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夜深く、考えさせられる番組:戦争は大義を失って・・・


11/17にTV放映されたNHKのスペシャル番組を見た。
「アブグレイブ刑務所での虐待」に関してのドキュメントだ。
アブグレイブ・・・、
イラク戦争終結後に、イラク駐留中のアメリカ軍(正確には、憲兵)によって、
捕虜虐待が行われた刑務所だ。
この件で、裁かれた当事者たちは、20代だった。
告発者、ジョセフ・ダービーも、当時(2004年)26才。
告発後、家族とも故郷を追われた。

尋問(実質的には、”拷問”)は、中将クラスの上級仕官による指示で、
より厳しく行われるようになった。
「虐待」ではなく「命令」だったのだ。
当時、軍上層部と、委託された民間軍事会社との2つの指揮系統から、
命令が出ていたのも、エスカレートを加速させたのだろう。
だが、これらの組織は裁かれていない。

匿名の告発者である”ジョセフ・ダービー”の存在が、
何故、明るみになったのか?
「事件は、ある兵士の輝かしい行動によって、明るみに出された」
「その責任感ある兵士について触れておきたい・・・」。
告発の数ヵ月後、TV放映でラムズフェルドの口から、出た言葉だ。
その行為を、英雄的だと言っていながら、「裏切り者め!」と伝えている。
実に政治的な報復行為だ。
軍にいられなくなったダービーは、除隊する。
除隊したダービーに、軍は「故郷に帰るべきでない」と勧告する。
”殺される”危険性があったからだ。
告発写真により、「虐待」の事実が明るみになったとき、
ラムズフェルド国防長官は、「こんな破壊的な衝撃を、
世界に与えるなど想定外だ」と言った。
”尋問”のテクニックを見せ、実質的に指示したミラー少将は
「不適切で不法な行動をとった少数の兵士がいたことだ」・・・と言った。
どういう意味だろう?
いや、どのような意味だろう。
いずれにしろ、彼らは、手のひらを返した。
「戦争は大義を失った・・・」
最初から、大義などなかったのだ。


<2020年7月画像追加・一部訂正>

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