きみはなぜ働くか。―渡邉美樹が贈る88の言葉渡邉 美樹日本経済新聞社このアイテムの詳細を見る |
以前、《愚者である事》という記事、書きました。
どろ亀先生の話です。
倉本聰さんの言葉。
『今、賢者ばかりの世の中。
そんな中で、どろ亀先生は、我々に愚者である事の大切さを教えてくれた。
愚者とは何か。
1.ものごとを利害で判断しない
2.何事も情熱を持って突き進む
今の時代だからこそ、愚者である、あり続けることがいかに大事かと思う。』
この本。
倉本さんの言葉と同じことが書いてあります。
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「鋭にして鈍なれ。」
30年ぶりに出た同窓会で、いろんな人生を送っている友人に会い、このように思った。
世の中には4つのタイプの人種がいる。
鋭にして鈍。
鈍にして鈍。
鋭にして鋭。
鈍にして鋭。
鋭とは鋭い事。才能があること。
鈍とは鈍い事。頭が悪くて表現もうまくない。
しかし、リストラにも無縁で、社会的に影響力を持ち、それなりにうまくやっているのは、
鋭にして鈍、あるいは、鈍にして鈍な人。
頭はよくなくても一つのことをきちんとできる人だからこそ人生がうまくいく。
いけないのは、鋭にして鋭。
いろいろキョロキョロして一つのことに我慢できない。鋭であるがゆえに楽してうまく行く方法を身につけてしまい結局長続きしない。
最もいけないのが、鈍にして鋭の人。
才能がないのに、あっちこっちに目が届く。気が散って何一つ出来ない。
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著者は、『人生、鈍であれ。』と強く訴えています。
サブプライムローン、そして、アメリカ市場経済。
弱肉強食、格差社会。
誰もが異常と思えるような拝金主義がどんどん増長している。
賢者ばかりが賢者の論理、ルールで世の中を席巻している。支配している。
愚者は、鈍なるものは、そんな世の中でどうしていくのか。
消費者のことだけを、愚直に考える。
自分の夢の実現に向かって、愚直に進む。
損得が第一義にはならない。
自分の愛するものを変わらずに大切にする。
淡々と、地道に自分の目指す方向に向かって歩き続ける。
ちょっとことがうまく行くと、
儲かり始めてくると、
出世して、肩書きができると、
政治家になって先生と呼ばれると、
人はどうしても、鋭になりがちで、さらに図に乗ろうとする。
周りをキョロキョロするようになる。
もっといいことがあるはずだろうと。
原点を忘れていく。
感謝の気持ちや、謙虚な心を失っていく。
うーん、ほんとに、そうだなあ。
自戒の日々。
今日も鈍であるように、
浮かれずに、地に足つけて、
淡々と一歩一歩進んでいこう。
なんとなくのイメージだけど、多分ノーベル賞を取るような人たちもそうなんだろうし、
棋士をはじめとした勝負師とか、スポーツ選手にもここでいう鈍な人が多いのかもしれない。
無心で、日々努力して、自分の技を極めていく。
あまり小細工とか、駆け引きとか、流行とか、まわりの雑音なんかにはとらわれない。
クレバーではない才のきかせ方、頭の使い方。
こういう「鈍」の状態、
茂木さんの脳科学的にも、なんかしら検証できることがあるんじゃないでしょうか。
射幸心というものはアーマークラスが-20を超えた忍者みたいなもので(ウィザードリィねた)、背後から忍び寄り気づいたらとらわれていたり首が飛んでいたりする。
成功に浮かれている時は知らずそうなりやすく、結果に報われず落ち込んでいる時にはやけくそでそうしやすい。
難しい。