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フィクションと現実の緊急対応


コナミのゲームソフト
「メタルギア・ソリッド3 スネーク・イーター」の導入部で、
主人公スネークが、恩師でもある強敵ザ・ボスとの格闘戦で腕を折られ、
谷底に投げ落とされるシーンがある。
この展開の後、スネークは、ザ・ボスとの対決時につかみ取ったバンダナで、
腕を吊るシーンとなる。
ストーリー展開上、かなりスリリングなシーンだが、ちょっとヘン?
バンダナで三角巾の代用にしたわけだが、かなり大ぶりなバンダナでも、
肩から、腕を吊るすには長さが足りない。
実際にやってみると分かるのだが、
腕が(折れているのに!)つり上がりかねない。
救命や救急で使われる三角巾は、それぞれの辺が105cm、
底辺が150cmもある大ぶりな二等辺三角形になっている。
つまり、このシーンは、ゲームならでは演出(フィクション)・・・。
そう、思っていた。
その後、ミリタリー誌に衛生兵(メディック)に関する特集があった。
ベトナム戦争時の衛生兵(メディック)のキットには、
オリーブ色の三角巾が含まれ、これをバンダナのように頭部に巻いていた兵士が
多かったらしい。
ちょっと軍用の三角巾が入手できないかと探し回り、手に入れてみる。
軍用らしく(?)安全ピンも一緒に封入されている。
三角巾や包帯まで、敵に視認されやすい”白”ではなく、
オリーブ色なのは、やっぱり軍隊の装備品ならでは、かな。
衛生的に包帯や三角巾は、白が望ましいが、戦場では敵兵士に視認されやすく。
負傷者が、目印をしたまま、逃げ回るような悲喜劇的な状況になってしまう。
そのため、軍用の包帯や三角巾には、カーキーやオリーブ色になっているらしい。
これは映画「地獄の黙示録」や「プラトーン」などの兵士のスタイルにも
見られる。
つまり、このシーンは事実をもとにした演出だったということ。
(注:軍隊に在籍した経験などないので、資料の受け売りになります)
うーむ。
突っついてみると、重箱のスミにも、色々、あるものです(?)。


(画像追加:H25年2月13日↑)

三角巾の使い方は、東京消防庁の上級救命講習で習うことも出来る。
(各、都道府県でも、同様のものは実施されていると思われる)。
止血や骨折、火傷などへの対応にも使えるので、興味のある方は、ぜひ覚えて欲しい。

<関連する過去の記事>





蛇足:
先日、NAも上級救命講習の再講習を受けてみました。
1度は受講したからこそ、再講習なのですけど…。
習ったハズのことを、かなり忘れている(とほほ…)。

数年前の医療ドラマのワン・シーンでは、消毒液をガーゼにとらずに、
直接、患部に消毒液をかけるシーンがあった。
医療の現場では、ガーゼに消毒液をとることも知らなかったのですが、
緊急医療の現場での描写には、圧倒されたものです。
ちなみに、東南アジアで戦ってきた日本人傭兵のレポートによれば、
傭兵部隊のメディック(衛生兵)に人気なのは、マ〇ロン。
この商品は、容器の形状と特性から、患部に吹き付けられるので、
ガーゼが要らないし、消毒液で拭き落とせる。
このため、帰国のたびに、まとめて購入していったとのこと。
このレポートを読んだとき・・・。
「日常生活の中にあるものは便利さに慣れてしまって、
その機能性を忘れがちになっている」と思ったものです。



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