ニコ、酒場で戯言

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なべ presents

Wishbone ash 「Pilgrimage(巡礼の旅)」 1971

2005-10-10 20:01:40 | 雑記
このシリーズも久しく書いていないというお叱りを各方面から…、全く頂戴していないのですが、秋の夜長はやはりロック。というわけでまたボチボチ再開していきます。こないだも久々にCDまとめ買いしてしまいました(どうもPCからDLする音楽に馴染みがない)

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ニコ酒本陣の今は無きロックアルバムのレビューコーナーでこのWishbone Ashのロック史上に燦然と輝く名作「Argus」(邦題:百眼の巨人アーガス)を取り上げたことがあるのだが、今回はその3rdではなく前作にあたるこの2nd。私が「Argus」と並んで好きなアルバムである。

ツインリードギターの元祖とも言われる彼等の真骨頂はやはりインストゥルメンタル曲(部分)の魅せ方であり、それでいてギターが突出しないアンサンブルの妙である。特にこの2ndアルバムはインスト曲が全7曲中4曲を大勢を占めており、彼等の本質的な魅力を存分に愉しむことができる。無論、名盤と呼ぶに相応しい。

アンディ・パウエルとテッド・ターナーはお互いのギターに優しく語り掛けて、そして呼応する。その掛け合いの妙は前述の「Argus」で見事に花開くことになるわけだが、このアルバムにおける“The pilgrim”、“Alone”、“Lullaby”といった楽曲でも十分に味わうことができる。

“Vad dis”(邦題:よみの国へ)はジャズ・オルガニスト、ジャック・マクダフのカバーソングということだが(オリジナル曲は未聴)、スリリングでパワフルな演奏はきっとロックファン以外にもアピールするに違いない。効果的なスキャットが洒落ている。

このアルバムのハイライトは、“The pilgrim”。幻想的でやや東洋的なメロディから徐々に惹き込まれ、次第にハードに展開していく。この構成美といったらない。インストゥルメンタル曲はどれだけイメージを喚起してくれるかが鍵になると思うわけだが、この曲が我々にみせてくれる風景は実に彩り豊かなもの。プログレ的ではあるのだが、71年当時、これらが全て『ロック』という括りだったのだろう。こういった粋な曲をかけるお店ってないもんですかのお~。

もう1曲、忘れてはならないのが“Valediction”(邦題:告別)。クリアトーンのギターが哀愁を演出する叙情派ナンバーは彼等のもうひとつの大きな魅力。英国的などんよりとした哀愁がエッセンスとして全体に降りかかっているので、カビが生えたような私の心にビシビシと響いてくる。二人のギターソロの掛け合いが堪らない。歌詞がまた良い意味で若々しくて素敵。

因みに次回もロック・クラシックっす。

トレーニング中の選曲
“Vad dis”
“The pilgrim”
“Alone”
“Lullaby”
“Valediction”
“Where were you tomorrow”
計35分34秒