとする皇族の方々がどうなっていたか、考えたことが
あるのか。国家の統治機能はどうなっていたのか、考えなかったのか。考える能力
がないのであれば、政治家を止めるべきである。天皇陛下は一説ではガンではない
か、と報じられている。また、皇后陛下は座ればヒザに激痛が走る健康状態だとも
報じられている。にもかかわらず、被災地を訪問して国民を激励している。なぜ、
それらのことを考えないのであろうか。福島第一原発から那須の御用邸までは、わ
ずか約120kmしか離れていない。御用邸として今後も利用できるのか、などの
問題もある。
 いずれにしても、「注水問題」に続く、恥の上塗りという結果がどうなるのか、
結果は見ずともわかるような気がする


亀井新内閣で急場を凌げ!

2011-05-29 13:02:17 | 政治
 今回の大地震と原発事故で民主党は窮地に立たされている。大地震はまさに天災
であり、誰の責任でもない。しかし、人類の造った原発による事故は、津波の影響
と云うより、危機管理の脆弱性に根本原因がある。すなわち、長く続いた自民党の
国策によるものである。民主党政権になって、まだ2年に満たないからである。
 したがって、注水ポンプが流されたこと、電源が切れたことに始まる原発事故は
自民党政権時代の代償とでも云うべきものである。さらに、メルトダウンが生じた
こと、それによる水素爆発、放射能の大量放出、汚染水の大量放出などは自民党政
権の責任といっても過言ではないであろう。
 しかし、民主党政権の不必要な隠蔽主義、秘密主義などの姑息で幼稚な行政力の
ために、本来なら自民党の責任であるものを、民主党政権の責任にしてしまった。
だから無能というのである。
 具体的には、

①一号機の爆発以後も、安全だ、心配ないと云い続け、メルトダウンを2ケ月も公表
 しなかったこと。
②二号機、三号機も同じ。
③原発事故の基準を最高の「7」としたのは、3.12日には上記のメルトダウン
  を知っていたからではないのか。
④菅首相が、「20km以内には10年か20年か住めないのではないか」、と云
 ったと報じられている。上記のメルトダウンを知っていたからではないのか。
⑤校庭の被曝基準を子供に合わない上限値にしたこと。20ではなく、10ミリ・
 シ-ベルトにするべきだったと思われる。
⑥米国の支援を断ったこと。米国は日本以上に原発事故のノ-ハウを知っている。
 隠蔽、秘密主義のために断ったのではなかろうか。
⑦外国に被害実態を公表しなかったこと。世界から不信を受けるようになった。
⑧「海水の注入を中断させた」、「東電が自発的に中断した」、「中断しなかった」
  などの一連の訂正論議は、国民と諸外国に決定的な不信感を与えた。
⑨被災者などに対する援助業務の遅滞。
⑩福島第一原発の20km以内の住民を避難させながら、メルトダウンの非公表を
 2ケ月も続けたのは、当該住民を愚弄化するものである。
 
 などがある。いわば菅内閣の10の大罪といっても過言ではないだろう。現在、
内閣不信任決議案が話題となっている。
 その解決策は一つしかないと思われる。

①菅首相は自ら辞任すること。
②民主党を分裂させないこと。
③民主党の全員が納得する人物を次期首相に選ぶこと。
④民主党の誰が次期首相になってもしこりが残る。
⑤一日も早く次期首相を選任し、政治空白を最少にすること。
⑥衆議院の総選挙などは論外である。

 これらの条件をほぼ満たすのは、与党である国民新党の亀井静香氏から次期首相
になってもらう以外に方法はないと思われる。人物、人格ともに申し分のない政治
家である。亀井氏なら小沢一郎氏ともうまくやっていけそうである。民主党は小沢
氏をもっと大事にすべきである。「金の問題」という投網をかければ、かかる魚が
いるのではなかろうか。さらに社民党からも与党になってもらうべきだと考える。
 政策的には、「さすが日本」と世界から云われるような内容を検討すべきである。
自民党などからも智慧を出してもらうべきであろう。復興策が完遂するまで、自民
党、公明党なども含めた挙国一致内閣なら最高であろう。野僧としては、首都機能
移転、ヘルツの一元化(または変電所の増設)、蓄電機(器)の開発などを主要政
策に加えるべきではないかと思っている。
 それにしても、カツラを取った亀井氏の素顔を見てみたいものである。

発送電分離よりヘルツの一元化が根本問題

2011-05-20 07:52:03 | 政治
 菅首相は発電と送電を分離する案と、全国10地域をそれぞれ独占
する電気事業形態の在り方を検討すると発表した。しかし、早急的に
解決すべき根本問題が脱落している。
 それはヘルツの一元化である。今後とも大地震の起こる可能性は大
である。。したがって津波の襲来も当然ながら心配である。さらに台
風の巨大化する方向性を否定できない。したがって台風による高潮の
心配もある。津波も高潮も同じような被害を与える。さらには竜巻も
多発化している傾向にある。いずれにしても、今回のような大津波の
ような被害は日本のどこかで確実に起こるだろう。
 したがって、電力の融通性が今後の根本的な大問題である。現在、
東日本の周波数は50ヘルツ、西日本は60ヘルツである。これは明
治初期に東はドイツから、西は米国から導入したために周波数の違い
が発生した。当時、明治維新直後で、まだ藩閥政治の影を引き、それ
に政商がからんだ利権がらみの権力闘争の一つだったと思われる。お
そらく坂本竜馬が生きていれば、二つに分離することはなかったと思
われる。
 いずれにしても、どちらかに変換しなければ、電力の融通はできな
い。しかし、いつ、どこで、今回のような災害にあうかわからない。
その際、ヘルツの違いは融通性のネックになる。この問題解決こそ最
優先課題である。しかしながら、現在のような電力各社の独占意識を
変えるのは簡単な問題ではない。利権がらみだからである。したがっ
て、このヘルツの統一は相当に難解なことである。これを解決するの
は強力な政治力が必要である。
 次に総理となる人は、覚悟して立ちあがるべきである。自信がなけ
れば、首相になるべきではない。何よりも日本国民のことを最優先し
て対処していただきたい。

嘘つき菅内閣は即刻退陣せよ!

2011-05-17 05:58:30 | 政治
 福島第一原発の1号機の炉心の核燃料棒が溶融するメルトダウンが
3月11日の午後7時半には始まり、翌12日の午前6時50分ころ
には原子炉圧力容器の底に溶け落ちていた、と15日東京電力は発表
した。
 さらに、翌日の16日には、細野首相補佐官は「2、3号機も最悪、
(全)炉心溶融していると見ていかないといけない」(読売新聞)、
「相当部分は圧力容器の中にあると見ているが、格納容器に多少は落
ちていると想定される」(北海道新聞)、との見方を示した。
 津波から2ケ月もたって発表したということは、国民を愚弄するも
のである。当初から良心的な科学者はメルトダウンの可能性を指摘し
ていたのである。にもかかわらず、安全だ、安全だと云い続けてきた
菅内閣、東電、保安院などは大変な国民への裏切り行為である。この
姑息な隠蔽工作は、結果的に自民党の原発政策に免罪符を与えるもの
となった。と同時に菅内閣は自ら墓穴を掘ることとなってしまった。
 津波による原発の危機管理の欠如による被害までは自民党政治の責
任である。しかし、それ以後の対処次第では、菅内閣の責任になる、
と本欄で指摘している。何も菅内閣が嘘をつく必要性はなかったはず
である。
 また、そのような状態を支持し続けてきたマスコミにも責任がある。
原発事故は大したことはない、と報じ続けてきたからである。また、
菅氏以外に首相になる人物はいない、とも報道し続けてきた。それは
意図的な一種の情報操作といわれても仕方のないことであろう。首相
になる人物はいくらでもいる。民主党では原口元総務相、前原前外相、
小沢一郎氏、野党では自民党の谷垣総裁、石波政調会長、石原幹事長、
など有能な政治家はいくらでもいる。
 今後の最重要懸念は、メルトダウンによる再臨界による水素爆発や
水蒸気爆発などがある。一機だけならともかくとして、三機が連鎖的
に爆発するとすれば大変なことになる。それに加えて使用済み燃料棒
の一時保管プ-ルは水素爆発などで瓦礫が散乱しているという。当然、
燃料棒も破損している。使用済み燃料棒は約4000本もあり、それ
が誘爆する危険性もあるのではなかろうか。今になっても安全だ、安
全だ、と云い続ける菅内閣に原発の事後処理を託すのは、あまりにも
危険すぎる。国民をこれ以上危機的な状況下に置くわけにはいかない
からである。
 菅内閣には「これまで御苦労さまでした」、と謝意を表しつつ、退
陣をお願いせざるを得ないのではなかろうか。


民主代表選、個人攻撃やめよ!

2010-09-03 15:44:30 | 政治
 民主党の代表選が始まった。それにつけても個人攻撃がひどすぎる。
特に相手候補の人格や経歴などを全面否定する数人の民主党代議士の
発言は見苦しい。それは民主主義そのものを否定することをも意味し
ている。
 また、長年、行動を共にしてきた元同志の候補を言葉汚くテレビな
どで話す姿は自らの品位を汚す行為にすぎない。なぜなら、元同志の
候補と大同小異の経歴を持っているのではないかと推測されるからで
ある。本物の黄門さまが聞いたら、「品のない黄門さまだな」と驚く
であろう。
 さらに、現参議院議長の発言は非常識である。「(首相に)対抗す
る候補者は相当の覚悟が必要だ。首相を蹴落とそうとするのだから、
敗れた場合、党を去ることも選択肢に入る」と8月23日記者会見を
開いて語っている。現首相の対抗馬は負けたら民主党から出ていけ、
という意味である。(読売新聞8月24日、朝刊)。このような民主
主義を全面否定するような発言は、議長としての適格性に疑問が生ず
る。なぜなら、内閣の提出した法案に反対する議員は、辞職せよ、と
云っているのと同じだからである。もしも代表選で逆の結果が出た場
合、議長を自ら辞任しなければならなくなるであろう。それは自己否
定をも意味している。
 泥仕合といわれる今回の代表選は一部分見苦しい。いずれが勝つに
しても、恐らく、終盤には勝ち馬に乗り遅れるな、という雪崩現象が
出るであろう。

有能な政治家はいないのか?

2010-07-14 12:30:34 | 政治
 参議院選挙は終わった。民主党は惨敗した。昨年の衆議院選挙のマニフェスト
を実行しなかったからである。当然と云えば当然である。今回の選挙戦の直前に
テレビで放映された女子大生の発言が忘れられない。「云ったもの勝ち」みたい
だと。平気で約束を破る政治家は、資質を疑われても仕方ないであろう。
 菅首相は今回の選挙で訴えた。「民主党に元気を下さい」と。それは逆ではな
かろうか。学校を卒業しても就職できない、と困窮している人は大勢いる。当寺
の檀家さんの中には、高校を卒業しても就職できないので専門学校にいかせた、
という例がある。そのような困窮した現況下の中で、夢と希望を説かないで、自
党だけ売り込んでも説得力はない。民主党ばかりでなく、夢と希望を説く政党は
一つもなかった。何のための選挙だったのであろうか。社民党にしても普天間基
地を辺野古に移設することに反対するばかりで、こうすれば外国の基地そのもの
がなくなる、という提案は何もなかった。具体的な解決策を示さない反対論は空
論に過ぎない。
 菅内閣は、普天間基地を辺野古に移設することに米国と合意している。朝鮮半
島の緊張問題を考えれば仕方のない一面は否定できない。しかし、その決定前に、
民主党の主要議員や大臣がアメリカ詣でをしたのが気にかかる。米国隷属の感が
したからである。いつまでも米国頼りでは心もとない。もっと理想的な理想世界
像を説けなかったのであろうか。その理想像は近くにあった、のにである。かっ
て小沢一郎氏は、自衛隊の海外派遣は国連決議のもとに行うべきだ、と主張して
いた。この小沢構想をいま一歩進めると、国連軍の創設へと繋がる。勿論、すぐ
に国連軍が創設されるとは思えない。しかし、時間がかかっても国連軍ができる
のは確実なことだと思われる。そうなれば、沖縄の基地問題も自然解消される。
今や、一国だけでは戦争できない世界情勢である。国際世論が許さないからであ
る。北朝鮮が強気な言動をしていても、中国の支持なしには何もできないのと同
じである。中国と韓国は経済的な交流が活発で戦争どころの話ではないからであ
る。そういった将来像を示す政党は0だった。小沢氏が良いとか、悪いとかとい
うものではない。誰が云おうが、正しいものは正しいのである。
 また、経済の活性化に対する具体論も皆無だった。原発の海外進出などにして
も、活性化にほど遠いものである。この景気浮揚については、本欄で何度も主張
しているように、首都機能移転構想を実行すれば実現できるものである。どうし
てどの政党も移転を云わないのであろうか。国会議事堂、行政、司法などの官庁
舎の建設、それらの人々の住宅建設、パソコン、電話、テレビ、コンビニなどの
商店、娯楽施設、技術開発などの内需拡大は全業種にわたる莫大なものとなる。
当然、人手不足ともなる。また、地域としては那須以北ならどこでも可能である。
北海道なら理想的であろう。これに対してゼネコンや大手企業が支持の声をあげ
ないのは、足し算や掛け算もわからないような無能な人しかいないのかと思わざ
るを得ない。ゼネコンは、100年に一度の災害で驚くことはない、といってい
るようである。水害一つとっても、毎年大きな災害が世界中で発生している。あ
げくのはてに、環境評論家なる人物をテレビなどのマスコミに登場させて環境破
壊はない、と嘘ぶかせている。それは自慰行為に似ている。
 その理由は、環境破壊による影響を信じていないからであろう。しかし、あと
20年もすれば、誰もが環境破壊の恐怖を実感することになるだろう。2030
年頃になれば、東京の夏の昼の気温は40度になるだろう。さらにヒ-トアイラ
ンド現象で42・3度になるはずである。恐らくそれが常温になると思われる。
口蹄疫はパニックを引き起こしたが、気温上昇による疫病は世界全体に及ぶだろ
う。口蹄疫を上回るものとなるはずである。それからでは遅すぎる。このような
未来像を説く政治家も0に等しい。これは人類の断末魔の変形なのかも知れない。
 いずれにしても、われわれ人間が存在している間は、幸福を追求する政治家に
期待せざるを得ない。

民主党はダマシのテクニックを止めよ!

2010-06-18 05:58:17 | 政治
 この15日の参議院の本会議での菅首相の答弁を聞いて驚いた。
「靖国神社参拝」について聞かれた首相は「個人的には何度も参拝
したことがある。しかしA級戦犯が合祀されているといった問題な
どから、首相や閣僚が公式参拝することは問題があると考えており、
首相在任中に参拝するつもりはない」(読売新聞、16日朝刊参照)、
と答弁している。
 昨年8月の衆議院議員選挙では、民主党の公約の一つに「国立追
悼施設」が明記されていた。靖国神社に替わる施設を設置するとい
う公約である。菅首相の答弁は明らかに公約違反である。靖国神社
容認と受け止めざるを得ない答弁だからである。国立追悼施設の設
置構想はどうなったのであろうか。
 次の日の午後のテレビのワイドショーで、あるコメンテーターは
こんなことを云っていた。「民主党は昨年の選挙の時、票に結びつ
くような事項は全部マニフェストに書いた」ということである。そ
の真偽はともかくとして、1年もたたないうちに平然と公約違反を
公言する心理が理解できない。政治家には白いシッポがついている、
といわれる所以でもある。
 野僧は、公約を見て民主党に投票したのである。沖縄の普天間問
題にしても然りである。辺野古移転という米国との合意は、自民党
とまったく同じである。「沖縄の負担を軽減する」といっても、リ
ップサービスだけで、具体策は何もない。練習地を各地に分散する
と云っても、軽減策にはほど遠い。沖縄ばかりでなく、すべての日
本人に夢や理想を与えるような哲学も理念も説かないのでは、政権
担当能力が疑われても仕方ないであろう。
 政権を取るまでは立派なことを云っても、権力が手に入ったとた
んに豹変する。民主党は本当に日本のことを考えているのだろうか。
今回の選挙が終われば、またぞろ政界再編が持ち上がるのであろう
か。
 民主党は公約違反しているのであるから、できうるかぎり早く衆
議院を解散して民意を問うべきである。

小沢幹事長は今後の不動産不取得宣言を

2010-02-23 06:04:59 | 政治
 長崎知事選挙で民主、社民、国民新党などが推薦した候補が、
自民、公明両党の支援を受けた中村氏に大敗した。当然といえ
ば当然の結果である。鳩山首相がいうように、「政治とカネが
影響」したのは疑問の余地がない。
 しかし、政治家とカネの問題はこれまでマスコミ報道された
だけでも枚挙にいとまがない。共産党などを除くほとんどの政
党の政治家の名があがっている。鳩山由紀夫首相の母親からの
献金問題にしても、弟の鳩山邦夫代議士も同様に献金を受けて
いる。自民党は鳩山邦夫氏の献金問題も取り上げるべきではな
かろうか。しかし、この両者の献金問題は企業からの賄賂性の
あるものではない、といえよう。
 一方、民主党の小沢幹事長の不動産取得に関する問題にして
も、民主党だけの問題ではない。自民党の政治家などでも企業
の献金や、公共事業などに関する利権がらみの献金問題はこれ
まで表面化されてきているのも事実である。しかし、官憲が立
件できなかったために最終的に起訴にまでいたらなかったとい
うことであろう。「やぶ蛇」という言葉も思い出すべきではな
かろうか。小沢氏は豊富な政治経験から、知っていることをす
べて暴露すれば多数の政治家がヤケドすることになるのではな
かろうか。
 本欄でも何度も指摘しているように、政治家とカネの問題は
今に始まったことではない。今後も政治家とカネが話題になる
のかと思うと不愉快である。小沢幹事長を擁護する気はないが、
この世が金で動いている間は、この種の話題が後を絶つことは
ないだろう。
 小沢氏は、今後、「一切の不動産を取得しない」ことを公言
すべきではなかろうか。野党も対岸の火事のように騒ぐことが
賢明だとは思えない。

民主、強力内閣を

2009-09-05 14:29:02 | 政治
 民主党は308議席を得て圧勝した。しかし、
鳩山代表がいうように、これからが政策実現の
「スタ-ト」である。
 今回の衆議員選の論評で一番的を射て、おも
しろかったのは、野口武彦氏(文芸評論家)の
「民主党は改革者になれるか」である。(読売
新聞9月3日・朝刊)。ただし、野僧の知る範
囲内の話ではあるが。その中で野口氏は、「世
直し、空約束は命取り」、「幕末の江戸も格差
社会」、「天保の改革と酷似」、「チルドレン
たどる道は?」のタイトル内容である。今回は明
治維新の時の「革命」ではなく、統治体制を同じ
くする中での改革であり、「天保の改革」に酷
似している、として幕末と現代を比較論評した
内容である。中でも、明治維新の時の主役は若
年層だった。奇兵隊を創設した高杉晋作29才、
西郷隆盛は41才、大久保利通は35才、木戸孝允
は35才、伊藤博文は27才だった。これに比べ、
鳩山代表は62才、菅直人代表代行は62才、小沢
一郎は67才である。これらの対比からしても、
民主党は思い切った若年層を登用すべきではな
かろうか。
 鳩山由紀夫総理、小沢一郎幹事長、平野博文
官房長官、岡田克也外相、国家戦略相には菅直
人氏が内定したようである。予想以上に民主党
には有能な人材がそろっているようである。
 ただ、戦前、戦後の政治体制を見ると、軍国
化、右傾化の根源は(旧)文部省が先導していた
事実を否定できない。その傾向は戦後も継続し
ている。たとえば、靖国神社問題にしても自民
党以上に文科省が主導していた。したがって、
自民党の中に、宗教に無関係の追悼施設を設置
しようと提案する議員や総理がいても、自民党
のタカ派と文科省の官僚がタックを組んで潰し
てきた経緯を見逃すわけにはいかない。したが
って民主党のマニフェストに掲げられた宗教抜
きの追悼施設を設置しようとしても、官僚の強
い抵抗が予想される。つまり、相当ベテランの
人が文科大臣にならなければ、実現できないこ
とになるだろう。たとえば、田中真紀子氏のよ
うな人が適任ではなかろうか。
 次に、「民間人閣僚に寺島氏浮上」(北海道
新聞、8月31日夕刊)とも報じられている。寺島
実郎氏(62)は日本総合研究所会長であるが、テ
レビ等のコメンタ-タ-として引っ張りだこで
ある。氏のコメントは的確で評論家としても第
一級の人物というよう。さすがに民主党は読み
が深い、といえよう。寺島氏の閣僚も期待でき
るが、アメリカ大統領のシンクタンク的なトッ
プとして全体をコントロ-ルする立場の方が適
任ではないかと思っている。
 いずれにしても、民主党は英断をもってマニ
フェストの実現に取り組んでもらいたい。本当
の改革、チェンジできるかどうかが、次の衆議
院選挙に直結する。名は体をあらわす、という
が、党名どおりの民主国家にしてもらうことを
期待している。

選挙の勝敗決する生活保障政策

2009-07-15 08:51:21 | 政治
 衆議院選挙は21日解散、8月30日投票
にほぼ決定した。与野党逆転か否かが最大の
関心事である。
 一般大衆は、高邁な政治思想の判断で投票
するわけではない。その根拠は、極めてシン
プルである。現在の生活に満足している人は
政権担当政党に投票する。いわゆる保守派で
ある。これに対し、満足していない人は野党
に投票する。いわゆる改革派である。
 生活苦にあえいでいる人は、現在の状況を
打開するために、政権担当政党には投票しな
い。何とかして打開策を探らざるを得ないか
らである。100年に一度という経済危機、
大リストラ、会社の倒産、年金の先細り等の
社会不安が、政権与党の責任だと思っている
国民が多い、ということである。
 これに対し、現在の生活に満足している人
は勿論いる。しかし、日本全体から見れば少
数派であろう。自民党支持者が減ったのは、
それが原因である。それだけ現在ばかりでな
く、将来に不安を感じている人が多いという
ことである。
 特に、年金基金の浪費のつけが回り回って
自民党を苦しめている最大の原因である。
 野僧自身、生活が苦しかった時は野党に投
票していた。生活に満足できる現在は保守派
になってしまった。他の人も大なり小なり同
じであろう。
 今回の選挙の勝敗のポイントは、国民の抱
く不安に答えるマニフェストを、どの政党が
出せるのか、ということである。今や、口先
だけの政策を見抜く眼力を国民は持っている。
諸政党は真剣に検討して選挙に臨むべきだと
考える。
 ブッダは、理想世界を表現しているが、生
活が満足した状態を説いている。極楽には貧
者は一人もいない。