講演＆パネルディスカッション「政治とジェンダー 〜 地方議会で女性議員と働くということ 〜 」にパネリストとして参加をしました。
はじめに三浦まり（上智大学教員）から、「女性政治家を増やすことの意味はどこに 〜 パリテという発想から考える政治とジェンダー 〜」についての講演でした。女性がこんなに少ないのは民主主義ではない。今は、女性の経験が反映されない意思決定になっている。例えば防災からみると、それは顕著であると。
今、国会議員女性比率が30%を越えている国々も、実は20年前は10%に満たなかった。今の日本は世界の20年前。世界の130カ国以上がクオーター制をもち、女性議員を増やしてきているのですね。日本も漫然と過ごしていたのではダメで、仕組み作りが必要ということです。
5月に成立した「候補者男女均等法」は、実は市民立法、市民の働きかけからできた。理念法だと言われるけど、まず大切なのは、規範をどう自分たちのものにするのか。強制力よりも、関心を持ち続け、モニタリングをすることが必要だと。そして、数値目標を立てること、人材育成をすること。
三浦さんは、的確にわかりやすくテンポよく、何よりも希望あふれるお話をしてくださいました。
後半は、岡大出身の私と大塚愛さんを交え、大澤貴美子さん（岡大教員）が進めてくださいました。
大塚愛さんは子育て真っ最中ですので、立候補に至る過程のこと、また、議会活動をするにあたって、家族とルールを決めていることなど、ご自身のワーク・ライフ・バランスを等身大で話されました。私は子どもはいないのですが、夫の親の介護は夫、私自身の親は、私のきょうだいたちに任せているのが正直なところです。
自己紹介で、私がジェンダーを語ろうとすると、子ども時代のことが必要かなと、語り始めたら、いきなり気持ちが高ぶって、以降、緊張というか動揺というか。言葉足らずになって、ごめんなさいって感じです。
長女の私が中学生になったときから、両親が別居、離婚。母子家庭で、母が赤ちゃんを預かって、子ども4人を育ててくれました。学校から帰ると、赤ちゃんのオシメを変えたり、ミルクをあげたり。母は「児童扶養手当が本当にありがたい」と言ってました。凛と賢い母のもと、私は、奨学金・寮・授業料減免を得て、大学進学・卒業ができました。
母子家庭の貧困率の高さは、今も変わりません。ここにもジェンダーの問題があります。母は大変だったと思いますが、何よりも子どもといることを喜び、そんなことをおくびにも出しませんでした。
そして、どんな状況に置かれても、子どもたちが安心して育ち、多くの選択肢のなかで自分の人生を選んでいける力と機会を持てるよう、社会で育んでいくことが必要。私の原点になっていますし、いろんな経験や想いが議員活動の糧になっています。
私や大塚さんは、これまでの女性議員の皆さんが切り拓いてくださったベースのなかで、議員活動をしているので、議会のなかで、あからさまな活動のしにくさがあるわけではありません。
でも、子育て中の女性議員がいるという存在そのものが、議会の環境を変えていっています。岡山市議会でも、本会議の欠席届出に出産が加わったのが2015年。具体的に明示されていなかった本会議を欠席できる理由に、育児や介護、配偶者の出産補助などが記されたのが、今年の6月議会です。
女性や子どもの声を直接しっかり聞いて、制度として反映する、男女共同参画を進めている多くは、やはり当事者の女性議員だと思います。女性は聞く力、本音のコミュニケーションや、平たいネットワーク作りが得ていると思います。選挙のあり方も、かなり異なるのではないでしょうか。
女性議員が多くなると、男女共同参画や女性の暴力、子どもへの施策が進み、誰にとっても、暮らしやすくなると思います。岡山市も大きくシフトしてほしいです。
私が、岡山市議会には、女性議員と市役所女性管理職の大女子会があると伝えると、三浦さんはそれはいいこと。女性が語り合う場・スペースが大切ですと。
女子大学生からの積極的な質問もあり、皆さん、将来、議員を目指してもいいなという時間になっていたら嬉しいです。主催者の皆さま、三浦さん、素晴らしい時間をありがとうございました。三浦さんが代表をしておられるパリテアカデミー。ご覧くださいね。→http://parity-academy.org/programs/index.html
